更年期症状をアロマで緩和!おすすめの香りは

セルフケア

仕事や家事で忙しい毎日を過ごす更年期世代の5人のヴィーナスたちが、より快適な毎日を過ごせるように更年期のお悩みを専門家に相談する取材企画。今回は子育てとパートに明け暮れるアイコが、最近ちょっと気になるアロマテラピーの日常生活への取り入れ方を、アロマスター株式会社の芦川佳子さんにインタビューしました。

更年期症状を癒やしてくれる、アロマテラピーの効果とメカニズム
更年期のお悩み別 冬におすすめのアロマリスト
ディフューザー、アロマバスやスプレー…アロマテラピーの楽しみ方
アロマテラピーで更年期のストレスを緩和

更年期症状を癒やしてくれる、アロマテラピーの効果とメカニズム

アイコ 私はホットフラッシュやイライラ、気分の落ち込みなど、いろいろな更年期症状に悩まされているんですが、日常生活にいい香りを取り入れたら気分だけでもリラックスできるかなとアロマテラピーに興味が出てきました。アロマテラピーとは、そもそもどんなものか教えてください。

芦川先生(以下、芦川) アロマテラピーは、植物の花や葉から採取される精油(エッセンシャルオイル)を使った「芳香療法」です。香りは心身のバランスを整え、疲れた心と身体を癒やしてくれる効果がありますが、特に天然成分のアロマ(芳香)はさまざまな良い影響をもたらしてくれるので、更年期の症状を優しくサポートしてくれるアイテムとして日常生活に取り入れていただけるといいと思います。

アイコ 香りは心身のバランスを整えてくれるということですが、どういうメカニズムなんでしょうか?

芦川 アロマテラピーに使用する精油の芳香成分が体内に吸収されるルートは、主に3つあります。

①鼻から脳へ

②肺から全身へ

③皮膚から全身へ

私たちがアロマでリラックスするメカニズムに大きくかかわるのは、①の鼻から脳へというルートです。

アロマを嗅ぐと、まず精油の芳香成分が鼻の奥にある嗅細胞を刺激して、その刺激が電気信号へと変化して脳の大脳辺縁系へ伝達されるんですね。さらにそこから視床下部、下垂体へと伝わります。大脳辺縁系の中には 桃体や海馬と呼ばれる器官が存在し、芳香成分はここにもダイレクトに伝わります。

また、視床下部は、自律神経やホルモンバランスを司っている非常に重要な器官。アロマの香りが視床下部に直接働きかけることで、自律神経やホルモンに良い影響を与えてくれるといわれています。自律神経やホルモンのバランスが整い、休息しているときに働く副交感神経が優位になれば、身体の緊張がほぐれ、気持ちが落ち着き、心身共にリラックスすることができます。

一方、大脳辺縁系は記憶を司る「海馬」や「快・不快」などの感情を司る「扁桃体」などで構成されています。香りを嗅いだときに、その香りに関わる懐かしい記憶がふと蘇るのには海馬の働きが関係しているといわれています。アロマが扁桃体にダイレクトに伝わることによって、私たちは安らぎや心地良さを感じるんですね。

※イメージ


アイコ なるほど、香りに癒やされるのは、脳の働きによるものだったんですね。

更年期のお悩み別 冬におすすめのアロマリスト


アイコ  私たち更年期世代がアロマテラピーを取り入れると、どんなメリットがあるでしょうか。

芦川 アロマテラピーは精神面・身体面の両方に効果が期待できるといわれているので、更年期の健康を保つセルフケアとしておすすめですよ。

更年期のお悩みにおすすめできる精油はいろいろあるのですが、特に冬の寒いこの時期には、こんな症状が気になる方もいらっしゃるかもしれません。

●日照時間や寒さからくる「冷え・むくみ」「気持ちの落ち込み」

●年末年始の忙しさが終わり日常が始まった「疲労感」「イライラ」

●ホットフラッシュの症状がある方は、たくさん着込んだときの「のぼせ・ほてり・多汗」

こういった更年期症状をサポートしてくれる下記に精油をご紹介しますので、気に入る香りがあれば、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。

ただし、アロマオイルには合成香料を使用しているものがあり、注意が必要です。アロマテラピーの効果効能を取り入れる意味では、100%天然の精油(エッセンシャルオイル)と呼ばれているものをセレクトしましょう。

 【更年期症状をサポートしてくれる精油】

 ●「気持ちの落ち込み」におすすめの精油

 心に高揚感や元気を与えてくれる精油がおすすめです。

 ≪おすすめ精油≫

 ・ローズ、ネロリ、ラベンダーなどのフローラル系

 ・オレンジ、グレープフルーツなど柑橘系

 ●「疲労感」におすすめの精油

 森林浴効果で疲労感を和らげてくれる精油がおすすめです。

 ≪おすすめ精油≫

 ・ヒノキ

 ・ホーリーフ

 ・パインなど

 ●「イライラ」におすすめの精油

 焦りやイライラを静めて心を穏やかにしてくれる精油がおすすめです。

 ≪おすすめ精油≫

 ・ベルガモット

 ・ラベンダー

 ・フランキンセンスなど

 ●「のぼせ・ほてり・多汗」におすすめの精油

 ホルモン分泌のバランスを整えてくれるといわれている調整作用のある精油や、収れん(制汗)、涼感のあるすっきりした精油がおすすめです。

 ≪おすすめ精油≫

 ・ゼラニウム

 ・ペパーミント

 ・サイプレスなど


 ●「冷え・むくみ」におすすめの精油

 血行を促進し、身体を温めてくれる効果が期待できる精油がおすすめです。

 ≪おすすめ精油≫

 ・ローズマリー

 ・ジュニパー

 ・スイートマジョラムなど

芦川 冷えに悩まされている方は、入浴時にアロマバスとして、また手浴や足浴として取り入れみてくださいね(具体的な方法は後述)。

アイコ たくさんの精油の情報をありがとうございます。症状別に何種類か教えていただいたので、この中から選べばいいんですね。香りを選ぶ際のポイントはあるのでしょうか。

