いつまでも輝く女性のために…今月の特集!

ひとりで悩まず対策を。更年期世代の「尿トラブル」

女性に多い「腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)」と「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」

 女性のおよそ4人に1人が自覚している「尿もれ」※1は、40代以上になると3人に1人の割合に増えるともいわれています。
 尿もれはおもに、「腹圧性尿失禁」と「過活動膀胱」に分けられます。
「腹圧性失禁」は、その名のとおり、おなかに力が入ったときに起こる尿もれです。
 初期の段階では、咳やくしゃみをする、立ち上がる、運動をする、大笑いをする、重い物を持つなど、不意におなかに力が入ったときに、下着が少し濡れる程度の尿もれが起こることが多いようです。しかし、症状が進むと、歩いたり、階段を上り下りしたりしただけでも、尿がもれるようになってしまいます。
 
「過活動膀胱」は、膀胱に少量の尿がたまっただけでも膀胱が刺激され、強い尿意を起こします。過活動膀胱の症状には、おもに2つの症状があり、ひとつは「頻(ひん)尿(にょう)」です。日中、成人がトイレに行く回数は、平均で5~7回といわれていますが、日中に8回以上トイレに行く場合を「日中頻尿」、就寝中に2回以上トイレに行く場合を「夜間頻尿」といいます。もうひとつは「切迫性(せっぱくせい)尿(にょう)失禁(しっきん)」といい、尿意を感じてトイレに駆け込んでも間に合わず失禁してしまいます。

 これらの症状は、生死に関わるものではありませんが、生活の質に大きく影響を及ぼします。いつ、どこで尿もれをしたり、尿意を起こしたりするかわからないという不安や、ニオイで周囲に知られてしまうのではという心配は、本人には非常に強いストレスです。
 更年期(おおむね45~55歳)は、女性ホルモン・エストロゲンの急激な減少によって、感情のコントロールがしにくくなる時期です。気分の落ち込みに拍車がかかり、引きこもりがちになる人も少なくありません。

骨盤底筋の衰えと自律神経のバランスの乱れが原因

「腹圧性尿失禁」のおもな原因は、骨盤底筋の衰えです。骨盤底筋は、膀胱や子宮を支えている筋肉ですが、妊娠や出産を経験した女性はゆるみやすく、加齢や肥満によってもゆるむことがわかっています。
「過活動膀胱」のおもな原因は、骨盤底筋の衰えと自律神経のバランスの乱れです。更年期は女性ホルモン・エストロゲンの急激な減少によって、自律神経のバランスが乱れやすくなりますが、それが、膀胱を過剰に緊張させ、収縮させると考えられています。

骨盤底筋体操を習慣に。症状が改善しない場合は専門医へ

 症状の改善が期待できるセルフケア、「骨盤底筋体操」をご紹介しましょう。やり方は簡単です。「肛門と膣を10秒間締め、その後に10秒間力を抜く」、これを10回ほど繰り返すだけです。立ったままでも、座った姿勢でも、寝ている姿勢でも、電車やバスに乗っているときでも、いつでもできます。
 骨盤庭筋体操を2~3か月間続けてみても、症状の改善がみられない場合は、婦人科や泌尿器科で、医師の診察を受けてみましょう。原因を特定するさまざまな検査や、症状を改善するためのさまざまな治療が用意されています。症状が改善されるまでの間は、ニオイを防ぐ尿もれパッドなど、ケアグッズを積極的に活用しましょう。
 また、更年期の女性は、家族や地域、職場から必要とされ、多忙を極めることも少なくありません。夜更かし、かたよった食生活は、更年期に乱れがちな自律神経のバランスをさらに乱してしまいます。栄養バランスのとれた食事、適度な運動、良質の睡眠など、基本的な生活習慣の見直しをすることも大切です。

更年期には膀胱炎(ぼうこうえん)にもかかりやすくなります

 忙しさのあまり、トイレに行くのをガマンすることが多い人は、膀胱炎にも注意が必要です。排尿することで、外界から侵入しようとする細菌を尿で洗い流していますが、排尿の回数が減ったり、疲労やストレスで抵抗力が衰えたりすると、細菌が尿路に入り込み、炎症が起こりやすくなります。膀胱炎にかかると、トイレの回数が増え、排尿時にしみるような痛みを感じます。
 また、女性ホルモン・エストロゲンには、粘膜や皮膚のうるおいを保つ働きがあります。そのため、更年期にエストロゲンが急激に減少すると、膀胱をはじめ、膣、外陰部などのうるおいが減り、自浄作用が低下して、それらの部位に炎症が起こりやすくなります。
 膀胱炎は、放っておいても改善しません。婦人科や泌尿器科には、膀胱炎や膣の炎症を改善するための検査や治療が用意されていますので、恥ずかしがらずに病院で検査・診察を受けてみましょう。予防のためには、果汁濃度が高いクランベリージュースなども効果的です。

※1平成25年度国民生活基礎調査結果(厚生労働省)より

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