更年期に起こる不正出血の原因は?

出血に悩む女性
お悩み相談の回答

ご相談内容

ご相談者様:53歳、女性

不正出血のページを読みましたが、もう少し詳しく伺いたく質問させてください。 更年期でも正常な不正出血と危険な不正出血があると思います。区別は難しいでしょうが、明らかな違いもあると思います。危険な場合はずーっと不正出血が続き終わることがないとか、出血量が増大していくとか。いかがでしょうか。

回答

ご相談くださり、ありがとうございます。

せっかくご相談くださったので、「このような場合は、正常(異常)です」と、ずばりお答えしたいところではあるものの、お体のことを考えると、できませんでした。
なぜなら、更年期の女性の体に通常起こり得る範囲内の出血かそうではないかの違いは出血の部位や程度など詳細を確認し、原因を鑑別診断することが重要なため、受診をせず個人で判断することは大変危険だからです。

更年期は特に、体のターニングポイントであるが故に、ホルモンバランス以外にも、婦人科腫瘍や妊娠など、あらゆる可能性を念頭に置いて診断する必要があるとされています。

輝きプロジェクトでは、更年期に不正出血が起こる可能性をご紹介しましたが、不正出血の原因は大きく2つに分かれています。
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■機能性出血
→ホルモンバランスの乱れが原因の出血。不正出血の30%を占めるといわれている。

■器質性出血
→膣、子宮、卵巣などの疾患や炎症、外傷等が原因の出血
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出血の頻度や量を例に挙げると、「月経/生理不順・不正出血」にも記載している通り、頻発月経によって、一時的に月に何回も出血があったり、出血量が増えたりする方がいます(それが月経と気付かず、不正出血だと思われる方もいらっしゃると思います)。

一方、おりものに血が混じる程度の少量の不正出血でも、子宮体がんが原因であるケースもあるそうです。
参照ページ:国立がん研究センター がん情報サービス

このように、出血の仕方は様々で、やはり病院で問診や検査を受けないことには、様子を見てよい状態なのかどうかの判断が正確ではありません。月経時の出血も含め、これまで経験のない変化が起きている場合は、ためらわず医師へ相談することを強くおすすめします。

医師のイメージ

▼かかりつけの婦人科の先生がいらっしゃらなければ、下のページからも探すことができます。
日本女性医学学会 https://www.jmwh.jp/


更年期の不調の中でも、出血という目にみえる異変に対し、特に強く不安を感じられる一方、お忙しくて病院へ行く時間がなかったり、時期的になかなか病院へ行くのがためらわれたりするお気持ちは、とてもよくわかります。

しかし、他人の体験談や一般論で述べられることと同じような症状であっても、同じ結果(診断)があてはまるとは限りません。大切なのは、専門家と共にご自身の体の状態を正確に把握し、ご自分に合った解決方法を見つけていくことです。

本サイトを含め、インターネット等で得た情報は「気づき」に留め、決して「安心」「過信」せず、通院やセルフケアを始めるきっかけとして、引き続き上手に活用していただければ幸いです。

また、不正出血と共に起こる可能性があるのが貧血です。
貧血の原因にもまた、病気が潜んでいる場合もあります。例えば、月経の際の貧血は、子宮筋腫などの婦人科の疾患が原因であることも考えられます。「よくある症状」と油断せず、貧血の症状が気になる方は、医師に相談して原因を特定し、適切な治療を受けるようにしてください。

不正出血と貧血が、治療の対象ではないことを前提として、貧血予防のセルフケアを少しだけご紹介させていただきますね。

ポイントは、体内で血液を運ぶヘモグロビンを作る材料となる鉄分を食事からしっかり摂ることです。鉄の他にもヘモグロビンなどの材料になるたんぱく質、鉄の吸収を高めるビタミンC、赤血球が作られる際に必要な葉酸やビタミンB12などの摂取を心がけてください。

鉄分は胃酸が分泌されると吸収されやすくなるので、梅干や酢などの酸っぱいものを食べたり、よく噛んで食べたりすることで胃酸の分泌を促すと、鉄分の吸収率を高めることが期待できます。

葉酸が含まれるほうれん草

★鉄・たんぱく質が多い食品:牛肉やレバー・カツオなどの赤身の魚・あさりなど
★ビタミンCが多い食品:緑黄色野菜・果物など
★葉酸の多い食品:ホウレンソウ・アスパラガス・ブロッコリー・納豆など
★ビタミンB12の多い食品:レバー・魚介類・チーズなど

貧血に関わる栄養や食材はこのように多くあるので、ひとつの食材に偏らず、動物性食品・植物性食品をバランス良く組み合わせて食べるようにしてみてください。


ご不安をすっきりと解消することができず心苦しいですが、少しでも気付きとなることがあれば幸いです。またいつでもご相談ください!

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