更年期のイライラをコントロールするコツ

イライラする更年期の女性
セルフケア

感情のコントロールが難しい更年期

怒りは喜怒哀楽と呼ばれる自然な感情のひとつで、それ自体は決して悪いものではありません。けれども、日常生活の中で必要以上に怒ることが増えてしまうと、家族関係や人間関係に悪影響をおよぼします。

女性ホルモン(エストロゲン)は、女性のからだと心の健康を支えているホルモンです。エストロゲンは、生涯を通して分泌され続けるわけではありません。更年期を迎えると、分泌量にゆらぎがあらわれることで自律神経のバランスが一時的に大きく乱れ、その結果、さまざまな不調があらわれやすくなります。

エストロゲンには、気持ちを安定させる働きもありますので、分泌量が減少すると、感情のコントロールが難しくなったり、ストレスに弱くなったりすると考えられています。もし、今までの自分なら上手にやり過ごせていたようなことなのに、急に耐え難くなって感情を爆発させてしまうようなことが増えたら、エストロゲンのことを意識してみましょう。

「更年期はコントロールが難しいこともある」という事実を知っておき、自分を責めないようにしましょうね!

睡眠不足も怒りの一因に

最近イライラしがちだな、という自覚のある方、夜はちゃんと眠れていますか?

ご存じの通り、睡眠不足と疲労は、気持ちの余裕を減らし、怒りっぽさの一因になります。更年期は、家事や育児・親の介護・仕事などで忙しく、物理的に十分な睡眠時間を確保しにくくなります。また、疲れているはずなのに眠れないという場合、その原因は更年期に降りかかっている多くのストレスや精神的なプレッシャーである可能性があります。

対策は、眠る前にゆっくりと入浴したり、適度な運動を生活に取り入れたり、寝室の温度や湿度を整えたりして、眠りやすい環境を整えることです。家事は毎日のことですので、休みにくいと思いますが、「今は更年期だから」と割り切って少々洗いものが残っていても早めに就寝したり、週末にはゆっくり過ごす時間を確保したり、自分のケアを重視するべきです。

感情の爆発を抑える方法

日々の食事を振り返ってみましょう

更年期に自律神経のバランスが乱れると、胃腸の不調が起こりやすく、思うように食が進まないことがあります。また、疲労や不安、うつ気分などを強く感じて、料理をする気力が湧かなくなったりすると、食事の栄養バランスが崩れやすくなります。
更年期の女性は、毎日の食事づくりを担当している人も多いのではないでしょうか。例えば子供や孫のお弁当や親の介護食、高血圧の夫用の減塩食など、大切な人のためにつくり分けをしている人もいらっしゃるかもしれません。そうしてふと自分自身の食事を振り返ってみると、つい1食抜いてしまったり、残りもので簡単にすませてしまったり…ということもあるのではないでしょうか?

更年期閉経の後に向けたからだをつくる大事な時期ですので、更年期の自分にこそ、栄養バランスの整った食事が必要ですが、調子の悪い時は栄養バランスの整った食事を用意するのが難しいですよね。完璧でなくとも、全く問題ありません。次のようなポイントをつかんだメニューで乗り切りましょう。

栄養バランスの良い食事

イライラに、トリプトファン

必須アミノ酸の「トリプトファン」や、ミネラルの「鉄分」が不足すると、神経伝達物質のセロトニン(別名幸福ホルモン)がつくられにくくなり、イライラ、怒りやすさ、うつ気分などの症状があらわれやすくなるといわれています。

心にも影響を与える栄養素は食事から摂ることが望ましいのですが、それが難しい時は日々の食事の補完として、サプリメントを利用してみましょう。

感動やときめきで、脳を刺激

怒りやすくなる背景には、さまざまなことが考えられますが、最近注目されているのが「怒りの感情を抑える脳機能の衰え」です。脳の中でも、脳の機能を制御している前頭葉の老化は、40代から始まる人もいるといいます。

感動したりときめいたりすることは、脳へのよい刺激になりますので、趣味や好きなことを通じて、心から楽しいと思える時間を過ごしたり、新しいことに挑戦したりして、脳の若々しさを保ちましょう。

簡単実践♪セルフケア

◇深呼吸
ゆっくりと深い呼吸をすることで副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。また、その時に上半身を伸ばすようにストレッチをすると、怒りによって緊張して硬くなったからだがほぐれやすくなります。

◇紙に書き出す
小さな不満が積み重なり、あることをきっかけに、大きな怒りになっているケースもあります。「体調がつらいのに労わってくれない」「言葉がきつい」など、紙に書き出すと自分が何に不満を感じているのかがわかります。自分の不満の素がわかったら、怒りが湧きそうになった時に不満の素から距離をとるようにしてみましょう。

◇運動する
運動しながら怒ったり、ネガティブなことを考えたりすることは、難しいものです。少し息が上がるくらいの有酸素運動をすると、気分転換になるだけでなく代謝もよくなり、適度に疲労して夜眠りやすくなります。運動には更年期症状をやわらげる効果もあります。

◇感謝や労いを口に出す
更年期の女性は多忙な反面、ねぎらわれる機会が少ないかもしれません。家族の間でも、何気ない「ありがとう」の一言で、言う方も言われる方も元気とやる気が湧いてきます。

何よりも、1日の終わりには今日も頑張った自分のことを自分自身が労ってあげてください!今日も、お疲れ様でした。

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