閉経後に上がりやすいコレステロール値の対策
ご相談内容
ご相談者様:パパイヤ様 54歳 女性
若いころから総コレステロール値が高いのですが、悪玉コレステロール値は低く、善玉コレステロール値が高いので問題ないと気にしていませんでした。
閉経後はコレステロール値が上がると聞きますが、具体的にどのように上がるものなのでしょうか。また、それは避けることはできないのでしょうか。
回答
パパイヤ様、ご相談をお寄せいただき、ありがとうございます。お若いころから総コレステロール値が高めだったとのこと、閉経後のコレステロール値の変化についてご質問いただきましたね。
コレステロールとは人間の体に存在する脂質のひとつで、細胞膜や各種のホルモン・胆汁酸を作る材料となる、体に必要な物質です。その2~3割は体外からとり入れられ、7~8割は糖や脂肪を使って肝臓などで合成され、体内で量が調整されています。
なかでも、生活習慣病の要因として取り上げられるコレステロールとして、たんぱく質などと結合し血液中にとけ込んでいるリポたんぱく質があり、肝臓のコレステロールを体全体に運ぶ役割を持つLDL(低比重リポたんぱく質)と、体内の血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運ぶ役割を持つHDL(高比重リポたんぱく質)があります。LDLは体にコレステロールをためるので「悪玉」、HDLは回収するので「善玉」と呼ばれています。
ここでご質問いただいた閉経後の体内の変化ですが、閉経後の女性の血液中では、女性ホルモン(エストロゲン)の低下に伴って、総コレステロール、LDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪が増加し、そしてHDL(善玉)コレステロールは減少するといわれています。
この変化に伴い、体内のコレステロールのバランスが崩れ、血液中のコレステロールが過剰となると、動脈硬化を促進し、心臓や血管に悪影響を与えるため、注意が必要です。
閉経はすべての女性に訪れる体の機能変化ですが、それに伴う心身の変化には個人差があります。まずは毎年の健康診断等でコレステロール値等に変動がみられないかを、ご確認いただくことが大切かと思います。
年を重ねていくなかで、「数値が変わってきたな」という場合には、今の体にあわせて生活習慣の調整をすすめていきましょう。
調整する生活習慣としては、以下★が推奨されていますので参考にしてみてください。
★適正体重の維持:BMI25未満を目指して ※BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
★食事
摂り過ぎは控えたいもの:
・動物性脂肪の多い食品(肉の脂肪の多い部分、チーズ、生クリーム、バターなど)
・飽和脂肪酸の多い食品(マーガリン、スナック菓子、カップラーメンなどの即席麺)
積極的に摂りたいもの:
・不飽和脂肪酸が豊富な青魚(サバ、イワシ、アジ、サンマなど)
・食物繊維を多く含む食品(イモ類、根菜類、キノコ類、野菜類、豆類、海藻類など)
・植物性たんぱく質が豊富な大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)
★運動:1日合計30分以上の有酸素運動(10分×3回など小分けでもOKです!)
★その他:禁煙、飲酒(適量&休肝日を設けて)
また、数値が基準値を超えている場合などは、医療機関を受診することも大切です。コレステロールと上手に向き合って、健康的な生活を目指したいですね!
またのご相談をお待ちしております。
<この記事を監修いただいた先生>
右田 尚子
キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
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