大豆イソフラボンが多く含まれている食品は?主な働きや摂取量の目安も解説

大豆イソフラボン


更年期の不調に悩んでいる方は、大豆イソフラボンが含まれている食品について知りたいのではないでしょうか。せっかく毎日の食卓に取り入れるなら、成分が多く含まれているものを選びたいですよね。
本記事では大豆イソフラボンの働きや、効果的に摂取できる組み合わせについて解説しています。更年期症状の改善に必要な摂取目安量についても解説しているため、大豆食品を選ぶ際の参考にしてください。


大豆イソフラボンとは

イソフラボンとは、大豆などのマメ科の植物に多く含まれているフラボノイドの一種です。大豆イソフラボンの中のアグリコンには3種類の成分(ゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン)があり、女性ホルモン(エストロゲン)と構造が似ていることから、「植物性エストロゲン」と呼ばれています


大豆イソフラボンの主な働き

大豆イソフラボン(ゲニステイン)は女性ホルモンの一つであるエストロゲンと構造が似ているため、摂取することで女性ホルモンと同様の作用を発揮することが分かっています。ほてり、のぼせ、イライラなどの更年期症状の改善が期待できるほか、骨粗しょう症や生活習慣病の予防にも有効とされているのです。ここからはそれぞれの働きについて、詳しく解説していきます。

更年期症状の改善につながる

更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少するため、疲労や頭痛、抑うつ、不眠など、体と心のあらゆる面での不調、すなわち更年期症状があらわれます。しかし大豆イソフラボン(ゲニステイン)を継続的に摂取することで、女性ホルモン様作用が働くため、更年期症状の改善が期待できます

骨粗しょう症の予防につながる

大豆イソフラボンは、骨粗しょう症の予防にも効果があることが分かっています。大豆イソフラボン(ゲニステイン)を継続的に摂取することで、更年期以降に減少する女性ホルモン(エストロゲン)が持つ骨密度を調整する働きを補ってくれるからです。骨や関節の健康を保つためには、大豆イソフラボンやカルシウム、ビタミンDといった成分を摂取するよう意識しましょう。

生活習慣病の予防につながる

大豆イソフラボンの一つであるゲニステインはポリフェノールの一種のため、抗酸化作用による働きも期待できます。抗酸化作用の一つに、活性酸素の働きを抑制する作用があります。活性酸素は微量であれば人体にとって良い影響を与えますが、大量に生成されると動脈硬化やがんなどを引き起こす原因になる場合があります。継続して大豆イソフラボンを摂取することで、生活習慣病を予防しましょう。


大豆イソフラボンが含まれる食品は?


大豆イソフラボンが含まれる食品には、以下のようなものがあります。なお含有量には、体内へ吸収される成分である「大豆イソフラボンアグリコン」が用いられています。

(大豆イソフラボンアグリコンとしてmg/100g)

食品名含有量平均含有量
大豆(11検体)88.3〜207.7140.4
煮大豆(3検体)69.0〜74.772.1
揚げ大豆(1検体)200.7200.7
きな粉(2検体)211.1〜321.4266.2
豆腐(4検体)17.1〜24.320.3
おから(1検体)10.510.5
油揚げ類(3検体)28.8〜53.439.2
納豆(2検体)65.6〜81.373.5
味噌(8検体)12.8〜81.449.7
醤油(8検体)0.7〜1.20.9
豆乳(3検体)7.6〜59.424.8
※厚生科学研究「食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)」をもとに作成

大豆イソフラボンは納豆や豆腐に多く含まれている

大豆イソフラボンを多く摂取したいと考えている場合は、納豆や豆腐、きな粉を1日の食卓に取り入れるとよいでしょう。大豆イソフラボンはほとんどの大豆食品に含まれていますが、原料とする大豆の種類や食品の製造方法などによって、大豆イソフラボンの含有量が異なるからです。先述した表を参考にして、含有量の多い大豆食品を食事のなかで摂取することをおすすめします。

大豆イソフラボンを効果的に摂取できる組み合わせ例

大豆イソフラボンを効果的に摂取したい場合は、以下の大豆食品を食卓に取り入れるとよいでしょう。

大豆食品1食あたりの平均含有量(アグリコン換算)
納豆(50g程度)1パックあたりおよそ37mg
豆腐(150g程度)1/2丁あたりおよそ30mg
味噌(18g程度)大さじ1杯あたりおよそ9mg
豆乳(200g程度)1パックあたりおよそ50mg

