抜け毛が増える秋。更年期女子が取り入れたい対策を、医師に聞いてみた

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更年期の症状に悩みつつも笑顔で頑張る5人の女性「ヴィーナス」が、更年期の悩みや困りごとを解決するためのヒントを求めて奔走するこの企画。

今回はパート主婦のアイコが最近増えてきた抜け毛の対策について、クレアージュ東京 エイジングケアクリニック院長の浜中聡子先生にインタビュー。意外な対策法に目からウロコのインタビューとなりました!

ホルモン量の変化や生活習慣で抜け毛が増える!?

アイコ 最近、秋だからか、抜け毛がひどいんです。でも、ひょっとして季節のせいじゃなく、更年期の症状なのかも?とちょっと気になっていて…。

浜中先生(以下、浜中) そうですね、人間もやはり「動物」なので、季節によって抜け毛の量に変化はありますよ。

一番増えるのは秋口。夏バテや睡眠不足、食事の偏りといった夏にかかった体への負担の影響が秋に現れて、抜け毛が増える方が多いです。

それに加え、更年期は女性ホルモンのエストロゲンが減少するので、髪質やヘアサイクル(毛周期)が変わってくるんです。

アイコ 具体的にどう変わるんですか?

浜中 うねりパサつきが起こったり、髪の毛が細く柔らかくなるのでボリュームが出にくくなりますね。

ヘアサイクルは通常、成長期が2~6年あって、退行期を経て、休止期で髪の毛が抜け落ちた後、次のヘアサイクルが始まるのですが、更年期になると休止期が長くなり、次に生えてくるまでの間隔が延びてくるんです。

アイコ なるほど。それで薄毛やボリュームダウンした感じになるんですね…。いつもシャンプーやブラッシングのときの抜け毛の多さにゲッソリしてしまうんですが、どれくらいの量だと正常なんでしょうか?

浜中 1日80~100本程度であれば正常ですよ。200~300本になると、ちょっと多いでしょうね。

ただ、抜け毛の量を細かく数えるのではなくて、抜け毛の多い日がどれくらい続くか、慢性化していないかどうかを見ていただきたいんです。真冬になると抜け毛は減りますから、それまで様子を見るのも一つの方法です。

アイコ 抜け毛の量に一喜一憂してましたけど、日数を含めて気にした方がいいんですね。

浜中 2カ月以上顕著な抜け毛が続いたり、あまりに抜ける量が多くて心配になるようであれば、専門医の診察を受けるのがおすすめです。すだれ状に頭皮が透けてくる“びまん性脱毛症”の可能性もありますから。

【抜け毛の症状をチェック!】

抜け毛の量が以前より顕著に増えた

それが2カ月以上続いている

両方当てはまる場合は、専門医に相談してみましょう。

アイコ 分かりました。ちなみに、生活習慣も抜け毛の原因になるんですか?

浜中 なりますよ。例えば、髪の材料となるタンパク質の摂取が不足していたり、睡眠の質が落ちた状態が慢性的に続くのも原因の一つ。髪の成長に欠かせない成長ホルモンの分泌に影響しますし、睡眠は1日の疲れを取る行為なので、それが確保できないと体にストレスを強いることになり、髪にも体調にもよくないですね。

あとは、ヘアトリートメントを十分に流せていない、髪が濡れたまま放置する、といったことも抜け毛を招く原因になります。

アイコ 睡眠まで髪に関わってくるんですね…。もっと早く寝なきゃ~!

「正しいシャンプー」ができているか見直しを

アイコ 抜け毛を防ぐには、まずどんな対策を取り入れるのがおすすめですか?

