いつまでも輝く女性のために…今月の特集!

更年期は自律神経のバランスが乱れて 食欲不振や胃腸の不調が起こりやすくなります

女性ホルモンの分泌量の急激な減少が 自律神経のバランスを乱します

自律神経には、活動している時や緊張している時に働く「交感神経」と、休息している時やリラックスしている時に働く「副交感神経」があります。

交感神経と副交感神経は、よくシーソーに例えられますが、お互いにバランスを取り合いながら、補い合うように働いています。

ところが、更年期(おおむね45~55歳)を迎えると、女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が急激に減少するため、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

更年期は、女性を取り巻く環境も変化しやすく、ストレスを感じる出来事も増えるため、交感神経が優位になりがちです。

シーソーはどちらか一方に傾いたままでは、シーソーとして機能しません。

それと同じで、交感神経と副交感神経は、どちらかが常に働き過ぎてもうまく機能せず、身体にも不調があらわれやすくなるのです。

緊張したり、ストレスを感じたりする場面では 食欲が湧きにくくなります

本来、胃に食べ物が入ると、胃が蠕動運動(胃を伸縮させて)をして、食べ物を消化吸収しながら腸へ送り出します。

こうした一連の動きは、自律神経がコントロールしています。自律神経は文字通り自律していますので、自分の意志で動かすことはできません。

緊張したり、ストレスを感じたりすると交感神経が優位になりますが、そうした場面でお腹がすいたという経験をもつ人は少ないのはないでしょうか。

胃腸は副交感神経が優位になると活発に動きだしますので、更年期に交感神経が優位になることが増えると、緊張した場面と同様に食欲が湧かなったり、胃腸の調子が不調になったりしやすいのです。

更年期は、前述したように、女性を取り巻く環境が変化しやすいためストレスがかかりがちになります。さらに、エストロゲンの分泌量の急激な減少によって、感情のコントロールがしにくくなり、強い不安を感じて良質の睡眠が得られにくくなります。また、更年期は家族や地域、会社などから必要とされて多忙な反面、エネルギーを生み出す力が低下する時期でもあるため、疲れが残りやすいのです。

こうした過度なストレス、睡眠不足、疲れは、神経性胃炎や過敏性腸症候群の引き金になることがあります。

神経性胃炎では、胃痛やのどのつかえなどの症状が現れ、過敏性腸症候群では、腹痛を伴う下痢や便秘が続いたり、下痢と便秘が交互に起きたりすることがあります。

食欲不振や胃腸の不調の原因が、更年期特有の自律神経の乱れによるものであれば、時期が来れば症状は治まりますが、症状の背景には、うつ病や胃潰瘍、胃がんなどの病気が隠れていることがありますので、つらい時はためらわずに医師の診察を受けましょう。

食事は量より質を大切に。 消化のよいスープもおすすめです

更年期の不調に負けない身体づくりとして、栄養バランスのとれた食事を心がけている人は多いでしょう。
食べられないことがストレスになるのはよくありませんので、量より質を重視して、滋養のあるものを中心に食べるようにしましょう。一回分の食事を少量にして、食事の回数を増やのもおすすめです。

このとき、器に工夫するのもおすすめです。コース料理では、美しい器に料理を品よく盛り付けますが、この方法なら、目で料理を楽しむことができ、少量でも満足感を得られます。器以外にも、好きな音楽をかけたり、ランチョンマットやナプキン、箸、箸置き、テーブルフラワーなど、食卓を彩る小物を自分の好きなものにしたりすると食事の時間が楽しくなります。

また、食欲が湧かない時に助かるのは食材をコトコト煮込んだスープです。柔らかくなった具材は消化も助けてくれます。スープをストックしておき少量のごはんと一緒に煮込めば滋養に富んだ雑炊が簡単に完成します。

また、自分が食べたいものなら食欲が湧きやすくなりますので、大好物を献立に盛り込むのもひとつです。

適度な運動は食欲を湧きやすくしてくれます

運動には、更年期の不調をやわらげる働きがあります。適度な運動によってエネルギーを消費するとお腹が自然にすき、食欲が湧きやすくなります。

ウォーキングや水泳は、全身を動かして汗をかきますのでリフレッシュにもなり、自然に呼吸が深くなるので、結果的に深呼吸をすることになります。

年齢を重ねると副交感神経の働きが低下し、交感神経の働きが優位になるという報告もあります。深呼吸は副交感神経を優位にしてくれますので、適度な運動は自律神経のバランスに良い影響を与えてくれます。

胃や腸の動きをよくするツボ押しもおすすめです。「足三里」は胃腸の働きを整えるツボ、「三陰交」は、全身の血流を上げて胃腸を温めて働きを促すツボです。どちらも足にあるツボなので、テレビを観ている時などに押したり、お灸やシール鍼で刺激したりするのもおすすめです。

「冷え」や「亜鉛不足」が 食欲不振を招くこともあります

女性ホルモンには、血液の循環を促す働きがあるため、更年期に女性ホルモンの分泌量が減少すると、自律神経のバランスが乱れて、体温や血流がうまく調節できなくなることがあります。

加齢によって筋肉量が減り基礎代謝も落ちるので、熱を作りだす力も不足しがちになります。

冷えを感じやすい人は、薬味やハーブが強い味方になります。香味薬味やハーブには食欲増進作用や身体を温める作用のあるものが多いので、料理の具材にしたり、仕上げに使ったりするといいでしょう。

ミネラルのひとつ「亜鉛」が不足しても食欲不振を招くといわれます。
かきや卵、ごまなど、亜鉛を多く含む食材を選んだり、食事の補完として亜鉛が摂れるサプリメントを利用したりするのもおすすめです。

食欲が湧かず、食事を作るのがおっくうに感じる時は、家電の力も利用しましょう。

炊飯器調理や保温調理器など、スイッチを入れたらあとはお任せできるレシピは便利です。
キッチンに立つことが辛い人は、家族に事情を伝えて、家族に調理を担当してもらいましょう。
外食を利用したり、デパ地下のおいしそうなお惣菜を利用したりするのもアイデアです。

更年期は心身に不調があらわれやすく、食欲においてもこれまでとの変化を感じることがあります。でも、更年期の不調のピークは2~3年、長くても5年ほどで治まることが多いといわれています。

症状がつらいときは、けして一人で抱えずに誰かに相談しましょう。

更年期に理解の深い婦人科をかかりつけにすることもおすすめです。体調の変化を伝えやすく、不調を乗り切る方法も一緒に考えてくれます。自分の体調の見通しも立ちやすくなり、気持ちもラクになります。

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