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大豆イソフラボンの摂りすぎはよくないって本当?摂取量の目安や上限についてわかりやすく解説

大豆イソフラボン


大豆イソフラボンを摂取することで、更年期症状の改善や、乳がん・骨粗しょう症のリスクを低下させるなど、うれしい働きが期待できます。積極的に摂取したいと考える一方で、「普段の食事で大豆イソフラボンを摂りすぎてしまうことはないのか」「摂りすぎることによるリスクはないのか」と不安に感じている方もいるでしょう。
そこで本記事では、大豆イソフラボンを摂りすぎることによるリスクや症状、安全な摂取量の目安などを解説します。食品に含まれる大豆イソフラボンの含有量についても紹介するため、参考にしてください。


大豆イソフラボンとは

大豆イソフラボンとは、大豆に多く含まれるフラボノイドの一種です。含有濃度は品種や栽培環境などにより異なりますが、通常は乾燥した子実に含まれている量は0.2~0.3%程度であるため、貴重な成分だといえます

なお、大豆イソフラボンの多くは糖が結合した形として存在しており、これらを総称して大豆イソフラボン配糖体と呼びます。

大豆イソフラボンの働きとは

 大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た化学構造をしていて、女性ホルモンであるエストロゲンと同じような性質を持っていることから、植物エストロゲンと呼ばれています。           

女性の生殖機能を支えるほか、骨や骨格筋、脳などほぼ全身の臓器・組織の代謝や機能をつかさどる役割を持つのがエストロゲンです。従って、女性ホルモン様作用のある大豆イソフラボンは、更年期症状の改善や乳がん・骨粗しょう症のリスクを低下させる働きが期待できます


大豆イソフラボンの摂りすぎは良くないって本当?

大豆イソフラボンは天然由来の成分ですが、過剰に摂取すると体に悪影響が生じる恐れがあります。大豆フラボンは豆腐や納豆、味噌などの大豆食品で摂取できるほか、特定保健用食品やサプリメントからも摂取できます。そのため、摂取量を意識しなければ摂りすぎになってしまうかもしれません。

もちろん、大豆イソフラボンを適度に摂取するぶんには健康面への良い効果が期待できます。ここからは摂取量の上限や、過剰摂取することによるリスクについて解説していきます。

大豆イソフラボンの1日の摂取量の上限は75mg

大豆イソフラボンの安全な摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして、1日あたり75mgです。「平成14年国民栄養調査に基づく大豆イソフラボン摂取量(試算)」によって、国民1人1日あたりの平均的な大豆イソフラボンの摂取量が、1日あたり64~76mgだと分かったことから決定されました。

ただし1日あたり75mgという数字は、あくまでも毎日欠かさず長期にわたって大豆イソフラボンを摂取する場合の平均値としての上限値です。大豆イソフラボンの摂取量が75mgを超えた場合でも、すぐに健康被害へ発展するものではありません。

サプリメントで服用する場合は1日30mgが上限

大豆イソフラボンを特定保健用食品やサプリメントから摂取する場合の上乗せ上限値は、1日あたり30mgです。ただし大豆イソフラボンの摂取をサプリメントに頼るよりも、大豆食品からバランスよく摂取するほうが理想的な食生活を目指せます。

日常的に大豆食品を摂取することを前提として、食事で大豆食品が摂れない場合にのみ、サプリメントで補うようにするとよいでしょう。また健康面が心配な場合は、かかりつけの医師にサプリメントを利用する目的や種類、摂取量などを事前に相談することをおすすめします。

過剰摂取すると子宮内膜増殖症につながる恐れがある

大豆イソフラボンを長期にわたって摂りすぎると、子宮内膜増殖症につながる恐れがあります。しかし、ここでいう長期とは「150mgの大豆イソフラボン錠剤を毎日5年間飲み続けた結果」のことを指しています

摂取目安量の上限値を超えない範囲で摂取する場合は、安全性上の問題はないと考えられているのです。過剰摂取すると有害事象の恐れが生じることは、他の食品成分でも同様のことがいえます。

妊婦や乳幼児の摂取は推奨されていない

妊婦(または妊娠の可能性がある女性)や乳幼児および小児が、日常的な食生活に上乗せしてサプリメントなどで大豆イソフラボンを摂取することは推奨されていません。食品安全委員会ではその理由として、「安全性上の量的な目安を科学的に判断できない」ことを挙げています。

ただし、妊婦や乳幼児および小児は「大豆イソフラボン自体を摂ってはいけない」ということではありません。天然由来の大豆食品から摂るぶんには問題ないため、安心してください。


大豆イソフラボンの1日の摂取量の目安は?


