プロアントシアニジンの効果とは?美容・健康にうれしい働きを解説
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美容と健康を意識している方なら、プロアントシアニジンという成分について聞いたことがあるのではないでしょうか。プロアントシアニジンは、数ある抗酸化成分のなかでも強力な抗酸化作用を持ち、更年期の不調にも効果的と言われる成分です。
この記事では、プロアントシアニジンの作用と、研究で報告されているさまざまな健康効果を中心に解説します。取り入れ方や注意点についても解説するため、参考にしてください。
プロアントシアニジンとは?
プロアントシアニジンは、抗酸化作用を持つポリフェノールの仲間で、ブドウ種子や赤ワインなどに多く含まれています。抗酸化作用とは、身体の成分を酸化させ、老化を加速させる活性酸素の過剰な増加を抑える働きのこと。
プロアントシアニジンは、ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンなどよりも強い抗酸化作用があるため、「ポリフェノールの王様」と呼ばれています。
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プロアントシアニジンの主な効果とは?
強力な抗酸化作用を持つプロアントシアニジンは、更年期世代の女性に健康や美容面でうれしい効果がたくさんあります。いくつかの研究で報告されている、主な効果をご紹介します。
更年期症状の緩和
40~60歳の女性を対象とした臨床試験で、ブドウ種子由来のプロアントシアニジンを1日200mg、2ヵ月間摂取すると、更年期症状である不安や不眠などが緩和されたという報告があります。さらに、疲労感・めまい・頭痛などの身体症状やホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)も改善されたことが分かっています。
不安など精神症状を緩和させるメカニズムは、脳内のGABA受容体(ストレス緩和などに関わる仕組み)を介する効果によるものと考えられていますが、一方で不安と活性酸素による酸化ストレスとの関係も指摘されています。つまり、活性酸素が脳に影響を与え、不安を引き起こす可能性があるのです。そのため、プロアントシアニジンの抗酸化作用によって体内の活性酸素が減り、不安の軽減につながったとも考えられています。
強い抗酸化作用で細胞の老化を防ぐ
老化の原因の一つは、活性酸素による酸化です。活性酸素は、生命を維持するうえで重要な働きもしますが、増えすぎると身体を構成するあらゆる成分を酸化させます。その結果、細胞を傷つけ、老化を早めることになります。
人間の体内には、活性酸素が増えすぎないように抗酸化力が備わっていますが、その働きは40代後半から急激に低下します。そこで、強力な抗酸化力のあるプロアントシアニジンを摂取すれば、低下した抗酸化力を補うことができるのです。
血流改善で冷えや肩こりの対策にも
更年期世代の女性では、冷えや肩こりを気にされている方も多いのではないでしょうか。
加齢とともに、血管の内側を覆う血管内皮機能は低下。血流が悪くなることで、冷え性や肩こりなどが起こりやすくなります。プロアントシアニジンには、この血管内皮機能を改善させることで血管の弾力性を向上、それにより血流の改善が期待できます。
美肌・シミ予防への働き
ブドウ種子由来プロアントシアニジンの強力な抗酸化作用は、肌のシミを防ぎ、美肌を保つ効果も期待できます。
そもそもシミができるのは、紫外線の影響が大きく、紫外線を浴びると体内の活性酸素が増え、その害を防ぐためにシミの原因となるメラニン色素やメラニン細胞の生成が増えます。
プロアントシアニジンの抗酸化作用は、活性酸素の発生自体を抑制するため、メラニン細胞の増殖を抑えます。さらにプロアントシアニジンには、メラニン色素の生成に関わるチロシナーゼという酵素の働きを阻害する効果も。これらの2段階の働きで、シミの発生を防ぎます。
期待できる健康への影響
年齢を重ねると、病気のリスクも自然と高まります。プロアントシアニジンを摂取することで、どんな病気のリスクを下げることが期待できるのかご紹介します。
生活習慣病予防(高血圧・動脈硬化)
生活習慣病は、細胞の老化と密接に関わっています。そして、細胞の老化には酸化ストレスが大きく影響します。
例えば、血液中のコレステロール(脂質)が酸化すると、動脈硬化や高血圧などの要因に。いずれも加齢とともに進行しますが、その進行には抗酸化力の低下による活性酸素の増加が関係しています。しかも、更年期には女性ホルモンが減少し、血中コレステロール値は高くなりがちに。余ったコレステロールは酸化されやすいため、プロアントシアニジンなどの抗酸化成分を補うことで、動脈硬化や高血圧などの進行予防につながると考えられます。
