40代での閉経にショック!不調の対策を知りたいです

生理不順を表すカレンダー
お悩み相談の回答

ご相談内容

アクア様(47歳)
今47歳ですが、45歳で生理が止まりました。41歳ぐらいからストレスによる不調や動悸が始まり、44歳から生理の周期が長くなり閉経しました。閉経が早いと何か問題があるのでしようか?イライラや疲れやすさは感じますが、発汗や大量出血はありませんでした。閉経が早かったこともショックでした。もう再開することはないのでしようか?ホルモン治療に通うか悩んでいます。よろしくお願いいたします。

回答

アクア様、この度はご相談いただきありがとうございます!
41歳頃からストレスによる不調や動悸を感じられ、イライラや疲れやすさを感じておられるとのこと、おつらそうなご様子が伝わってまいります。また生理(月経)は、10代から長い期間にわたり毎月付き合ってきたものですので、「月経=女性」というイメージもあり、早い閉経にショックを感じられることもあるかと思います。
一方で「これまでの煩わしさから解放されて、本当に楽になった」「温泉や水泳などをいつでも楽しめる」など、閉経をポジティブにとらえる場面もあるようです。

まず、ご質問いただきました「早く閉経することで問題があるのか」につきまして、早期閉経(「40歳未満での閉経」と定義されています)の場合、一般的にホルモン療法が推奨されていますが、アクア様の45歳で閉経された場合の治療の必要性につきましては、他ご質問の「月経が再開することはあるのか」「ホルモン治療に通うか」とあわせまして、一度婦人科の専門医にご相談されることをおすすめいたします。

専門医を探される際のご参考といたしまして、一般社団法人日本女性医学学会ホームページ内の「女性ヘルスケア専門医リスト」をご紹介いたします。下記ページの左側地図より、お住まいの地域ごとの医療機関をご検索いただくことができますので、ぜひご参考にしてみてください。

一般社団法人日本女性医学学会ホームページ

あわせて今回は、アクア様が感じておられる不調(ストレス、動悸、イライラ、疲れやすさなど)の緩和や、閉経後のセルフケアについて食事面からお答えしたいと思います!

閉経後は、それまで分泌されていた女性ホルモンがほとんど分泌されなくなることで、骨粗しょう症や動脈硬化などのリスクが上がるといわれ、そのことからも「体の転換期」と捉えて先々の健康のために、ケアを意識されることは非常に大切です。

参考記事:「更年期と閉経のメカニズムを学ぶ」

★更年期とこれからの心配事をまとめてカバーする「大豆イソフラボン」を補う

更年期特有の悩みは、女性ホルモン(エストロゲン)と似た作用をする「大豆イソフラボン」を摂ることで、緩和することが期待できます。また、閉経後に気なる「骨粗しょう症」予防の可能性も注目されており、今のお悩みとこれから先に気になる健康を同時にサポートしてくれる成分といえそうです。

大豆イソフラボンは豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品から摂ることができます。一日の摂取目安量の上限は、70~75mgといわれていて、食品でいうと、
●豆腐1/3丁(100g)で約20mg
●納豆1パック(50g)で約37mg
●豆乳コップ1杯(200ml)で約50mg
の大豆イソフラボンが含まれています。

日々、上記を組み合わせながらコツコツと摂ることがおすすめです!
また、一定量の大豆食品を毎日食べることが大変な場合には、サプリメントを活用されるのも良いと思います。

更年期に摂りたい成分:大豆イソフラボン

★動悸や疲労感ケアに「鉄分」などを補う

鉄分をしっかり摂ることも、動悸や疲労感へのケアにつながります。
鉄分の他にも、ヘモグロビンなどの材料になる「たんぱく質」鉄の吸収を高める「ビタミンC」赤血球がつくられるときに必要な「葉酸」や「ビタミンB12」なども、あわせて摂るとより効果的です。また鉄分は、胃酸が分泌されると吸収されやすくなります。梅干や酢などの酸っぱいものを食べたり、よく噛んで食べたりすることで胃酸の分泌を促すと、鉄分の吸収率を高めることが期待できます。
●鉄・たんぱく質が多い食品:牛肉やレバー・カツオなどの赤身の魚・あさりなど
●ビタミンCが多い食品:緑黄色野菜・果物など
●葉酸の多い食品:ホウレンソウ・アスパラガス・ブロッコリー・納豆など
●ビタミンB12の多い食品:レバー・魚介類・チーズなど

★骨粗しょう症予防とストレス・イライラ対策に「ミネラル(特にカルシウム)」と「ビタミン(特にビタミンC)」を摂る

カルシウムには脳神経の興奮を抑制する働きがあり、また骨粗しょう症予防の観点からも「カルシウム」が不足しないような食生活を意識することはとても大切です!カルシウムが多い食品は、乳製品や大豆製品、小魚のように骨ごと食べる魚介類などです。
またストレスが生じると、副腎皮質ホルモンとの関係で「ビタミンC」が必要になります。ビタミンCは緑黄色野菜や果物に多く含まれていて、野菜では菜の花やブロッコリーなどに多く含まれています。果物は食べ過ぎると糖分を摂り過ぎることにもなりますので、一日でぎゅっと握った「握りこぶし1個分」程度の量がおすすめです。ビタミンCは熱に弱く、水にも溶け出してしまうビタミンなので、電子レンジ加熱や短時間で蒸して召し上がられると、比較的損失が少なくなります。

更に、「GABA」や「テアニン」にも気分を落ち着かせる効果があり、イライラへの対策になります。GABAはトマトやジャガイモ、ナスなどに含まれ、テアニンは緑茶などに含まれています。これらの成分はサプリメントが販売されていますので、食品で十分摂れていないかもと思われたときには活用するのも良いですね。

以上ひとつでも、アクア様のお役に立てたらうれしく思います。
セルフケアは、継続することで効果があらわれやすくなりますので、じっくりとお続けいただけるとうれしいです。また症状がおつらい場合には、思い切って休みをとって心身を労わったり、医療の協力なども得ながら無理なくお過ごしくださいね。
いつでもご相談をお待ちしております!


右田尚子
管理栄養士、健康運動指導士、メノポーズカウンセラー。キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)営業部所属 お客様担当
過去に特定保健指導業務や自治体の健康運動支援事業に従事し、現在に至る。

ピックアップ記事

関連記事一覧