冬のお家時間に取り入れたい!更年期の冷え対策

セルフケア

更年期症状に悩みつつも、仕事や家庭に忙しい5人の女性・ヴィーナスたちが、より快適な日常を送れるように専門家に取材するこの企画。今回はお悩みの女性も多い「冷え性」を取り上げます。夫婦で自営業を営む48歳のユミコが、冷え性の専門医・石原新菜先生にインタビュー。「健康のためには血流を意識して!」という石原先生の言葉に、冷え性の改善を固く心に誓ったようです。

冷えがつらくなったのはどうして?更年期の冷えの原因と症状とは
だれもがうっかりやっている!?「冷えを招く生活習慣」
セルフチェックでわかる「私は冷え性かも?」
冬場の冷え、「これをすれば改善できる」とっておきの対策とは
更年期になりやすい「冷えのぼせ」とはいったい何!?
冷え対策をすればこれからの人生にメリットがたくさん

冷えがつらくなったのはどうして?更年期の冷えの原因と症状とは

ユミコ 更年期になってからいろいろな体の不調があるんですが、「冷え」がつらくなってきたのが今の悩みです。先生、更年期に冷え性になることってよくあるんでしょうか?

石原先生(以下、石原) 実は更年期に体の冷えがつらくなる女性は多いんです。その原因は、女性ホルモン「エストロゲン」の低下によるもの。仕組みはホットフラッシュと同様で、エストロゲンの分泌量が減ることによる自律神経の乱れから、体温を調節する幅が狭くなり、以前は寒いと感じなかった温度でも冷えを感じるようになるんです。

体が冷えることで血行が悪くなり、頭痛、肩こり、腰痛、肌・目・髪の毛の乾燥、むくみ、便秘が起こったりもするんですよ。

ユミコ えっ!せ、先生ちょっと待ってください、それって、更年期世代が日ごろ調子が悪いなって思っている症状の大半じゃないですか!?

石原 そうなんです。さらに女性ホルモンは糖代謝や脂質代謝、体温アップにも関係している上、加齢で代謝にかかわる筋肉量も落ちるので、代謝が下がって太りやすくなり、コレステロール値や血糖値などが上昇し、生活習慣病になりやすくなったり…。さらには冷えが原因で不眠や気分の落ち込みなども引き起こされたりもします。

ユミコ 冷え性が体のいろいろな不調につながっているなんて、全然思っていませんでした…!ものすごくショックです。



だれもがうっかりやっている!?「冷えを招く生活習慣」

ユミコ 冷えに女性ホルモンがかかわっていることはわかりました。体の冷えを招きやすくする生活習慣があれば、それも知りたいです。

石原 冷えを招く生活習慣はいくつかあるのでご紹介しますね。

 【体の冷えを招く生活習慣】

 ●運動不足

 体温の約40%は筋肉がつくっているため、運動不足により冷えを招きやすくなります。

 ●湯船に浸からないでシャワーだけ

 シャワーだけだと、体が芯から温まりません。

 ●必要以上に水分を摂ること

 運動や入浴で汗として水分を排出できればいいのですが、体内に水が溜まると体が冷えやすくなります。

 ●生野菜やグリーンスムージーなどを多く摂る

 体を冷やす「陰性食品」(暑い土地が原産の食物)の摂りすぎになりがちです。

 ●ストレス

 ストレスがかかると交感神経が働き、血管が縮んで血行が悪くなるため、冷えが起こりやすくなります。


ユミコ 私、生活習慣の面でも冷え性になりやすいことばかりしています…。

セルフチェックでわかる「私は冷え性かも?」

ユミコ 冷え性って侮れないですね…。でも自分が冷え性だと自覚がない「隠れ冷え性」の方もいるって聞いたことがあります。自分が冷え性だと知るためには、どんなことをチェックすればいいんでしょうか。

石原 そんな方のためにチェックリストをご用意しました。この10項目のうち、3つ以上当てはまれば冷え性といえます。

 【あなたは冷え性?チェックリスト10】

  □ 足先が冷えてなかなか寝付けない

  □  運動はあまり好きではない

  □  冷房は苦手

  □  入浴はシャワーだけ

  □  下半身は冷えているのに、上半身はほてってしょうがない

  □  突然、顔や背中から大量の汗が出る

  □  イライラして眠れない

  □  手足がほてって眠れない

  □  疲れやすく、風邪をひきやすい

  □  冷えの自覚症状はないのに、35℃台の低体温



冬場の冷え、「これをすれば改善できる」とっておきの対策とは

ユミコ なんだか、自分にはどれも当てはまっている気がします…。先生、どうやったら冷え性から抜け出せるか、ヒントをください!

