ゆらぎの秋に効く、更年期世代のためのハーブティー

セルフケア


更年期世代のお悩みを専門家に相談し解決する「お悩み解決隊」。今回は子育て中の主婦・アイコが、ホリスティック メノポーズラボの山内さちこ先生に、秋におすすめのハーブティーを伺いました。寒暖差が大きく、ゆらぎやすい秋。リラックスし、自律神経を整えるには、どんなハーブティーがいいのでしょうか。

ゆらぎがちな秋冬にハーブティーがおすすめな理由とは

山内先生(以下、山内) アイコさん、ハーブティーを気に入ってくださって、なによりです。秋から冬にかけて、「温める・巡らせる・ホルモンバランスを整える」ことに効果的なハーブティーをご紹介しましょうね。

秋は寒暖差もあり、ゆらぎやすい季節冬に向かって冷えや乾燥といったお悩みも増えます。紅茶やコーヒーはカフェインが多いので、交感神経を優位にさせてしまいますが、ハーブティーならノンカフェイン副交感神経が迷走しやすい更年期世代にぴったりだと思います。今回のラインアップも、アイコさんに気に入っていただけるといいのですが(笑)。

▼更年期の悩みに効くハーブティーをチェックする



リラックスして楽しみたい、秋におすすめのハーブティー

山内 良い香りを楽しみたいなら、ジャスミンティーがおすすめです。ほかにもこの季節にぴったりのハーブティーがいくつかあるので、ご紹介しましょう。


【秋におすすめのハーブティー】

●ジャスミン
ジャスミンティーは特に香り豊かなハーブティー。夏の疲れで乱れた自律神経を整え、緊張を緩めてリラックスできるはず。豊かで甘い香りは、更年期女性のメンタルを整えてくれます

●ジャーマンカモミール
初夏から夏にかけて収穫され、夏の太陽をいっぱい浴びているハーブティーなので、パワーがあります。夏の疲れを解消し、秋に向けて体を元気づけてくれます。

●マロウ 
秋の夜を連想させるきれいなブルーのハーブティーで、水出しができます。レモンを加えると、お茶の色がピンクに変化するのもユニーク。このマロウには、乾燥からくる喉の炎症を抑えてくれる効果があります。

●ローズヒップ
ローズヒップには、「ビタミンCの爆弾」という別名があり、夏の疲れを解消してくれるハーブティーです。ハイビスカスとブレンドして売っているものもありますよ。



【更年期に人気の高いハーブティー】

私のサロンで、更年期世代に特に人気が高いのは、ハーブの女王・ダマスクローズのハーブティーですね。ほかには、スペアミントやハイビスカスが好きな方も多いです。

●ダマスクローズ
ハーブの女王として君臨しているのがダマスクローズ。ローズの芳醇な香りが、幸せな気持ちにしてくれます。女性ホルモンに似た働きがあり、美肌効果も抜群!

●スペアミント
スペアミントのハーブティーは、ペパーミントより甘味があります。冷たいものを飲んだり食べたりして弱った夏の胃腸の働きを高めてくれます

●ハイビスカス
疲労回復をサポートしてくれるのはハイビスカスのハーブティーです。ハイビスカスにはクエン酸が豊富。秋の始まりは残暑が厳しいので、水出しで楽しむのがおすすめです。フレッシュジュース(パインジュースやオレンジジュース)などとブレンドしてもおいしくいただけます。



山内 ハーブティーは、種類によっては飲みにくいものもあります。そんなときは、ドライフルーツ(アップル、アプリコット、パイナップル)を入れてみたり、シナモンやジンジャー、はちみつなどを入れて飲んでみてください。レモンピール、オレンジピール、フレッシュオレンジ、レモン、ライムをハーブティーに入れてもいいでしょう。

季節のフルーツとハーブティーのマリアージュを楽しむというのもアリ。桃はジャーマンカモミールと相性がよく、梨にはローズマリーティーがよく合います。桃や梨のコンポートの香りづけにハーブティーを使ってもいいですね。


