いつまでも輝く女性のために…今月の特集!

更年期に積極的に摂りたい「ビタミンD」

丈夫な骨を維持するには、カルシウムだけでは不十分です。

 女性は更年期を迎えると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで、いわゆる「更年期症状」や「更年期障害」と呼ばれるさまざまな不調や症状が現れやすくなることはよく知られています。
 高齢者の転倒や骨折の大きな原因になる「骨そしょう症」もそのひとつ。女性ホルモンのエストロゲンには骨密度を正常に維持する働きがあるため、更年期以降にエストロゲンの分泌が減少して閉経すると、骨密度が減って骨がスカスカになり、骨そしょう症にかかりやすくなってしまうのです。
 高齢者の転倒や骨折は、結果として寝たきりや要介護状態につながりやすく、大きな社会問題になっています。そうしたことを防ぐためにも、更年期の女性はそれまで以上に骨を丈夫にするための努力が必要になります。

「骨を丈夫にする方法」と聞くと、まっさきに思いつくのは「カルシウムを摂取する」ということかもしれません。確かに、カルシウムは骨の健康に欠かせない成分であることに加え、転倒を防止するのに役立つ筋肉や神経が正常に働くために必要な成分です。
 しかし、カルシウムを十分に摂取さえすれば骨そしょう症は防げるのかというと、そうではありません。その理由は、カルシウムが多く含まれている食品が、牛乳やチーズなどの乳製品や小松菜、小魚など、限られていることに加え、これらの食品をたくさん食べたとしても、食品中のカルシウムを効率的に体内に吸収するのが難しいということです。

 そこで、カルシウムとともに摂取したい重要な成分として、「ビタミンD」がクローズアップされます。
 ビタミンDは、カルシウムが小腸で吸収されるのを助ける働きをすると同時に、いったん腎臓でろ過されて排出されたカルシウムを、再び腎臓で再吸収するように働きかけます。さらに、骨の新陳代謝を高める働きも知られており、骨の強度を高めるのに役立ちます。
 また、カルシウムと結びついて骨を形成するリンの吸収も助けるなど、まさに、骨の健康に非常に重要な役割を果たしているのです。
 最近のさまざまな研究では、ビタミンDには、筋力やバランス力を高め、転倒や骨折を防ぐ効果があることがわかってきました。ビタミンDを十分に摂取すると、摂取しない場合に比べて、転倒が19%減少、大腿骨頸部骨折が30%減少したという海外の研究報告もあります。
 近年、ビタミンDには骨に関する効果以外にもさまざまな効果が期待できることが注目されています。脳の中で神経細胞の保護や調整を行う、免疫を強化する、糖尿病の発症リスクを抑える、などです。また、がんとビタミンDの関係を示す報告もたくさん出ています。

皮膚で合成できるものの、日本人女性の多くがビタミンD不足

 更年期やそれ以降の女性にとってはとくに重要な栄養素であるビタミンDですが、ビタミンAやB、Cなどに比べると、あまりなじみがなく、その働きなどをよく知らないという人も多いかもしれません。
 ビタミンDは、食品では、キクラゲや天日干しのシイタケなどのきのこ類、サケやウナギ、サンマ、ヒラメなどの魚類などに多く含まれています。
 また、ほかのビタミンは体内で合成できないのに対して、ビタミンDだけは、日光(紫外線)を浴びることによって皮膚で合成されます。ビタミンDの合成には、晴れた日なら10~15分、曇っている日は30分程度屋外で過ごすようにすればいいとされています。
 食品から摂取されたビタミンDや皮膚で作られたビタミンDは、体内で酵素の働きによって活性化され、「活性化ビタミンD」に変化してはじめて有効に働きます。

 さて、そのビタミンDですが、不足している栄養素の一つといわれています。日本人女性のうち、9割がビタミンD不足だとする報告もあるほどです。とくに、加齢とともに不足しがちになります。
 ビタミンDは穀類や野菜には含まれておらず、肉類にも多くは含まれていないため、食品からは十分な量を摂りにくいことに加え、加齢とともにビタミンDを活性化する力も弱まってきます。
 さらに、夜型の生活を送っている人や病気や体力低下などが原因で日中の外出の機会が少ない人、日照量の少ない地域に住んでいる人、日焼け止めクリームなどで紫外線を強力にブロックしている人などは、日常生活で紫外線を浴びる量が不足しがちになり、皮膚におけるビタミンD合成量も減ってしまいます。
 食事から十分なビタミンDを摂れていない人や、日光を浴びる機会が少ない人などは、サプリメントなどを活用するのもよいでしょう。

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