更年期相談「疲れやすく、動悸で息苦しい」症状の対処法

動悸がする女性
お悩み相談の回答

ご相談内容

そらまめ様(51歳)
最近、疲れがとれず胸がつまるような感じがして苦しいです。
肌のハリもなくなりシワが増えたことも悩みで、気分が落ち込んでしまいます。
今一番の悩みは胸が苦しいこと。
これは更年期障害ですよね。どれくらい続くのでしょうか?



回答

そらまめ様、この度はご相談いただきありがとうございます!

疲れがとれず胸がつまるような感じで苦しいとのこと、とてもおつらそうなご様子が伝わってまいります。また肌のハリやシワなど、あれこれ悩みが重なると落ち込んでしまうお気持ちもよく分かります…。

更年期(閉経の前後5年間、おおむね45~55歳の時期)にさしかかると、女性ホルモンの減少が見られるようになり、この急激なゆらぎに伴う自律神経の乱れが原因の一つとなり、様々な不調が気になる方が多くいらっしゃいます。

まず「これは更年期障害ですよね?」というご質問をいただきましたね。

更年期に現れる様々な症状のなかで、他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、なかでも日常生活に支障が出るほど症状が重い状態を「更年期障害」といいますが、この症状は多種多様で、その強さも含めて個人差がとても大きいため、一概にそれが更年期によるものかを判断することは難しいのですが、

「更年期による症状なのか」を判断する上での目安としては、

1.月経が不順、もしくは閉経している

2.心身に様々な不調を感じる(発汗やイライラなど代表的なものに限らず)

上記が挙げられます。

そらまめ様のご状況と照らし合わせてみて、いかがでしょうか?


次に「どれくらい続くのでしょうか?」というご質問についてですが、女性ホルモンの減少による不調自体のピークは、平均で2~3年、長くても5年ほどで治まるものとはいわれますが、そらまめ様にとって大切な時間をおつらい悩みを抱えたまま過ごすことなく、穏やかに乗り切る対策を考えることが大切だと考えます。

そこで今回は「不調の時期を穏やかに乗り切るセルフケア」 をご紹介できればと考えております!

最初に、「女性ホルモンのゆらぎに起因する症状の緩和が期待できる成分」についてご紹介いたします。


★大豆イソフラボンを補う

更年期特有の悩みは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をする「大豆イソフラボン」を摂ることで、症状(不眠、ホットフラッシュ、抑うつ、疲労など)を緩和することが期待できます

大豆イソフラボンは豆腐、納豆、豆乳などの「大豆製品」から摂ることができます。

一日の摂取目安量の上限は、70~75mgといわれていますので、
食品でいうと、
・豆腐1/3丁(100g)で約20mg
・納豆1パック(50g)で約37mg
・豆乳コップ1杯(200ml)で約50mg

上記の大豆イソフラボンが含まれています。

日々、コツコツと摂ることがおすすめです!

一定の量の大豆食品を毎日食べることが大変な場合には、サプリメントを活用されるのも良いと思います。

また大豆イソフラボンには、そらまめ様がお悩みとされていた「肌のハリやシワ」に対する改善効果も報告されていますので、続けて摂ることがおすすめです

▼成分と効果の詳細は、こちらからご覧ください
★更年期に摂りたい成分★大豆イソフラボン


ぶどう種子ポリフェノール


★ブドウ種子ポリフェノールを補う

「ポリフェノールの王様」とも呼ばれるブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)は、その強い抗酸化力で、更年期症状(不眠、不安、疲労、ホットフラッシュなど)の緩和や、むくみやお肌の老化(シミ・シワ・たるみなど)予防にも効果があるといわれます。

プロアントシアニジンは「ブドウの種の部分」に多く含まれているので、ブドウを丸ごと食べたり、サプリメントを活用して手軽に補うこともおすすめです。

★更年期に摂りたい成分★ブドウ種子ポリフェノール


これらの成分は、日本産婦人科学会の「診療ガイドライン」にも掲載されておりますので、安心してお試しいただけるかと思います。

●診療ガイドラインー婦人科外来編2020
【P190】更年期障害に対する漢方治療・補完代替医療はどのように行うか?


次に、「今一番の悩み」と話されていた、動悸を感じた際におすすめのセルフケアをご紹介します。



★ゆっくりと大きく深呼吸をする

動悸や息切れが起きたら、まずゆっくり深呼吸して動悸をしずめましょう。

特に、息を吸うことよりも吐くことに時間をかけることを意識してみてください。

腹式呼吸も気持ちをリラックスさせるのに効果的です。嫌なことやつらいことがあって気持ちが落ち込んだときや、仕事や家事などに追われて強いストレスを感じたときなどには、気持ちをしずめてゆっくりと腹式呼吸を行いましょう。

腹式呼吸の基本は、口鼻から息をゆっくりと吐きながらお腹をへこませ、息をゆっくりと吸いながらお腹をふくらませます。目安としては、4秒かけて吸って8秒かけてゆっくり長く吐く…という感じです。

自律神経のバランスが整い、気持ちが落ち着きます。

※動悸や息切れは、貧血や心臓、甲状腺などの病気が原因で起こることもあります。症状がなかなか治まらないようであれば、病院で医師の診断を受けることをおすすめします。

★更年期の症状★動悸・息切れ

以上一つでも、そらまめ様のお役に立てたらうれしく思います。

どうか無理のないようにお過ごしくださいね。

セルフケアは、更年期の一時的な不調の改善だけでなく、これから先を美しく健康で過ごしていくためのケアにもなります。また、継続することで効果が表れやすくなりますので、まずはやりやすそうなものや続けやすそうなものから、試されてみてくださいね。

またいつでもご相談をお待ちしております!

※セルフケアを続けても気になる症状に変化がない、症状が強く日常生活に支障が出る、などのお困りの状態が続くようであれば、受診を検討されることをおすすめします。

専門医を探される際のご参考といたしまして、日本女性医学学会ホームページ内の「女性ヘルスケア専門医リスト」をご紹介いたします。

下記ページの『近隣の専門医・専門資格者を探そう』から、お住まいの地域ごとの医療機関を検索いただくことができます。

日本女性医学学会ホームページ


右田尚子

管理栄養士、健康運動指導士、メノポーズカウンセラー。キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
過去に特定保健指導業務や自治体の健康運動支援事業に従事し、現在に至る。

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