これらの大豆食品であれば比較的調理が簡単なため、毎日の食卓に取り入れやすいのではないでしょうか。納豆1パック(37mg)と豆腐1/2丁(30mg)を組み合わせると合計67mgが摂取できるほか、味噌汁を飲んだ後に豆乳を飲むようにすると合計59mgが摂取可能です。ただし大豆イソフラボンの安全な摂取目安の上限量は1日75mgと定められているため、過剰摂取にならないよう注意が必要です。

サプリメントで補うのがおすすめ

日々の食卓に大豆食品を取り入れることが難しいような場合は、サプリメントなどを利用して大豆イソフラボンを摂取するとよいでしょう。特に、ゲニステインが多く配合されているものを選ぶことで、更年期症状の改善が期待できます。ただし食品安全委員会では安全性の観点から、サプリメントで大豆イソフラボンを摂取する場合は、1日の上乗せ摂取量の上限値を30mgと定めています。


更年期症状の改善に必要な大豆イソフラボンの摂取目安量

更年期症状の改善を目的として大豆イソフラボンを摂取する場合は、1日最低25mgを目安として摂取するとよいでしょう。大豆イソフラボンは更年期の不調を改善する効果が期待できますが、健康のためには他の食品も取り入れてバランスの良い食事を意識することをおすすめします。

大豆イソフラボンの安全な摂取目安の上限は1日75mg

大豆イソフラボンを摂取する場合は、1日70〜75mgを超えない範囲で摂取するようにしましょう。食品安全委員会では日本人の食経験や臨床研究に基づいて、大豆イソフラボンの安全な1日の摂取目安量の上限を大豆イソフラボンアグリコンとして75mgに設定しているからです。

ただしこの摂取目安の上限量はこれまでの食経験や試験報告等に基づいた設定であり、大豆食品からの摂取量が上限値を超えたとしても、直ちに健康被害に結びつくことはないとも考えられています。

日本人は1日に20mgほどしか摂取できていない

平成14年に行われた「国民栄養調査」によると、大豆(加工食品を含む)および味噌、醤油の摂取量から試算した大豆イソフラボンアグリコンの摂取量の中央値は、1日あたり16〜22mgであることが確認されています。先述したとおり、更年期症状の改善を目的とした大豆イソフラボンアグリコンの摂取目安量は25mgであるため、多くの日本人は摂取が十分でないといえます。納豆や豆腐などの食品を継続して取り入れるほか、サプリメントなどを併用して摂取するとよいでしょう。

大豆イソフラボンの摂りすぎは良くないって本当?

健康に悪影響が生じる可能性があるため、大豆イソフラボンの長期にわたっての摂りすぎは推奨されていません。大豆イソフラボンは天然由来の成分ですが、いくら摂取しても問題ないという考え方は正しくないからです。これは他の食品にもいえることで、特定の食成分を過剰摂取すると体に悪影響が生じる恐れがあります。

ただし豆腐や納豆、味噌などの大豆食品は長期間にわたって食されていますが、これらの食品から大豆イソフラボンを摂取したことにより、健康へ悪影響が生じた事例は現時点では確認されていません。むしろ大豆食品には多くの有益な成分が含まれているため、全く大豆食品を摂取しない場合と比較して、健康に良い影響を与えることが分かっています。健康を意識する場合は他の食品と組み合わせて、バランスの良い食事を心がけることをおすすめします。


大豆イソフラボンはサプリで補おう


本記事では、大豆イソフラボンが多く含まれている食品について解説してきました。大豆イソフラボンを摂取する場合は短期的に摂取するのではなく、毎日の食卓に取り入れてコツコツと摂取するようにしましょう。特に納豆や豆腐、きな粉などは含有量が多いほか、調理が比較的簡単なため、大豆イソフラボンを継続して摂取できます。

食事のなかでの摂取が難しい場合は、サプリメントなどを利用して補う方法も有効です。女性ホルモンと同様の効果が期待できる成分(ゲニステイン)を毎日摂取することで、更年期症状の改善や生活習慣病の予防を行いましょう


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