更年期症状にそっと寄り添う、お悩み別ハーブティー

山内 不眠解消や冷えの改善など、更年期世代にぴったりなハーブティーがいろいろありますよ。お悩みからハーブティーを選んでみてもいいですね。


【お悩み別ハーブティー】

●夏に摂り過ぎた水分を排出するデトックス効果:ワイルドストロベリー、ジュニパー

●不眠解消:ジャーマンカモミール、レモンバーム

●胃腸の働きを高める:スペアミント、ペパーミント、レモングラス、レモンバーベナ 

●免疫力を高めて感染症を予防する:タイム、エキナセア

●冷えを改善する:エルダーフラワー、ジンジャー


こんな風に楽しんで!ハーブティーで広がる食生活

山内 ハーブはお茶として楽しむだけでなく、お料理にも活かすことができるんですよ。ハーブを使ってシロップやジャムを作ったり、ワインに入れてみたり、食事に振りかけたりと、いろいろな楽しみ方ができます。


【ハーブを使った食卓のヒント】

●ハーブでシロップ作り
ラベンダーやローズ、カモミールのハーブティーを使って、シロップを作ってみましょう。このシロップを炭酸水で割って、食前酒代わりにいただいてみては? 

<シロップのレシピ>
ハーブティーは濃い目にするのがポイント。お砂糖は糖の吸収が緩やかになるてんさい糖がおすすめです。
*材料
濃い目に出したハーブティー 150cc 
てんさい糖 大さじ3 
レモン汁小さじ1
*作り方
①材料を小鍋に入れ、半分の量になるぐらいまで強火で2~3分煮詰めます。
②粗熱がとれたら、ジャムの瓶などで保存します。1週間ほどで使い切りましょう。

●ハーブワイン作り
ハーブをワインに浸けると2~3時間で香りが移ります。一晩浸けてもOK。ジャーマンカモミールやローズマリー、ラベンダーを白ワインに浸けると、とてもいい香りのワインに。つけるのは、フレッシュでもドライでもどちらでもお好みで。
夏の太陽をいっぱい浴びて天日で干されたハーブを、ハーブワインとして味わいながら、秋の夜更けに夏の思い出を語り合うのも素敵なことだと思います。

●ハーブを料理のアクセントに
最近では、食用のフレッシュローズが、「エディブルローズ」として売られています。サラダに合わせたり、パラパラとメインディッシュに振りかけて味わったりするのもいいですよ。鮮やかなピンク色が食卓を明るくしてくれます(ベランダに咲いているローズではなく、食用のものを使ってください)。



飲むだけじゃない!ハーブティーを使った生活のひと工夫

山内 もちろんです。例えばバスハーブとして、湯船やフットバスでハーブティーを楽しむこともできますし、見た目のキレイなハーブティーはインテリアにもぴったり。化粧水に使う方もいらっしゃいます。ハーブティーの出がらしを掃除に使うこともできますよ。


【生活の中でハーブティーを楽しむアイデア】

●お風呂に入れてバスハーブにする
例えばローズやラベンダー、ジャーマンカモミールなど、花の香りのハーブティーなら、バスハーブとしていい香りのバスタイムを楽しめます。お徳用で購入したハーブティーで十分。ガーゼやお茶パックなどにハーブティーをくるんでお風呂に入れるだけ。フットバスにしてもいいですね。ただ、ハーブの種類によっては、バスタブに色が付く場合がありますので、長時間入れっぱなしで放置しないように気を付けてください。

●化粧品に利用する
質のいいハーブは、アルコールに浸してチンキ剤を作り、化粧水の材料にすることもできます。

●ハーブティーを観賞する
密閉瓶に入れてキッチンやリビングの棚に置き、目で見て楽しみましょう。エディブルフラワーという食用のお花をフレッシュなミントやローズマリーと合わせて、ミネラルウォーターの入ったガラスのボールに浮かべて観賞すると素敵です。ハーブの香りの移ったミネラルウォーターは飲用にもいいですよ。