浜中 正しいシャンプーができているか、やり方を一度見直してみてください。正しく洗ったり乾かせていない方が多いので。

■正しいシャンプーの仕方

1.シャンプー前に軽くブラッシング

ブラッシングで髪についたホコリや汚れを浮き上がらせておくと、シャンプーの泡立ちがアップ。切れ毛や抜け毛を防ぐため、ブラシは目が粗めのものに。

2.髪と頭皮をしっかり濡らし、お湯で頭皮を洗う

髪の毛だけでなく、頭皮もしっかりと濡らしましょう。その後、お湯で頭皮を軽く洗って、汚れや皮脂をざっと落とします。

3.シャンプーを手の平で泡立てる

手の平にシャンプーを適量取り、泡立てます。髪の毛に直接シャンプーを付けて泡立てると、摩擦やシャンプー液のムラづきの原因に。

4.襟足から前へマッサージするように洗う

洗い残しを防ぐため、襟足から頭頂部、生え際の順に頭皮をまんべんなく洗いましょう。頭皮を傷つけないよう、指の腹でマッサージをするように。

5.頭を下げ、下からシャワーを当ててすすぐ

シャワーを襟足から前頭部に向かってかけ、洗い流します。頭を下げてシャワーを当てるとお湯が頭部全体に行きわたりやすくなり、洗い残しが少なくなります。

6.髪の根元に風を当てて乾かす

ドライヤーを左右に振りながら、風を髪の根元に当てて乾かします。指で根元を持ち上げて毛先に向かって抜き、風通しをよくして。

アイコ なるほど~。いつもゆっくり入浴する時間がないので、ブラッシングや湯洗いなんてしたことがなかったです…。

「体の健康」が「髪の健康」に!食事、睡眠、運動も重要

アイコ 頭皮マッサージやヘッドスパはどうですか?

浜中 リラクセーション効果はあるんですが、医薬品のような発毛効果はないので、それよりもウォーキングなどの運動をして体の中からきちんとケアした方がいいですよ。

アイコ 抜け毛対策にウォーキングですか!?

浜中 年齢を重ねるほど、体の健康が髪の状態に反映されてくるので、健康=髪の若々しさ、そして、きれいに年を重ねることにつながります。

ウォーキングで血流をよくすることで頭皮に栄養や酸素が行きわたるので、地味ではありますが直接的なアプローチになるんです。

アイコ 髪にも効果があるなんて、ウォーキング恐るべし!ですね。白髪も気になってカットのたびにカラーリングしてるんですが、それはどうすれば?

浜中 カラーリングやパーマは髪や頭皮にとってはよくないので、頻度を減らしたり、カラー剤を原料が負担の少ないものに変えるなど、工夫していただければと思います。

アイコ 先ほどお話に出た、食生活や睡眠も改善していった方がいいんですよね?

浜中 そうですね。髪の99%はタンパク質なので、高タンパクで低脂肪のお肉や魚、卵、大豆などを意識して摂りましょう。ビタミン・ミネラル源となる海藻や野菜などもバランスよく摂るとよりベターです。

睡眠は24時前には布団に入り、6~7時間寝るのを目指したいですね。寝る前のテレビやスマートフォンの使用を控えて、部屋を暗くするなどして、睡眠環境を整えましょう。

更年期にはほてりや冷え、汗など、さまざまな症状が出やすいですから、ご自分で調節しやすいパジャマや布団を使っていただくとよいと思います。

更年期は体調ケアを優先に

アイコ 毎日忙しいと、ヘアケアってつい後回しにしがちなんですけど、今ケアしておくことで10年後に変わってくるんでしょうか?

浜中 そうですね、症状がひどくなってからだと、そこから改善していくには限界があるので、ケアはできるだけ早くした方がいいです。治療をするにしても、ライトなもので済みますから。

アイコ 放っておくとリカバリーに時間がかかるってことですね。女性にとってやっぱり髪は大切なので、早めのケアを心がけます…。

浜中 はい。とはいえ、更年期は髪のお悩みが増えると同時に、ストレスや心身にいろいろな不調が増える時期でもあります。

ですので、まずは体調を優先して、心身の健康を気遣うことが大切です。そのうえで、余裕が出てきたらヘアケアにも気を配っていただいて、気になる場合は専門医に相談されてはいかがでしょうか。

アイコ

43歳。夫と小学生~中学生の子ども3人の5人家族。子育てをしながらパート勤務をこなし、毎日忙しく過ごしている。2年前からホットフラッシュやイライラ、不安感、気分の落ち込みに悩む。最近では、物忘れや高血圧、白髪、抜け毛の症状も。

浜中聡子先生
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック院長。医学博士。国際アンチエイジング医学会(WOSAAM)専門医、米国抗加齢医学会(A4M)専門医、日本抗加齢医学会専門医など習得。女性の頭髪に関する悩み(抜け毛・薄毛・育毛・白髪など)から更年期・女性ホルモンといった悩みを専門分野としており、女性の頭髪治療専門クリニックとして、開院以来20万人以上の悩みと向き合っている。丁寧な診療で多くの女性からの支持を得る。

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