いつまでも輝く女性のために…今月の特集!

更年期と閉経

閉経とは月経がなくなることをいいます

閉経とは月経がなくなることをいいますが、閉経すると女性の体にはどんな変化があらわれるのでしょうか。閉経のことをお話しする前に、まずは月経についてお話ししましょう。
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、どちらも卵巣から分泌されています。しかし、卵巣が勝手に分泌しているわけではなく、脳からの指令によって分泌されています。
そのプロセスは少しだけ複雑です。まず、脳の視床下部というところから「女性ホルモンを出すように催促するホルモンを出しなさい」と下垂体を刺激するホルモンが分泌されます。それに下垂体が反応すると、卵巣に向けて「女性ホルモンを出しなさい」と促すホルモンを分泌されます。
そして、そのホルモンに卵巣が反応すると、卵巣の中で眠っている卵胞のひとつが成熟を始め、卵胞が成熟する過程で女性ホルモンであるエストロゲンが分泌されます。エストロゲンが十分に分泌されると、こんどはこれが刺激となって下垂体から黄体化ホルモンが分泌され、これに反応して成熟卵胞が破れ、中から卵子が排出されます。これが排卵です。
排卵後は残った卵胞は黄体という組織に変わり、そこからエストロゲンとプロゲステロンが分泌されます。子宮内膜はエストロゲンによって厚くなり、プロゲステロンによって質的に変化し、受精卵の着床に備えます。しかし、妊娠が成立しないと、子宮内膜は子宮の壁からはがれ落ち、血液とともに体の外に排出されます。これが月経です。
そして、こんどはエストロゲンとプロゲステロンが視床下部や下垂体に対して、それぞれが出すホルモンの分泌を調整するようにはたらきかけます。このように女性ホルモンが足りないときは「出しなさい」と促し、女性ホルモンが一定量分泌されたら「もう出さなくていいよ」と調整しようとするはたらきを「フィードバック機構」といいます。脳の視床下部―下垂体―卵巣はお互いに影響し合いながら、それぞれが分泌するホルモン量を調整しています。そして、そうした連携のなかで排卵や月経が起こり、卵巣から女性ホルモンが分泌されるのです。

40代後半から急激に卵胞の数が減りはじめます

思春期から性成熟期の間は、この連携が正しく行われるので、女性ホルモンは順調に分泌されますが、更年期を迎えると急激に減少しはじめます。それは、40代になると卵巣の中にある卵胞の数が急激に減少するからです。女性は生まれたときに卵巣に約200万個の卵胞を蓄えていますが、思春期までに10分の1から40分の1に自然に減り、その後も月経周期ごとに多くの卵胞が自然に消滅します。そして、40歳を迎える頃には急激に卵胞の数が少なくなり、卵胞自体も老化するため妊娠しにくくなります。50歳頃には卵胞がほとんどなくなり、やがて月経がなくなります。これが閉経です。

閉経後は女性ホルモンがほとんど分泌されなくなります

卵胞を成熟させ排卵にいたる過程で女性ホルモンは分泌されますから、卵胞がなくなるということは、女性ホルモンが分泌されなくなるということを意味します。
ところが、卵胞が減り、卵巣がエストロゲンを十分に分泌できなくなっても、脳の視床下部はいままで通りエストロゲンを分泌するように下垂体に指令を出し続けます。しかし、どんなに指令を出してもエストロゲンが分泌されてこないため、「どうして分泌しないんだ!?」と脳の視床下部は非常に混乱します。
脳の視床下部は女性ホルモンの分泌に関わるだけでなく、自律神経もコントロールしていますので、ここが混乱すると、一時的に自律神経失調症のようになり、体のあちこちに不調があらわれはじめます。
自律神経は、呼吸や代謝、血圧、発汗、消化など生命維持の根幹を支える機能をコントロールしている神経で、文字通り自律していますから、自分の意思でコントロールすることはできません。そのため、エストロゲンが急激に減少すると、動悸、のぼせ、発汗、頭痛、肩こりなどの不快な症状があらわれやすくなります。症状はひとつとは限らず、複数の症状が重なることも珍しくありません。
また、人によっては、気分がふさいだり、不安になったり、意欲が低下したりするなど、強い精神症状に悩まされることもあります。この時期の女性は、家事や子育て、仕事の人間関係、親の介護、家族や自分自身の病気など、女性を取り巻く環境や人間関係が変化し、大きなストレスを抱えやすい年代です。こうした心理的な負担も症状を強くする一因と考えられます。
つまり、更年期を迎えたときに感じる、これまでとは異なる心身の不調は、卵巣機能の低下による自律神経失調症であり、その背景には閉経にいたる過程、卵胞の減少にともなうエストロゲンの急激な減少があるのです。

閉経後は女性ホルモンの恩恵が受けられなくなります

女性ホルモンは女性の体にどのように作用しているのでしょうか。女性のライフサイクルの「小児期」(0~8歳)の段階では、エストロゲンの分泌はまだ始まっていません。しかし、卵巣の中では少しずつ分泌する準備が始まっています。「思春期」(8~18歳)を迎えると、エストロゲンの分泌が始まり、体が少しずつ丸みをおびて、女性らしく変わっていきます。そして、エストロゲンが十分な量に達すると月経が始まり、18歳くらいには、排卵周期のリズムがほぼ順調になります。「性成熟期」(18~45歳)は排卵周期が安定し、エストロゲンが順調に分泌量されて、20~30代に出産の適齢期を迎えます。そして「更年期」(45~55歳)には卵巣のはたらきが衰え始めて卵胞の数が急激に減り、それにともなってエストロゲンの分泌量も減少します。排卵周期が不順になり、やがて閉経を迎えます。「老年期」(55歳~)にはエストロゲンの分泌が完全に終わり、子宮や卵巣も萎縮して小さくなっていきます。女性の平均寿命は86歳といわれていますから、およそ30年に及ぶ老年期をエストロゲンの恩恵のない状態で過ごさなければなりません。
このように、ふだん意識することはありませんが、エストロゲンは女性の人生に深くかかわっているのです。

閉経するとこれまで縁遠かった病気になりやすくなります

閉経後、女性ホルモンが分泌されなくなると、体にはどのような変化があらわれるのでしょうか。女性ホルモンの恩恵が受けられなくなる更年期以降は、骨粗しょう症や動脈硬化など、それまで女性には縁遠かったような病気にかかりやすくなります。
いまのうちは暴飲暴食をしたり、睡眠が多少不規則だったり、運動不足だったりしても、多少の無理はきいてしまいます。しかし、そのつけは確実に老年期に回ってきます。健康であるかないかは、生活の質に影響を与えます。更年期は老年期も見据えながら、不調をやわらげるための生活習慣の改善やセルフケアを実践して、健康を保てるように心がけていきましょう。

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