実際に、ブドウ種子由来プロアントシアニジン200mgを継続摂取した試験では、8週間で血圧の低下を確認。別の試験では、血液中の中性脂肪とLDL(悪玉)コレステロールの減少およびHDL(善玉)コレステロールの増加が確認され、プロアントシアニジンが脂質代謝の改善に役立つ可能性も示されました。
炎症やアレルギーの抑制作用
プロアントシアニジンには抗炎症作用があり、肌の炎症をはじめ、炎症によって引き起こされるとされる、肥満や骨粗しょう症などの改善が期待できます。炎症反応には、酸化ストレスが関わっているため、抗酸化力が低下する40代以降こそ、プロアントシアニジンを積極的に補うことをおすすめします。
またプロアントシアニジンには、アレルギーを誘発するヒスタミンの働きを鈍くする作用があるとも言われます。アレルギーは免疫機能と関係しています。そして、免疫機能を調節する自律神経は、女性ホルモンの急激な減少により乱れやすくなります。そのため、更年期はアレルギーが起こりやすくなったり、重症化しやすくなったりするとされます。プロアントシアニジンを日常的に取り入れることでアレルギー反応をやわらげ、重症化を防ぐサポートが期待できます。
摂取方法と注意点
プロアントシアニジンをセルフケアに利用する場合、どのように摂取すれば良いのか、注意点とあわせてご紹介します。
食品/サプリでの摂り方と目安量
40~60歳の女性を対象とした研究では、1日200mgのブドウ種子由来プロアントシアニジンを継続的に摂取することで、更年期症状の緩和をはじめ、美容や健康への良い影響が確認されています。
ブドウ種子由来のプロアントシアニジンは赤ワインにも含まれますが、200mgを摂取するには1日に4~6杯も飲まなければなりません。しかし、それだけの量の赤ワインを毎日飲むと、アルコールの過剰摂取が懸念されます。お酒を飲めない人はもちろん、多くの人にとって、より安全により手軽に摂取するには、サプリメントがおすすめです。
過剰摂取に気をつけよう
プロアントシアニジンは、ブドウ種子のほか植物の果皮や果実に含まれており、長年の食経験から安全性が立証されている成分です。ただし、サプリメントは成分が凝縮されているため、過剰摂取には要注意。1日の目安量を守り、継続的に摂取することが大切です。
そもそもサプリメントは食品のため、摂取したからと言ってすぐに効果が表れるわけではありません。成分や配合量にもよりますが、一度にたくさん摂ると胃腸障害を起こす可能性もあります。
こんな人におすすめ!
プロアントシアニジンの主な効果と摂取方法を見てきましたが、次のような目的やお悩みのある方は、特に効果を感じやすいのではないでしょうか。
40代以降の美容・エイジングケアに
ブドウ種子由来プロアントシアニジンは、体内の抗酸化力が急激に低下する40代以降の方におすすめの成分です。肌のシミやしわが目立ち始めたり、動脈硬化や高血圧など生活習慣病のリスクが高まり出す頃こそ、抗酸化力を味方につけておきたいもの。
加齢による変化や不調が気になり始めたら、ブドウ種子由来プロアントシアニジンで体内の抗酸化力を補い、全身をケアしましょう。
冷えや体調の変化を感じやすい方に
昔から「冷えは万病のもと」と言われます。肩こり、腰痛、むくみなども冷えから起こりがち。そんな冷えの最大の原因が血行不良です。
冷え対策や体調管理の一環として、血流改善効果が期待できるブドウ種子プロアントシアニジンを取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ
プロアントシアニジンの効果を味方につけよう
女性ホルモンが急激に減少する更年期は、体内の抗酸化力も低下してしまいます。心身の不調や加齢による見た目の変化が気になる方は、ぜひプロアントシアニジンの抗酸化力を味方につけましょう。プロアントシアニジンは、不安や不眠、ホットフラッシュなどの更年期症状をはじめ、血圧や脂質代謝、冷え、むくみ、シミなどの改善効果が示されています。
プロアントシアニジンの抗酸化作用は、食品でもサプリメントでも同じことを期待できます。ただし、大切なのは毎日一定量を摂取し続けること。うれしい健康効果を実感するためには、日々の食生活でプロアントシアニジンを含む食品を意識して摂取し、足りない分はサプリメントで補うのがおすすめです。
<この記事を監修いただいた先生>

秋津憲佑先生
キッコーマン総合病院 産婦人科部長
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