【ハーブティーの出がらしリユース法】

●ガーデニングに再利用
ガーデニングの際に、出がらしのハーブティーを肥料として土に混ぜてください。

●掃除に使う
色の出ないハーブティーであれば、お茶として楽しんだ後、茶葉の水気を絞ってちぎった新聞紙と混ぜ、掃き掃除の際にパラパラと床に撒いて使うと、ほこりが取りやすくなっていいですよ。



気になるハーブティーを気軽にお試し。気に入ったら質にこだわってみて

山内 アイコさん、難しく考えず、ハーブティーは気軽に楽しむことが一番!リーズナブルなブレンドのハーブティーで、お好みの香りや味わいを見つけていくのは悪いことではありません。その中で特に気に入ったハーブティーに出合ったら、それだけは質のいいものをこだわって買うといいのではないでしょうか?

効果効能ばかりに目を向け、高価なハーブティーを買ったものの、飲まずにそのままになってしまうほうがもったいないと思うんです。まずはコストをかけず、気負わず、気軽に楽しむことから始めてください。

ハーブショップによっては、ブレンドのハーブティーが数種類入っているお試しパックがあったり、試飲しながら好みのハーブティーが購入できたりするところもあります。最初は、少しずつトライしながらご自分の好みを見つけられるといいと思います。

ただ、既往症がある場合や、医師による治療や投薬を受けている場合、ハーブティーによっては、薬と似た作用のあるものがかなりありますので注意が必要です。アドバイスが受けられるハーブ専門店で相談しながら買えると安心ですよ。

またハーブティーの中には利尿作用が強いものがあるので、就寝前に多量に飲むのも控えてください。


自律神経が乱れやすい秋。ハーブティー片手に、リラックスできる時間を

山内 更年期女性は、仕事、家事、介護と、何かと忙しい毎日を送られていることと思います。慌ただしくハーブティーを飲もうとするかもしれませんが、ここはあえてゆっくりとティータイムをつくって、香りを楽しんでホッとしてください。香りを嗅ぎながら味わうハーブティーは、気分転換になるだけでなく、暮らしに彩りを与えてくれます

ホルモンバランスを整える作用のあるハーブティーもたくさんありますので、更年期の方々には積極的に生活に取り入れてほしいです。

秋は寒暖の差や気圧の変化により自律神経が乱れやすいもの。女性ホルモンの低下のために、自律神経が迷走しやすい更年期女性にとってはつらい時期です。効果効能にこだわりたくなると思いますが、なによりも心をリラックスさせるために、自分が心地よいと感じる香りを選んで、自分だけのブレンドを作ってみてください。心地よい香りは脳へと伝わり、自然と心と体を整えてくれるはずです。ハーブの専門家に、持病や既往症を伝え、アレルギーに関する注意事項を確認すれば、マイブレンドに挑戦して大丈夫。失敗も学びと思って、いろいろなブレンドを試してみてください。


山内さちこ先生
ナチュラルエイジングコーディネーター。1998年、横浜元町でリフレクソロジーの専門サロンを開業して以来、自然療法、季節の整体、中医学、食養生、簡単エクササイズをパーソナルにコーディネート。セラピスト歴25年を通じ、のべ2万人以上の女性の不調に寄り添い続ける。現在神奈川県逗子市で、更年期世代の不安や悩みを解消し、幸せな閉経を迎えるためのセラピールーム『ホリスティック メノポーズラボ』、セルフケアの教室「季節と香りの心得塾」を主宰。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員、NPO法人ホリスティックビューティー協会会員、セラピー関連資格も多数保有。

アイコ
43歳。夫と小学生~中学生の子ども3人の5人家族。子育てをしながらパート勤務をこなし、毎日忙しく過ごしている。2年前からホットフラッシュやイライラ、不安感、気分の落ち込みに悩む。最近では、物忘れや高血圧、白髪、抜け毛の症状も。

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