Q:対処法があれば知りたいです

お悩み相談の回答


ご相談内容

まき様(46歳)

44歳ごろから、めまいや不眠があり、最近、急に血の気が引くような感じがたびたびあります。
病院で検査をしましたが、貧血もなく、血圧も正常でした。
更年期の不調で、このような症状もあるのでしょうか?また対処法があれば知りたいです。


回答

まき様、この度はご相談いただきありがとうございます!

めまいや不眠に加えて、血の気が引くような感じがたびたびあるとのこと、お悩みが続きお疲れもたまっているのではないかと心配しております。病院での検査では、血圧や血液検査で異常が見つからなかったとのことですね。

まき様に「更年期の不調で、このような症状もあるのでしょうか?」とご質問をいただきましたが、更年期(閉経のタイミングの前後5年間、おおむね45~55歳の時期)にさしかかると、女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れやすくなり、私たち女性の体には様々な変化が現れたり、不調が重なることが知られています。 まき様のように、めまいや不眠といった症状を訴える方も多くいらっしゃいます。

▼更年期の症状 
めまい・耳鳴り
寝付きが悪い・不眠


また「対処法があれば知りたいです」とのこと、以下に不調を乗り切るために、お試しいただきたいおすすめのセルフケアをいくつかご紹介しますね。

まずは「女性ホルモンのゆらぎに起因する症状の緩和が期待できる成分」からご紹介いたします。


★大豆イソフラボンを補う

更年期特有の悩みは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をする「大豆イソフラボン」を摂ることで、症状(不眠、めまい、疲労、頭痛、ホットフラッシュ、気分の落ち込みなど)を緩和することが期待できます。

一日の大豆イソフラボンの摂取目安量の上限は、70~75mgといわれています。
食品でいうと、

・納豆1パック(50g)⇒約37mg
・豆腐1/3丁(100g)⇒約20mg
・豆乳コップ1杯(200ml)⇒約50mg

などに上記の大豆イソフラボン量が含まれています。
これらの食品などとサプリを上手に組み合わせて、日々コツコツと摂ることがおすすめです!

成分と効果については以下からご覧ください。
▶更年期に摂りたい成分:大豆イソフラボン



★ブドウ種子ポリフェノールを補う

「ポリフェノールの王様」とも呼ばれるブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)は、その強い抗酸化力で、更年期症状(不眠、不安、めまい、疲労、頭痛、ホットフラッシュなど)の緩和や、むくみやお肌の老化(シミ・しわ・たるみなど)予防にも効果があるといわれます。

プロアントシアニジンは「ブドウの種の部分」に多く含まれているので、ブドウを丸ごと食べたり、サプリメントを活用して手軽に補うこともおすすめです。
▶更年期に摂りたい成分:ブドウ種子ポリフェノール


これらの成分は、日本産科婦人科学会の「診療ガイドライン」にも掲載されておりますので、安心してお試しいただけるかと思います。
診療ガイドラインー婦人科外来編2020 
【P190】更年期障害に対する漢方治療・補完代替医療はどのように行うか?


次に、「睡眠の質を上げる方法」についてご紹介します。


★朝日を浴びる

朝、光を浴びると、脳にある体内時計がリセットされて活動状態に導かれると同時に、「睡眠ホルモン」とよばれるメラトニンが、目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。その作用で夜には休息に適した状態に導かれ、自然と眠気を感じるようになります。


★トリプトファンを摂る

トリプトファンも、睡眠ホルモンのメラトニンのもととなる「セロトニン」を体内で作るのに役立つとされ、

・乳製品
・豆類や穀類
・赤身の肉や魚
・バナナ

などに多く含まれます。
またトリプトファンの他にも、ビタミンやミネラルなどもホルモンを作る材料となるため、色々な食材をバランスよく食べる意識自体が快眠の役に立ちそうです。


★GABA、テアニンを摂る

快眠につながる成分として、気分を落ち着かせたり、リラックスさせてくれる効果があるGABAとテアニンもおすすめです。

GABAはアミノ酸の一種であり、体内にも存在する抑制神経伝達物質で、脳の興奮を抑え、気持ちを落ち着かせる抗ストレス作用があるとされます。
トマトやナス、じゃがいもなどの野菜や、発芽玄米や漬物などの発酵食品に含まれています。

テアニンも同じくアミノ酸の一種で、リラックス効果や安眠効果があるとされ、主に緑茶に含まれています。
こちらも、食品で摂れていないかも、と思われたときにはサプリメントで手軽に摂ることもできます。


★日中に軽く汗をかく運動をする

日中に、体を動かして血行を促し、適度に汗をかくことが夜の安眠につながるとされます。
ストレス発散やリフレッシュもかねて、無理のない範囲で少しずつでも動く時間を増やしてみてはいかがでしょうか?


★自分にあったリラックス法をもつ

寝る前には、好きな音楽を聴いたり、アロマをたくなど、ご自身に合った方法でリラックスすることで、穏やかな入眠につながりそうです。


最後に「めまい」について、天井など視界がぐるぐる回ってみえる「回転性」や、頭がぼーっとしてふわふわする「浮動性」のめまいがありますが、主な原因は自律神経の乱れによるもので、疲労や睡眠不足、ストレスなどが引き金になることがあります。
まず、めまいを感じたときの対処法としては、その場はできるだけ安静にしてめまいがおさまるのを待ちましょう。

また予防のためのセルフケアとしては、前述の「質の良い睡眠をとる」ことも疲労回復やめまい予防につながりますし、「自分に合ったリラックス法をもつ」こともストレス解消からめまい予防につながります。

※脳や耳の病気が原因でもめまいは起こりますので、症状がひどい場合や頻度が高い場合は、「脳神経外科」や「耳鼻科」、またはめまいに詳しい「更年期」の専門家医の検査を受けて、異常がないかを確認することもあわせておすすめします。
▶【参考】日本女性医学学会ホームページ


他に以下記事にも、セルフケアを掲載していますのであわせてご一読くださいませ。
1日5分の簡単スロトレで更年期の冷えを乗り越える!
更年期と「睡眠」の関係。改善方法を婦人科医に聞いた
更年期の「めまい」、一人で苦しまないで!


更年期は英語で「チェンジ・オブ・ライフ」ともいわれ、心身の大きな転換期となります。
今の自分に合ったセルフケアをしたり、これからのことも含めて相談できる婦人科医をもって、先々を健康で充実したものにしていけたら何よりですね!

まき様の健康を心よりお祈りしております!またいつでもご相談をお寄せくださいね。


右田尚子
管理栄養士、健康運動指導士、メノポーズカウンセラー。キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
過去に特定保健指導業務や自治体の健康運動支援事業に従事し、現在に至る。

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