50代からの認知症予防、献立や生活のヒント

お悩み相談の回答

ご相談内容

ご相談者様:すずらん様 54歳女性

認知症介護教室で、女性の方が認知症になる可能性が高いことを知りました。50代の今、将来を不安に感じています。どうしたら良いでしょうか。

回答

すずらん様、こんにちは。この度はお悩み相談をお送りいただき、ありがとうございました!

認知症介護教室へ行かれ、将来を不安に感じられたとのことですね。先々まで健康でいたいという、強いお気持ちが伝わってまいりました。

将来かかるかもしれない病気を完全に防ぐことは難しいですが、日々のセルフケアで予防に努めることで、リスクを軽減することができます。認知症についての研究が進むにつれて、「認知症になりにくい生活習慣」が明らかになってきていますので、早めのケアをすることで、健康寿命を延ばしていきたいものですね!

現在、認知症を引き起こす原因のひとつとされているのが、高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病などの「生活習慣病(メタボリックシンドローム)」であるとされており、これを予防することが同時に、認知症の予防にも効果的と考えられています。そこで今回は、生活習慣病や認知症予防におすすめの食事や運動のポイントをお伝えしますね。

まず食事面では、「主食・主菜・副菜」を揃えて栄養バランスを整えることをベースとすることが大切です。また、それぞれのおすすめ食材をご紹介します。


【主食】穀物は未精製のものを選ぶ

玄米、分つき米、麦ごはん、雑穀、ライ麦パン、全粒粉パンなどを選ぶことで、血糖値の上昇が緩やかになると同時に、外皮や胚芽の部分に豊富に含まれているビタミンやミネラル、食物繊維を摂ることができます。

【主菜】「魚」を積極的に選ぶ

サバ、イワシ、サンマなど青背の魚を積極的に食事に取り入れることで、脳の神経細胞の情報伝達をスムーズにする働きがある、不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)や、脂質異常症を改善するEPA(エイコサペンタエン酸)を摂ることができます。1食あたりの量は手のひらサイズを目安に。

【副菜】「豆・野菜・果物」で彩りも栄養も良く

豆類や野菜、果物を取り入れることで、身体の酸化(老化)を抑えてくれる働きのある抗酸化ビタミンやポリフェノールを摂ることができます。毎食小鉢1~2皿を目安に。


【控えたいもの】

・食塩(過多になると高血圧の一因となります)

・ファストフードやインスタント食品(ビタミン類が少ない一方で、糖分・塩分・脂肪を多く含み、過多になりやすい傾向があります)

また、運動面では「週に2~3回×30分」程度体を動かすことが推奨されています。活動で血流量が増えることで全身に酸素や栄養素が運ばれ、また外に出ること自体が脳への刺激にもなりますので、まずは、軽く息がはずみ、会話できる程度の速さでのウォーキングなど、有酸素運動を行うことをおすすめします。30分時間がとれない時は10分×3回などの細切れでも構いません(私は、昼休みや仕事の後、細切れ歩きをしています)。

ぜひ、すずらん様お気に入りの散歩コースなどを見つけてみてくださいね。


他にも、人と話す機会を増やしたり、脳トレをするなど、日々の生活を充実させていくことも脳への刺激となり、認知機能を高めることにつながります。
毎日を楽しみながら、一緒に健康づくりをすすめてまいりましょう!

ひとつでもすずらん様の参考になればうれしく思います。またのご相談をお待ちしております。

右田尚子

管理栄養士、健康運動指導士、メノポーズカウンセラー。キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当

過去に特定保健指導業務や自治体の健康運動支援事業に従事し、現在に至る。

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