石原 体を温めるために取り入れたい対策をいくつかお伝えしますね。

【体を温める対策5選】

●スクワットを習慣に

筋肉の約70%は下半身に集中していますので、まずは下半身の筋肉量を増やしましょう。筋肉量が増えることで、体のすみずみに血液が行きわたり、体を温めることができますし、基礎代謝も上げることができます。

椅子に座る直前くらいの高さまでお尻を下ろしてから、ゆっくり戻します。お尻を突き出すイメージです。1日30回を週3回行うのを目標にやってみましょう。入浴前に行うなど、日ごろの行動の中に習慣として定着させられるといいですね。


●湯船に浸かる

40℃のお湯に15分間浸かると、深部体温が0.5℃上がるという研究結果があります。入浴時には肩までしっかり浸かって体を温めましょう。


●生姜を飲み物にプラス

生姜は体を温めてくれる「陽性食品」です。朝食の味噌汁に生姜を入れたり、白湯にも生姜やシナモンをプラスしたりすることで、体も胃腸も温まり、血行がよくなって代謝が上がります。

日中は生姜紅茶を飲むのもおすすめです。市販されているものでもいいですし、生姜をひとかけすりおろして、普通の紅茶に入れて飲んでもOK。 紅茶は茶葉を発酵させたものなので、発酵食品(代謝をよくする酵素が入っていて体を温めてくれる)という観点からも冷え性にいいんですよ。


●頭寒足熱ファッションを

足は心臓から遠いので冷えやすいんです。腹巻き、ひざ掛け、スパッツ、レギンス、レッグウォーマー、もこもこ靴下(足首が隠れる長さのもの)などを取り入れて、頭寒足熱を心がけましょう。体内の血行も変わりますよ!

また外出するときにもぜひ、腹巻きやストール、ひざ掛けを使ってください。手首、足首、首の「3首」を冷やさないようにすることも大切です。首と名前のつくところは、筋肉と脂肪が少ないので熱が逃げやすいんです。

●過ごしやすい室温・湿度に調整

部屋の環境は、室温22℃、湿度60%くらいになるように暖房や加湿器で調整しましょう。一番過ごしやすいのがこの環境といわれています。

更年期になりやすい「冷えのぼせ」とはいったい何!?

ユミコ 更年期になりやすいといわれる「冷えのぼせ」の症状についても、どんなものか教えてほしいです。

石原 更年期に特徴的なケースなんですが、下半身が冷えて血行が悪くなり、本来、下半身をめぐるべき血液が上半身に集まっている状態、これを「冷えのぼせ」と呼んでいます。下半身は冷えているのに上半身が暑く、体温を測っても高く出るので、自分が冷え性だと気づきにくいんです。

「冷えのぼせ」の方は、下半身の運動不足が原因のひとつなので、下半身の運動を必ず取り入れてください。それから、しっかり湯船に浸かることです。時間があれば足浴もしましょう。また、服装は頭寒足熱にすることが大事です。

冷え対策をすればこれからの人生にメリットがたくさん

ユミコ 先生、今から対策したら先々の自分にもメリットはありますか?

石原 もちろんです。健康も美容もダイエットも認知機能低下の予防も、すべて血流にかかっています。血行をよくすることで、臓器も健康になり、お肌の代謝、ダイエット、脳の血流にもいい影響が出ますよ。「気」のめぐりもよくなって、うつの改善や予防にもつながります。

ユミコ わかりました!今日からきっちり対策をしていこうと思います。最後に、冷えに悩む私のような更年期女性にメッセージをいただけたらうれしいです。

石原 実は私自身、冷えによる体調不良の経験者なんです。学生時代から運動せず、湯船にも浸からず、体を温めることは全くしなかったので、体重増加や肩こり、生理不順など…多くの体調不良を抱えていました。生理が止まったのをきっかけにすべての習慣を変えた結果、今、不調はひとつもありません。本当に健康な人は、困る症状はひとつもないということを実感できているんです!

何か不調があるということは「未病」の段階にいるんだと思ってください。未病だと自覚し、生活習慣を変えることで健康になれます。将来の病気の予防にもつながりますよ。冷え対策をして血流を改善していけばきっと体調はよくなり、生涯健康でいられるはずです。

ユミコ 力強いメッセージをありがとうございます!私も明るい未来のために冷え対策を頑張っていきますね。石原先生、今日は本当にありがとうございました。

石原新菜先生
医師・イシハラクリニック副院長。2006年3月帝京大学医学部卒業後、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に『病気にならない 蒸しショウガ健康法』(アスコム健康BOOKS)他、多数。

https://www.ninaishihara.com

ユミコ

48歳。夫との2人暮らし。自営業をしながら、自分時間も楽しんでいる。2年半前から足のしびれや股関節の痛み、胃の不調を感じている。生理周期が短くなった影響で貧血や立ちくらみの症状があるほか、動悸や汗も頻発。冷え性もひどくなってきている。



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