春は要注意!乾燥、かゆみ、シワ…更年期の肌荒れをケア

セルフケア

冬の寒さを残しつつ、パステルカラーの服がお店に並び始め、春の訪れが感じられるようになるこの時期。更年期症状に悩む5人のヴィーナスの一人、キャリアウーマンのナオミにとっては憂鬱な時期でもあるようです。花粉症からの敏感肌が悩みの彼女が、更年期世代の春の肌トラブルについて、女性医療クリニックLUNA横浜元町院長の槍澤ゆかり先生にインタビューしました。

春は肌のかゆみや乾燥を引き起こすことも
更年期はホルモンと加齢の影響で肌トラブルに!
スキンケアは肌をこすらないのがポイント!
食事・運動・生活習慣を改善、たるみ対策も
イキイキとした肌は笑顔のもとに



春は肌の乾燥かゆみを引き起こすことも

ナオミ 花粉飛散情報がニュースで流れるころになると、また今年もこのシーズンがやってきたかと気が重くなります。鼻のむずがゆさも嫌ですが、最近肌荒れも気になっていて…春になると途端に敏感肌になってしまう気がするんです。この肌トラブルは、花粉症のせいですか?それとも年齢のせいなのでしょうか?

槍澤先生(以下、槍澤) アレルギーによるかゆみ、季節の変化による乾燥という原因の他に、更年期が理由の肌トラブルもあるかもしれませんね。また最近は皆さんマスク生活が続いているので、マスクと肌との接触による肌荒れ、かぶれ、蒸れによるニキビに悩む方もいます。春の肌トラブルは理由もいろいろです。

ナオミ 私は春だけ肌がかゆくなるのですが、これはなぜなのでしょうか。

槍澤 冬は大気が乾燥しているため、肌もドライスキン気味になっています。春になって気温が上がると、乾燥気味の肌からさらに水分が蒸発してしまい、輪をかけてドライスキンに。肌が乾燥するとバリア機能が低下し、外部からの刺激にも弱い状態になってしまいます。

さらに、春は花粉だけでなくPM2.5などの大気汚染物質も飛散しますし、紫外線量も増えます。お肌を刺激する物質が多いので、かゆみや赤みなどの原因に。加えて、新生活のストレスや汗、皮脂の分泌も加わって、肌トラブルが多くなるのです。



更年期はホルモンと加齢の影響で肌トラブルに!

ナオミ 先ほど先生は「更年期が理由の肌トラブルもある」とおっしゃっていましたが、それはどんなものでしょうか?

槍澤 加齢によって皮膚の表皮が萎縮して薄くなるとともに、更年期に卵巣から分泌されるエストロゲンが減ると、肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンなども減少し、肌が薄くなります。水分を保持できずハリを失って乾燥しやすくなり、小ジワ、たるみ、シミが目立つようになります。また減少したエストロゲンに対して、アンドロゲン(男性ホルモン)の割合が多くなり、毛穴のつまりを起こしやすく大人ニキビができることもあります。

ナオミ 言われてみると確かに小ジワやたるみは思い当たります!加齢と環境要因、ともに乾燥を招きがちだなんて、更年期のつらさを実感します…。

槍澤 他にも、何も考えずにやっているスキンケア習慣が、さらに乾燥を招いていることがあるのをご存じですか?メイク落としシートやコットン、タオルを使って肌をこすったり、クリームをすりこんだりして毎日肌をこすっていると、皮膚の自家保湿成分をこすり取ってしまい、皮膚は保湿能力を失って乾燥してしまうのです。肌をこするとそれが刺激になり、炎症を起こしたり、皮膚が伸びてたるみの原因になったりもします。

また、偏食や寝不足、運動不足による代謝の悪化、エアコンによる乾燥や無防備な日焼けなどによって、知らぬうちに自ら肌トラブルを招いていることも多いのです。

その結果、更年期を迎えて心身ともに変化を感じているところへ、鏡を見てますます老化を感じてしまい、人と会いたくなくなってしまうというケースも見受けられます。

ナオミ 春先の肌のかゆみばかりを気にしていましたが、実はその裏にもっと気を使わなくてはならない肌トラブルの原因があったとは…!目からウロコです。

スキンケアは肌をこすらないのがポイント!

ナオミ 先生のお話を聞いていると、「肌をこすらない」ことがお手入れのキーワードのように感じたのですが、どういうことに注意してスキンケアをしていけばいいのでしょうか。

槍澤 化粧品の使い方を工夫してみましょう。今まで少量を肌にすりこむように使っていたなら、量を見直すことも大切です。

【スキンケアのポイント】

肌に合った基礎化粧品をたっぷり使って、肌をこすらずケア

化粧水、乳液、クリームを手にたっぷり取り、肌をこすらないようにつけましょう。もしニキビが増えてしまうようなら、日々のスキンケアがかえって肌トラブルを悪化させている可能性もあるので皮膚科に相談してください。

365日、日焼け止めクリームで肌をガード

紫外線対策をしっかりしましょう。肌が老化する一番の原因は、紫外線の蓄積により肌が変化してしまう「光老化」ともいわれていますので、日焼け止めクリームは毎朝きちんと塗ること。500円玉大にクリームをたっぷり手にとって使いましょう。顔だけでなく、たるむと老けて見られやすいあごから首のラインにも塗布するといいですよ。また紫外線予防のために帽子や日傘を使うのも有効です。

