いつまでも輝く女性のために…今月の特集!

乳製品や大豆製品は、更年期女性を応援する心強い食材です

更年期症状の強い人ほど、食事内容が乏しくなる傾向があります

 暑さがやわらぎ、秋の食材が店先に出回り始めると、今日は何をつくろうかしらと気持ちが弾む人がいる一方で、更年期(おおむね45~55歳の時期)の女性の中には、食事のことを考えると気持ちがふさぎがちになる人がいるかもしれません。
 というのは、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が減少するため、自律神経のバランスの乱れの影響を受けて、胃腸の不調や食欲不振を起こしやすくなるからです。
 また、更年期は、女性を取り巻く環境が大きく変化したり、ストレスがいくつも重なったりすることが少なくありません。疲労や不安、うつ気分などを強く感じると、料理をする気力を保ちにくくなることに加え、子どもの食事づくりを卒業した人などは、「自分の分だけだから…」と、つい料理の手を抜きがちになります。
そうしたことなどから、更年期の不調が強くなると、食事内容が乏しくなり、必要なエネルギーや栄養素の摂取量が少なくなる傾向があるのです※1。

5大栄養素に加えて、乳製品と大豆製品も積極的に食べていきましょう

 そうはいっても、食事は健康の要です。乏しい献立では、更年期を乗り切る元気が、なかなか出てこないというもの。この時期は、「量より質」と心得て、5大栄養素である、たんぱく質(肉・魚など)、脂質(植物油など)、炭水化物(ごはんなど)、ビタミン(緑黄色野菜や果物など)、ミネラル(海藻など)を、まんべんなく食べるように心がけて食生活の土台を整えましょう。
 また、市販されているお惣菜の力を借りるのも一案です。見た目にも食欲をそそる工夫がされているものが多いし、ひとり分から売られているので量を調整しやすいのも魅力です。

 そのうえで、更年期には、エストロゲンの分泌の減少によって、不足しがちな栄養素がでてきます。カルシウム豊富な乳製品や、大豆イソフラボンを含む大豆製品などを積極的に食べるように、工夫できると理想的です。

<乳製品>
 エストロゲンには骨量を保つ働きがあるため、更年期以降は骨量が減り、骨の中がスカスカになってしまう「骨粗しょう症」になりやすくなります。更年期以降の骨折は、要介護や寝たきりのリスクが高まりますから、今のうちからカルシウムをしっかりとって、丈夫な骨を保ちましょう。

 1日あたりのカルシウムの推奨量は、30~69歳の女性は650mg※2(上限は2500mg※3)です。エストロゲンの分泌が減少する更年期には800~1000mgを目標に摂取できると理想的でしょう。カルシウムが豊富な食材には、牛乳や乳製品、木綿豆腐、高野豆腐、小魚、桜えび、ひじき、小松菜などがあります。
カルシウムはビタミンDが不足すると吸収や利用効率が悪くなります。ビタミンDは適度な日光浴で体内につくられますから、散歩を習慣にするのもよいでしょう。気分転換にもなります。

<大豆製品>
 大豆には、エストロゲンと化学構造式や体内での働きが似ている大豆イソフラボンが含まれていますので、大豆や大豆製品は、更年期におすすめの食材です。
ちなみに、平成14年国民栄養調査に基づく大豆イソフラボンの摂取量(試算)において明らかになった、一般の大豆食品中からの大豆イソフラボンの1日摂取量は、閉経前の女性が16mg、閉経後の女性が22mgだったということです※4。大豆イソフラボンの1日あたりの摂取目安量の上限値は70~75mg※5)。大豆イソフラボンを含む食材としては、大豆、煮大豆、きな粉、豆腐、納豆、厚揚げなどがあります。ごはんに納豆をかけたり、冷奴をプラスしたりするなど、ちょっとした工夫で、大豆イソフラボンの〝チリ積貯金″をしていきましょう。

食材からの摂取が難しいときは、サプリメントなどを上手に利用しましょう

 どうしても食が進まないときなどは、サプリメントなどを利用してみましょう。カルシウムは様々なメーカーが出していますので、自分に合うものを選びましょう。ビタミンDも一緒に摂ることが大切です。
 大豆イソフラボンの場合は、通常の食事での摂取に加えてサプリメントなどで上乗せする場合は、およそ25~30mgを上限にして上乗せするといいでしょう。
 また、一般の大豆製品に含まれる大豆イソフラボンは、「配糖体」という糖が結びついた形で存在しています。「配糖体」は腸の中で分解されて「アグリコン」という形になってはじめて体内に吸収されるので、はじめからアグリコンの形で摂ることができるサプリメントを選べば、腸内環境に左右されずスムーズな吸収が期待できます。

 食事は生きる基本であり、生きる楽しみでもあります。更年期には、食事が思うようにできないこともあるかもしれません。でも、つらい時期は必ず終わりが来ます。今はそういう時期なのだという割り切りも、ときには必要です。ポジティブな気持ちで、今できることからはじめてみましょう。

※1 更年期医療ガイドブック(金原出版)
※2、※3 日本人の食事摂取基準(2015年版)厚生労働省
※4、※5「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」2006年5月 食品安全委員会 新開発食品専門調査会

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