疲労感・倦怠感・無気力

なぜ更年期は疲れやすい?
なんだか最近、疲れやすくなった…更年期世代の女性の多くがそんな風に感じている一方、疲れていてもやることはどっさり、休めない。多くの方が更年期にあたる45歳から55歳くらいまでは、ちょうど家庭でも仕事でも様々な出来事や重圧がふりかかってくる年代ですから、それだけでも心身ともに疲れてしまうのは当然です。
また、体の中ではホルモンバランスの乱れから自律神経が変調をきたし、代謝が低下します。その結果、エネルギーを生み出す力が落ちるため、疲れがとれない・気力がわかない・昼間も眠いといった症状があらわれやすくなります。更に、疲れの原因となるサビ(活性酸素)とたたかう抗酸化力もこの年代から急激に低下してしまいますので、この時期は元気を保つということが本当に難しいものなのです。
更年期特有の症状として、普通の疲れが丸一日休息をとったりぐっすり眠ったりすれば解消できるのとは対照的に疲労感や倦怠感がずっと続くのが特徴です。そのために、若い頃のようにテキパキと家事や仕事がこなせずに自信をなくす人や、周囲に「怠けている」と言われて傷つき、悩んでしまう人も少なくありません。
女性の体のしくみ上、仕方がないことなのであなたが自信をなくしたり、傷ついたりする必要はありません。また、同じ世代の女性でも更年期症状の重さ軽さや症状のあらわれ方は人それぞれなので、他人と比べるものでもありません。疲れを感じたら無理をせずに、家事や仕事のペースを落として休息をとるように心がけましょう。大切な自分の体としっかり向き合い、大事にしてあげてくださいね。
◆自己判断だけに頼らず、医師に相談を
疲労感が長引くときは、貧血や内臓の病気、甲状腺の病気、うつ病などが隠れていることもあるので、婦人科などを受診しましょう。
疲労感・倦怠感・無気力の予防と対策
朝、熱めのシャワーを浴びる
「朝が苦手」「寝起きが悪くて…」という人は多いでしょう。眠気がなかなかおさまらなかったり、やる気が起きなかったりするときは、42度くらいの温度の熱めのシャワーを3~5分浴びましょう。シャワーの後に、18度くらいの冷水シャワーを手足の先にかけると、より効果的です。自律神経の交感神経が刺激されて、シャキッと目覚められます。
抗酸化力を補う
疲れの元になる「活性酸素」とたたかう抗酸化力は体内で作られるほか、抗酸化成分を摂ることで補うこともできます。一時期の日本で赤ワインブームが起きたのも、赤ワインに含まれるぶどうの種由来のポリフェノールが強い抗酸化力(エイジングケア力ともいう)をもつことからでした。
抗酸化成分は、緑黄色野菜や果物に多く含まれるβカロテンやリコピンなどの「カロテノイド」と、大豆に含まれるイソフラボン、ごまに含まれるセサミンなどの「ポリフェノール」とビタミンC、Eがあります。いくつかの食品を覚えておき、毎日の食事に上手にとりいれてみましょう。
正しい生活リズムを守る
生活リズムの乱れは、自律神経のバランスを崩します。多忙でも、できるだけ毎日同じくらいの時間に就寝・起床する習慣をつけ、十分な睡眠時間と休息時間を確保しましょう。この時期は家事や仕事のペースを落とすことも大事なセルフケアになります。
今抱えている疲労感・倦怠感をなんとかするために、対処療法的に元気が出るものに頼ってみることもおおいにあり!ですが、根本の原因である女性ホルモン分泌量や抗酸化力の低下に目をむけてケアをはじめると、更年期以降もずっと元気な自分でいることができます。
更年期を1つのきっかけとして、これから自分がどのように生きていきたいか、そのためにどのような心と体の状態を保っておきたいか、見つめ直す時間をとってみてくださいね。