クレンジングは肌をこすらないタイプを

クレンジングの種類にも気を配ってください。肌をこすらないタイプのクレンジングをおすすめします。

一般的にオイルタイプは更年期世代にはおすすめできません。洗浄力が強いので、角質層の自家保湿成分まで洗い流して、皮膚のバリア機能を低下させてしまうのです。また、拭き取るタイプのクレンジングも、肌をこするという意味で控えたほうがいいでしょう。

ナオミ 自分自身で肌を傷めつけないように注意しないといけないですね。スキンケアの使い方と、アイテム選びを見直したいと思います。



食事・運動・生活習慣を改善、たるみ対策も

ナオミ スキンケア以外に肌のためにできることがあれば、ぜひ教えてください。

槍澤 分かりました。では、食事、運動、生活習慣に分けて、肌トラブル予防のヒントをお伝えしますね。

【食事】

更年期には代謝も落ち、太りやすくなります。そのため体重の増加を気にしてダイエットする方も多いのですが、お肌のためには十分に栄養バランスのとれた食事が大切です。肉、魚、卵、野菜、果物、大豆製品など、いろいろな種類の食品を食べましょう。

お酒は若いときよりは控えめに。ファストフードはできるだけ避けてください。


【運動】

更年期症状に悩む方は「疲れやすく気力が出ない」「運動する元気もない」「家事も億劫」という方も多いですが、ストレッチやウオーキング、ラジオ体操からでもいいので、無理をしない程度から運動を始めるのをおすすめします。

運動をすると血流がアップし、皮膚の血流も良くなり酸素や栄養成分がいきわたりやすくなります。その結果、代謝も良くなり、肌のくすみ、小ジワの改善につながります。

更年期以降の女性にとって、運動することは抑うつの改善、筋肉量の維持、骨密度の維持、冷えの解消など、良いことばかりですよ。顔の骨密度低下もたるみの原因になるのです!


【生活習慣】

●最近はマスクで口もとが隠れ、口をうごかさないことが増えています。ますます口角が下がり、たるみの原因になりますので、意識して舌や口の運動をしましょう。

舌を口の中で時計回り、反時計回りにぐるぐる回したり、舌を上あごにつけて口角を上げつつ左右に口をぐっと開いたりするといいですよ。また首、肩のストレッチを生活に取り入れることもおすすめです。

スマートフォンを長時間だらだらと見続けないようにしましょう。首を前に出し、うつむきながら猫背でスマホを見たり、無表情で画面に夢中になっていたりすると、重力で頬がたるみ、表情筋も衰えてシワになりやすいです。

睡眠不足は翌日の肌の調子に影響します。良い睡眠のためには、ストレスをためないようにし、過食を避けて運動を日課にすることが大切です。

●乾燥しやすい場所へ出かけるときは、小さい化粧水ミストや乳液などを持参して、保湿を心がけるようにしましょう。

ナオミ 忙しさを言い訳にせず、生活習慣を見直していきたいと思います。あと、肌トラブルに関して、専門医を頼ったほうがいいのはどんな場合ですか?

槍澤 肌のかゆみが治らなかったり、赤いできものがたくさんできて治らなかったり、また肌の調子が悪くて日常生活に影響が出るという場合には、専門医を訪ねて相談してみてください。従来の皮膚科の治療だけでなく、婦人科でも漢方やホルモン補充療法、プラセンタなどいろいろな選択肢があるので、きっといい方法が見つかるはずです。

イキイキとした肌は笑顔のもとに

ナオミ 憂鬱だった春の肌トラブルですが、原因と対策がわかって安心しました。今年の春は、例年よりも前向きになれそうな気がします。

槍澤 そうですね。なによりも大切なのは、心からの笑顔で毎日を送ることだと思います。

年齢を重ねた自分を悲観するのではなく、慈しんでください。適切な肌ケアをしながらときどき鏡をみて肌トラブルの改善を実感できれば、毎日がより楽しくなり、きっと良い笑顔も生まれるはずですよ。誰でも迎える更年期。無駄に恐れず、ときには医療も利用しながら明るく乗り越えていきましょう。

ナオミ きちんとお肌の対策をしていけば、明るく更年期を過ごしていけそうですね。先生、今日は本当にありがとうございました!



槍澤ゆかり先生

女性医療クリニックLUNA横浜元町院長

岩手医科大学医学部医学科を卒業後、湘南鎌倉総合病院婦人科勤務を経て2005年より横浜元町女性医療クリニック・LUNAに勤務開始。2008年より女性医療クリニックLUNA・ANNEX院長、2012年より横浜元町女性医療クリニックLUNA院長就任。2019年より現職。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。医学博士。日本婦人科学会員、日本女性医学会員。


女性医療クリニックLUNA

https://luna-clinic.jp/

ナオミ

52歳。未婚。仕事では管理職としてバリバリ働いている。約1年前から頭痛や肩こり、目の疲れがひどくなり、最近では高血圧や高コレステロール、肌の乾燥の症状も。生理周期が極端に短くなってきているのが悩み。

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