月経/生理不順・不正出血

更年期を迎えると生理はどうなる?
更年期の女性の身体には様々な変化が訪れますが、中でもわかりやすいものの1つが生理(月経)です。突然の出血や不規則な月経周期に、何かの病気や妊娠を疑われる方もいらっしゃるのでは?特にこれまで規則正しく生理が訪れていた方は、急な変化に戸惑い、不安になりますよね。
更年期には卵巣機能が低下することによってこれまで25~38日間で起こっていた月経周期に変化があらわれます。
24日間以下の短い周期で月経が起こる「頻発(ひんぱつ)月経」や、次の月経まで39日以上あく「稀発(きはつ)月経」などがはじまり、月経ごとに出血量が極端に多かったり少なかったりするようになります。このような不規則な月経を経て、「1年以上月経のない状態」になると閉経を迎えます。
また、この時期には徐々に排卵が起こらなくなるために、生理とは違う不規則な出血=「機能性出血」が起こることも多くなります。生理前に少量の出血があったり、生理後にだらだらと出血が続いたりします。
機能性出血は自然に治まることが多いのですが、子宮や卵巣の病気が原因で不正出血が起きている場合もあり、これは機能性出血と区別して「器質性出血」と呼ばれます。不正出血の裏には病気が隠れていることもあるので、婦人科を受診しましょう。
女性の数だけ症状があるといってもよいくらい、更年期に抱えている悩みは人によって異なりますから、他の方の体験が必ずしも自分にあてはまるとは限りません。生理不順が年齢による自然な変化だとしても、お医者さんに相談してみることで安心が得られれば、その分目にみえないストレスも和らぎます。
生理不順・不正出血の予防と対策
足のツボを押す
内くるぶしの一番高い部分から指4本分上、内すねの骨と筋肉の境目にあるのが、「三陰交(さんいんこう)」と呼ばれるツボです。このツボに親指を当てて気持ちの良い強さで押しましょう。足全体の血行がよくなり体が温まるため、婦人科系の症状に効くといわれています。生理痛や生理不順のほかに、冷え、ほてりなどにも有効です。温めるとよいツボなので、お灸(きゅう)などもおすすめです。
ストレスをためない
ストレスが原因となって、生理不順が起こる場合もあります。仕事や人間関係での悩みなど、ストレスの原因をなるべく取り除くよう努力することが大切です。ストレス解消のためにスポーツで体を動かすことも有効です。
大豆や大豆製品を食べる
大豆に含まれるイソフラボンという成分は、女性ホルモンのエストロゲンと化学構造式や体内での働きがよく似ています。このため、イソフラボンを多めに摂ると症状の改善につながるといわれています。納豆や豆腐、大豆の水煮、きなこ、豆乳などの大豆製品を、食生活に上手に取り入れましょう。イソフラボンのサプリメントも有効です。
ティーンから続く生理との長いお付き合い(闘い?)も終盤に差し掛かっています。万全な体調でこれから始まる自分らしい人生を迎えるためにも、更年期に発せられる体からのサインを見逃さず、ゆっくりと自分の体を労わってあげませんか?