動悸・息切れ

動悸がする女性

何が違う?更年期特有の動悸・息切れ

長い階段を急いで駆け上がったりすると、誰でも胸がドキドキしたり息が苦しくなったりするものです。そのような動悸や息切れは、加齢や運動不足により出やすくなります。

しかし、そうした一般的な動悸や息切れとは別に、更年期には激しい運動をしたわけでもないのに、急に心臓がどきどきしたり、息が思うようにできなくなったりすることがあります。激しい動悸がして夜中に目が覚めてしまう人もいます。それまでにはなかったことだけに、「何か重大な病気なのでは…」「今度、急に症状が出たらどうしよう」と、不安になる人も少なくありません。

このような更年期に特有の動悸や息切れは、心臓の拍動や呼吸などをコントロールする自律神経が乱れることによって起こります。自律神経が乱れる原因は、更年期に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の急激なアップダウンにあります。

また、動悸や息切れは心配事やストレスがあったり、疲れがたまっていたりすると強くあらわれる傾向がありますが、更年期と呼ばれる時期はストレス要因が多くなるため、こうした症状が出る機会が増えるともいえるでしょう。

◆自己判断だけに頼らず、医師に相談を

動悸や息切れは、貧血や心臓、甲状腺などの病気が原因で起こることもあります。症状がなかなか治まらないようであれば、病院で医師の診断を受けましょう。

更年期症状の予防と対策

動悸・息切れの予防と対策

ゆっくり深呼吸する

動悸や息切れが起きたら、まずゆっくり深呼吸して動悸をしずめましょう。特に、息を吸うことよりも吐くことに時間をかけることを意識するのが大事です。
腹式呼吸も気持ちをリラックスさせるのに効果的です。嫌なことや辛いことがあって気持ちが落ち込んだ時や、仕事や家事などに追われて強いストレスを感じた時などには、気持ちをしずめてゆっくりと腹式呼吸を行いましょう。腹式呼吸の基本は、口鼻から息をゆっくりと吐きながらお腹を凹ませ、息をゆっくりと吸いながらお腹をふくらませます。目安としては、4秒吸って8秒かけてゆっくり長く吐く、という感じです。
腹式呼吸を実践する女性のイラスト

手のツボを押す

自律神経のバランスを整えるには、手首の横ジワの上、小指側のくぼんだところにある「神門(しんもん)」というツボを押すと効果があります。ゆっくり深呼吸しながら、親指を差し込むように押しましょう。気持ちが次第に落ち着いてきます。ツボを温めるのも有効なので、市販のお灸などもおすすめです。

動悸・息切れ|原因と症状を楽にするツボ押し
「NPO法人ちぇぶら」の代表理事、更年期トータルケアインストラクターの永田京子先生が、更年期ケアの「ちぇぶらチャンネル」で呼吸法・ツボについて動画でわかりやすく紹介してくださっていますのでぜひご覧ください!

更年期ケアの「ちぇぶらチャンネル」は更年期の困りごとを解決するための「薬箱」のような存在。
楽しく見られて役に立つ情報が満載ですので、ぜひチャンネル登録してチェックしてみてください(永田先生の明るい笑顔に癒されます)。

アロマテラピーで心を落ち着ける

植物から抽出した天然素材の精油(エッセンシャルオイル)。芳香を持つこの精油を使うアロマテラピーも有効です。動悸や息切れが起こったら、ハンカチに精油を1滴落としたものを吸い込みながらゆっくり深呼吸しましょう。精油にはさまざまな種類がありますが、不安感を鎮める「ラベンダー」がおすすめです。

更年期の症状のどれにも共通するのは、症状1つ1つに対するケアはもちろん、根源となる女性ホルモンの急激な変化に対してご自分に合った方法で補ってあげることが、症状を改善する一番良い方法だということです。大切な自分の体のことなので、しっかりと情報を集め、納得のいく方法から試してみてくださいね。

動悸・息切れに有効な成分

鉄 タウリン