先にお伝えした通り、大豆イソフラボンの1日当たりの摂取目安量の上限値は、大豆イソフラボンアグリコンとして75mgとされています。なかには「普段の食事で、75mgを超えているかどうか分からない」という方もいるかもしれません。たとえば納豆1パック(およそ50g)あたりに含まれる大豆イソフラボンの量は36.75mgです。

大豆イソフラボンの含有量は食材によっても異なるため、次の項目で詳しく解説します。

大豆イソフラボンが含まれている食品

大豆イソフラボンが含まれている食品は以下の表の通りです。

食品名/検体数食品100gあたりの
大豆イソフラボンの
含有量
食品100gあたりの
大豆イソフラボンの
平均含有量
およそ1食分あたりの含有量
(目安)
大豆/11検体88.3~207.7mg140.4mg1食(およそ30g)あたり
50mg程度
きな粉/2検体211.1~321.4mg266.2mg大さじ1杯(およそ6g)あたり
16mg程度
豆腐/4検体17.1~24.3mg20.3mg1/2(およそ150g)あたり
30mg程度
おから/1検体10.5mg10.5mg大さじ2杯(およそ30g)あたり
3mg程度
油揚げ類/3検体28.8~53.4mg39.2mg1/2枚(およそ75g)あたり
30mg程度
納豆/2検体65.6~81.3mg73.5mg1パック(およそ50g)あたり
37mg程度
みそ/8検体12.8~81.4mg49.7mg大さじ1杯(およそ18g)あたり
9mg程度
醤油/8検体1.0~1.7mg0.9mg1かけ(およそ6g)あたり
0.054mg程度
豆乳/3検体7.6 ~59.4mg24.8mg1パック(およそ200g)あたり
49.6mg
※厚生科学研究「食品中の植物エストロゲンに関する調査研究(1998)」をもとに作成


同じ食品であっても原料大豆の種類や食品の製造方法によって含有量が異なります。上記の表の数値を目安として、大豆イソフラボンを食卓に取り入れるとよいでしょう。


更年期症状の緩和につながる大豆イソフラボンの摂取目安は?

厚生労働省の「平成14年国民栄養調査」によると、15歳以上の日本人の平均的な大豆イソフラボン摂取量は1日あたり18mgであるとわかっています。また、一つの目安ですが、実際に大豆イソフラボンを使った臨床試験で「更年期症状の緩和効果」が確認された1日あたりの量は、25mgを8週間にわたり摂取した場合です。    

そのため、更年期症状の緩和のために大豆イソフラボンを摂取したいと考える場合は、普段の食事に加えて、サプリメントからの摂取を検討するとよいでしょう。サプリメントにはさまざまな種類がありますが、更年期症状など女性特有の悩みをお持ちの方にはポリフェノール成分「ゲニステイン」が補えるものをおすすめします


大豆イソフラボンを食卓に取り入れよう


大豆イソフラボンの摂りすぎを心配する方もいるかもしれませんが、1日あたりの摂取上限の目安量の目安である75mgを長期にわたり、過度に超えないぶんには安全とされています。また15歳以上の日本人の平均的な大豆イソフラボン摂取量は1日あたり18mgであり、臨床試験で「更年期症状の緩和」が認められたのは25mgであることから、更年期症状に悩む方の多くは、さらに摂取が必要であることが懸念されます。

本来であれば、通常の食品でバランスよく大豆イソフラボンを摂取することが望ましいとされています。しかし「通常の食事では大豆イソフラボンの摂取が難しい」という場合もあるかもしれません。そのような場合は、サプリメントで補うように意識しましょう。


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