更年期の血糖値、食事や運動で対策を

お悩み相談の回答

ご相談内容

ご相談者様:ぱんだ様(54歳)

以前、血糖値改善を相談し頑張った結果、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を5.6まで下げることができました、ありがとうございます。ここからもう一歩下げるために、改めて血糖値の改善ポイントについて確認したいです。

回答

ぱんだ様、ご質問いただきどうもありがとうございます。
過去1~2カ月の血糖の平均値をあらわす、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を5.6まで改善されたとのこと、素晴らしいですね!

一般的に多くの女性が閉経を境に、血糖値が上昇し、糖尿病の発症リスクが高くなるといわれていますが、セルフケアで着実に改善されたということ、日々努力をされているご様子が伝わってまいります。

更年期にさしかかると、女性ホルモン(エストロゲン)が減少します。エストロゲンには、血糖値を下げる「インスリン」というホルモンの働きを助ける作用があるため、これが減少することで血糖が下がりにくくなることが原因とされています。

他にも、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪、血圧なども上がりやすくなるとされており、これらは動脈硬化を進行させ、将来、脳卒中や心臓病(心筋梗塞や狭心症)など命に関わる病気を引き起こす原因となるため、注意が必要です。

更年期以降は、ホルモンバランスの変化に伴って体内も大きく変わりますので、それにあわせて生活習慣も見直していきましょう!

【血糖値改善のための食事のポイント】
食事の量・質・時間を見直してみましょう。

●一日3食、規則的に食べる
食事回数が少ないと、次の食事までの間があき過ぎることで血糖値が下がり過ぎたり、次の食事で上がり過ぎるなど不安定になります。規則的な食事で血糖値を安定させましょう。

●1口30回を目標に、よく噛んで食べる
よく噛むことで、血糖値を下げるインスリンの初期分泌が促されます。同時に消化促進や満腹中枢の刺激による食べ過ぎ防止などの効果も期待できます。

●主食に全粒穀物(玄米ごはんや雑穀パンなど)を選ぶ
全粒穀物に含まれる食物繊維には、血糖値の上昇を穏やかにする効果があります。

●おかずに食物繊維を多く含むものを積極的に取り入れる
食事の際にまず、野菜、きのこ、海藻などの食物繊維が豊富な食材を先に食べると、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。

●おやつは15~16時頃に、1日約200kcal以下を目安に
食後に上昇した血糖値は、一般的に2時間ほどで空腹時の値に戻りますので、おやつを食べる場合は昼食と夕食の間がおすすめです。
砂糖は消化・吸収が速く血糖値が上がりやすいので、摂り過ぎに注意してください。日本人に不足しがちなカルシウム源となる牛乳や、ヨーグルトをおやつに摂るのもおすすめです。

【参考】間食のエネルギー(カロリー)/e-ヘルスネット

【血糖値改善のための運動のポイント】
運動には血糖値の改善と同時に、インスリンの働きを改善する効果があります。

●有酸素運動(ウオーキングなど):週に3~5回、合計150分ほど
ペースは「かるく息がはずむ程度」がおすすめです。
コロナ禍でもあり、今、ほとんど動かないといった生活習慣の方もいらっしゃると思いますので、その場合まず[10分歩く=約1,000歩]から始めてみてください!
続けることが一番大切ですので、前後に準備運動と整理運動をしつつ、無理のないペースで行ってください。

●筋力トレーニング(スクワットなど):週に2~3回
姿勢を安定させたり、歩く際に腿や膝を引き上げてくれる、大腰筋を鍛えるスクワットがおすすめです。
方法は以下を参考にしてみてください。

【参考】1日5分の簡単スロトレで更年期の冷えを乗り越える!

また、自分の「標準体重」と「一日に必要なエネルギー」を知っておくことで、健康づくりに役立つと思いますので、下記もあわせて参考にしてみてください。

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★標準体重の計算方法
標準体重(kg)= 身長(m)× 身長(m)× 22
(例)身長160cmの人:1.6×1.6×22≒56kg

★一日に必要なエネルギー量の計算
一日に必要なエネルギー量(kcal)=※体重1kgに必要なエネルギー(kcal/kg)×標準体重(kg)

※体重1kgに必要なエネルギー(自分の生活にあてはまるものから選んでください)
1.座り仕事が中心:25〜30(kcal/kg)
2.立ち仕事や通勤、家事、軽い運動をする:30〜35(kcal/kg)
3.力仕事やしっかりした運動をよくする:35〜 (kcal/kg)

(例)身長160cm、家事や仕事で動いている場合
標準体重:1.6×1.6×22≒56kg
一日に必要なエネルギー:(2の30~35 kcal/kg)×56kg=1,680〜1,960kcal
となります。

上記で計算したカロリーをもとに、普段の食事をチェックしてみることもおすすめです。

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健康づくりを続けられているぱんだ様のご参考になりましたら幸いです。またいつでもご質問お待ちしております!

<この記事を監修いただいた先生>

右田尚子

右田 尚子
キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
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