寝付きが悪い・不眠

更年期は睡眠の質に注意!
更年期になると、若い頃のようにいつでも長時間深く眠るということが難しくなり、良質の睡眠が得られにくくなります。
これは主に、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量のゆらぎにより、自律神経のバランスが乱れることにより
・のぼせや寝汗のために夜中に目が覚める
・トイレが近くなり何度も起きてしまう
・胸が苦しくて目が覚めてしまう
・手足が冷えて眠れなくなる
など更年期特有の症状が同時にあらわれることが、なかなか眠りにつけない、熟睡感が得られない原因になっていると考えられています。
このような身体の症状に加えて、心配事やストレスなどが重なってうつ気分が強くなり、眠れなくなる場合もあります。睡眠不足は疲れやだるさ、イライラなどを引き起こし、免疫力も低下します。免疫力が低下するとウイルスなどに感染しやすくなるため、注意が必要です。
この状態はいつまで続くのだろう?ずっと眠れなかったらどうしよう?そんな不安を持つ方もいらっしゃるかもしれません。不眠の弊害から、「眠れない」こと自体がストレスになるようでしたら、ためらわずに医師に相談してください。「不眠症は国民病」という言葉が厚生労働省の情報提供サイトe-ヘルスネットに載るくらい、睡眠で悩む日本人は多いもの。悩んでいるのはあなただけではないので心配はいりません。
まずは生活環境の改善から着手したい、という方は下にある対処法を実践してみてください。
これまで意識せずともできていた「よく眠る」ということが一時的にでも難しくなっている状態は、少なからずショックかもしれませんが、そういう時期だという割り切りも大切。更年期は特別なケアが必要な時期なのです。
◆自己判断だけに頼らず、医師に相談を
不眠には、睡眠時に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症」などの病気が隠れていることもあるので、セルフケアで改善しない場合は、専門外来などを受診しましょう。
寝付きの悪さ・不眠の予防と対策
半身浴や湯たんぽで体を温める
体が冷えているとなかなか入眠できません。床に就く前には、半身浴でじっくりと体を温めましょう。心もリラックスできます。足先が冷たくて眠れない、寒さで夜中に目が覚めるという人は、湯たんぽを利用するのも効果的。昔ながらのお湯を入れるタイプや充電式、電子レンジでの加熱式など、いろいろな種類がありますから試してみましょう。
自分なりの入眠儀式を
寝る前に、アロマテラピー、音楽鑑賞、読書、自律訓練法などの決まった行動をとるようにすると、これが入眠儀式となり快眠できる場合が少なくありません。自分なりの入眠儀式を作りましょう。
なお自律訓練法とは、自分の体を意識しながら心を落ち着ける方法のことです。座った姿勢や寝た姿勢、立った姿勢でもできます。入眠儀式に使うなら、布団の中で行うのがよいでしょう。
(1) 目を閉じて右手・左手・右足・左足の順に「重くなってきた」と意識する
(2) 心臓のゆっくりとした鼓動を意識する
(3) 深く呼吸をしてお腹が温まるのを意識する
(4) そのまま眠りにつく
という手順で行います。