芦川 精油は薬ではないため、その症状自体が良くなる、軽減されるとはいえないので、成分などを参考に、より自分に合う香りを選んでいただければと思います。ただ、いくら成分や期待できる効果が自分の症状に合っていても、その香り自体を“良い香り”と思えなければかえって不快に感じてしまいます。まずは今の自分にとって一番心地良いと思える香りを選ぶことが大切です。

また、更年期症状が日常生活に支障が出るほどつらいと感じる場合は、更年期以外の病気が隠れている可能性もありますので、アロマで改善しようと無理をせずに婦人科を受診される方が良いかもしれません。

なお、赤ちゃんや幼児がいるご家庭でも芳香浴はしていただけますが、子どもは大人より香りに敏感なので、子どもが不快に感じるなら無理せず使用を控えてください。

赤ちゃんや幼児と一緒の空間でアロマを使用する場合には、以下の点にご注意くださいね。

①精油や商品を子どもの手の届かない場所に保管する

②出産直後は特に低濃度での芳香浴を楽しむ

③長時間の使用は避ける

アイコ 具体的に教えてくださりありがとうございます!早速、お店で香りを確認してみたいと思います。

ディフューザー、アロマバスやスプレー…アロマテラピーの楽しみ方

アイコ 毎日忙しく動き回っている私のような更年期世代は、どのように生活にアロマテラピーを取り入れるのがいいのでしょう。

芦川 一番のおすすめは手軽にできる「芳香浴」です。市販のスプレーやアロマディフューザー(アロマを空間に拡散させるための器具)などを用いて香りを楽しむのが、忙しい方にはおすすめですよ。ここでは、アロマテラピーのいろいろな取り入れ方をご紹介しますね。

●アロマスプレーでハンカチやリネン類、空間をいい香りに

アロマスプレーは、マスクやハンカチ、リネン類などにスプレーするだけで心地良い香りが楽しめます。空間にスプレーして香りを楽しむのもいいですね。

●ディフューザーで香りを空間に広げる

ディフューザーで精油の香りを空間に拡散させて香りを楽しむ方法です。香りを吸い込むことで、心と身体のリラックスやリフレッシュを促します。

●アロマバスにして入浴

入浴時には、無水エタノール(5ml程度)に精油を1~5滴を加えてお湯に入れ、よくかき混ぜてから入浴します※。

●手浴、足浴で香りを楽しむ

全身浴より手軽にできる手浴や足浴もおすすめ。

大きめの洗面器かバケツに、無水エタノール(5ml程度)に精油を1~3滴を加えてお湯に入れ、よくかき混ぜてから手や足を浸けます※。

*精油は水にとけないので、無水エタノールやベースオイル(植物油)などで精油を希釈して使用しましょう。

*肌に刺激を感じた場合は直ちに流してください。

*浴室内で香りが強すぎると感じる場合は、無理をせずしっかり浴室換気をしましょう。

アロマアイテムを外出先に携帯する

アロマスプレーやロールオンアロマなどは、持ち運びできて簡単に使えるので、カバンに入れておくといいと思います。外出先で更年期症状が出る方もいらっしゃいますので、すきま時間などに香りを嗅いで、呼吸を深く整えたりリラックスできるといいですね。

アイコ どの方法も手軽にできそうでうれしいです!ちなみに取り入れる頻度や時間の目安、注意点などはありますか?

芦川 ご自身がリラックスしたいときや、香りを楽しみたいときなど、お好きなタイミングで取り入れていただいて大丈夫です。生活習慣の中にゆるく取り入れられればベストかなと個人的には思いますよ。

※AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)HPより


アロマテラピーで更年期のストレスを緩和

アイコ 日々忙しくても、アロマを嗅げばすぐにリラックスモードに切り替えられていいですね。こんなアロマ生活を今から始めたら、この先の心身にも良い影響はありますか?

芦川 ストレスは更年期症状を強めてしてしまう一因だとよく聞きますので、ストレスに対するセルフケアを取り入れて、ストレスによる反応が強くなる前に緩和する習慣をつけていくことが大切だと思います。

アロマテラピーをセルフケアの一つの方法として取り入れていただくと、日常生活をより快適に過ごすことができ、きっと将来の心身の健康にもつながると思いますよ。

アイコ 確かに日ごろからストレスを緩和していくことって大事ですよね。そのためのアロマテラピーですね!

芦川 はい、アロマテラピーは、更年期症状で悩む女性にとって、リフレッシュ、リラックスを促すアイテムとして日々の生活をちょっと幸せにしてくれると思います。ぜひ暮らしの中に取り入れて、つらい更年期をアロマと一緒に乗り切りましょう!

アイコ 毎日を少しでも気持ちよく送れるように、教えていただいた精油を早速試したいです。先生、今日は本当にありがとうございました!

芦川佳子さん

アロマスター株式会社PRオウンドメディア担当

AEAJ認定アロマセラピスト。 AEAJ 認定アロマテラピーインストラクター。自社サイト「くらしとアロマ」で、アロマを「身近に&簡単に」とモットーに、心地良い香りで毎日のくらしを楽しむための「お役立ち情報」を届けている。

アイコ

43歳。夫と小学生~中学生の子ども3人の5人家族。子育てをしながらパート勤務をこなし、毎日忙しく過ごしている。2年前からホットフラッシュやイライラ、不安感、気分の落ち込みに悩む。最近では、物忘れや高血圧、白髪、抜け毛の症状も。




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