いつまでも輝く女性のために…今月の特集!

更年期は口の中が乾きやすくなる時期です

唾液の働きを知りましょう

おしゃべりをしたり、食事をしたり、健康な歯を保ったりすることができるのは、唾液の働きが大きいといわれています。

聞きとりやすい話し方をすることや、スムーズに言葉が出ることを「滑舌がいい」といいますが、唾液の少ない乾燥した口の中で、舌をなめらかに動かすことはなかなかできません。おしゃべりをするには、唾液がしっかりと分泌されていることが必要なのです。

また、食べものは唾液と混ざり合うことで、飲み込みやすくなります。
それに加えて食べ物は、口の中で唾液と混ざった時に、おいしさを感じるといわれています。
そのため、口の中が乾くと、食べ物を飲み込みにくくなったり、料理のおいしさを感じにくくなったりするのです。

この他にも、唾液は食事をしたときに、食べかすや細菌を洗い流したり、食事によって酸性に傾いた口の中を中和したりする働きがあります。食事をすると歯は、いったんかすかに溶けてしまいますが、それが修復されるのも唾液のおかげです。
そのため、唾液の分泌量が減ると、虫歯や歯周病になるリスクが高くなり、口臭も出やすくなります。


唾液は消化を助けたり、口の中や喉、食道を保護したり、口の中の細菌やウイルスを増殖しにくくしたりもします。

このように、唾液は健康な暮らしや生活の質を支えているのです。

更年期は唾液の量が減りやすくなります

唾液の分泌量が減り、口の中が乾いてしまう原因は、ひとつではありません。加齢や女性ホルモン、ストレス、呼吸の方法(口呼吸)、薬の副作用、病気(シェーグレン症候群、糖尿病など)などが背景にあると考えられていますが、更年期に口の乾燥を訴える人は少なくありません。

更年期(おおむね45~55歳)は、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が急激に減少する時期です。エストロゲンには、からだの潤いを保つ働きがあり、口の中も例外ではないため、エストロゲンが減ると口の中が乾きやすくなると考えられています。

ここでひとつ質問です。緊張したときに口の中がカラからに乾いてしまったことはないでしょうか?
これは、唾液の分泌が自律神経と深く関わっているからです。

唾液は自律神経の副交感神経が優位に働いたときに分泌されます。
緊張すると唾液が減り、リラックスすると唾液の量は増えるのです。

そのため、唾液を分泌させるためにはリラックスすることが大切になります。
しかし、更年期には、自分を取り巻く環境は変化しやすく、過度なストレスもかかりやすくなる時期です。

口の中が乾燥すると、口の中が傷ついて絶えずヒリヒリしたり、舌がひび割れたりして調味料が染みるなど、生活の質にも影響が出てしまいます。

最近、歯のかみ合わせが変わったと感じる人は、もしかしたら寝ている間に、歯をキリキリと噛みしめているのかもしれません。

歯ぎしりは、ストレスの発散のあらわれのひとつといわれ、歯が削れたり、噛み合わせが悪くなったりすることがあります。交感神経が優位になりすぎないように、セルフケアでリラックスすることを心がけましょう。

歯の定期健診を受けましょう

6月4~10日は、歯と口の健康週間です。
更年期は歯のトラブルも増える時期です。

中でも、歯周病は虫歯と並ぶ口の中の病気で、生活習慣病のひとつです。
免疫力が衰えたり、過度なストレスにさらされたり、睡眠不足になったりすることによっても起こりやすくなるといわれています。

今回のテーマである唾液は、歯の健康にも大きく関わっています。
唾液は、食事をしたときに、食べかすや細菌を洗い流す働きをしているからです。

しかし、唾液が減ったり、歯磨きが不十分だったりすると口の中に細菌が増え、歯を支える歯茎が炎症を起こしたり、歯を支えている骨が溶けたりする歯周病になりやすくなるのです。

最近の研究では、歯茎の血管から血液に流れ込んだ歯周病菌が、動脈硬化や認知症など、全身のさまざまな病気に関わっていることが分かってきました。

歯周病予防には、歯ブラシやデンタルフロスで、十分な歯磨きを習慣にするのが望ましいのですが、更年期の女性は、多忙なことに加えストレスもかかりやすく、質のよい睡眠が得られにくくなることに加え、更年期症状で倦怠感やめまい、頭痛などの症状がつらい時には、歯磨きをすることさえも難しくなることがあります。

唾液が減りやすい更年期は、3か月に1度を目安に、かかりつけの歯科で定期健診を受けて、虫歯や歯周病、噛み合わせなどのチェックをするのがおすすめです。

また、口の乾きの背後には、糖尿病やシェーグレン症候群などの病気が隠れていることがあります。気になるときは医師の診察を受けましょう。口の乾きには、ドライマウスの専門外来もあります。

唾液を減らさない生活習慣とセルフケアのすすめ

●食事の際は、左右の歯でバランスよく噛みましょう
あごの周りには、唾液を分泌させる唾液腺があります。
あごの周りの筋肉が唾液腺を刺激して、自然に唾液が分泌されます。

逆に、あまり噛まずに食べていると唾液腺が刺激されないため、唾液が出にくくなります。加えて、あごの筋力が衰えやすくなるため、口角が下がり、ほうれい線が目立ちやすくなって、老けた印象になることもあります。

●唾液腺を刺激する食べものを積極的に食べましょう
梅干しやレモンなど、唾液の出やすい食べ物を食べるのもひとつです。ガムも唾液の分泌を助けます。キシリトール配合のものや砂糖の入っていないものがおすすめです。

●唾液腺を指圧しましょう
耳の下、下あごの周りには唾液を分泌する唾液腺があります。そこを指で軽く指圧すると、ジワーッと唾液が出てきます。また、口を閉じて、舌で口のなかをマッサージ(唇と歯茎の間をぐるりと一周する)するのもおすすめです。

●補水・加湿を意識しましょう
これからの季節は、エアコンの乾いた風で口の中も乾きやすくなります。熱中症対策を兼ねてこまめに水分補給をしたり、エアコンをかけるときに加湿をしたりしましょう。市販の保湿剤や保湿スプレーなどドライマウス用品を利用するのもひとつです。

●副交感神経を優位にしましょう
半身浴や好きなことなどをして、リラックスする時間を積極的にもちましょう。歌うことが好きな人は、歌うこともおすすめです。口を大きく動かすことであごの周りの筋肉が使われ唾液腺が刺激されます。また歌うことによるストレス発散効果も期待できます。

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