更年期には目の健康も意識しましょう

老眼用の眼鏡
暮らし

更年期は目も変化しやすい時期

 更年期(おおむね45~55歳)に目の疲れや不調を訴える人は少なくありません。この時期に老眼になることも、目が疲れやすくなる原因のひとつと考えられます。
目は、カメラのレンズのような役割を果たす水晶体の厚さを調整することでピントを合わせていますが、この調節を担うのは毛様体筋という筋肉です。遠くを見るときは、毛様体筋をゆるめ水晶体を薄くし、近くを見るときはギュッと緊張して水晶体を厚くします。
疲れたときに遠くを見るといい、というのは、この毛様体筋をゆるめる動きをさせるためのものです。

更年期は加齢とエストロゲンの減少の影響で、焦点を合わせる水晶体のコラーゲンが減少します。その結果、硬くなった水晶体を動かすために毛様体筋が酷使された状態となるので、目が疲れたと感じやすくなります。

ドライアイも更年期に訴えの多い症状のひとつ

ドライアイとは、涙の量が不足したり涙の質が変化したりして、目全体をまんべんなく潤す力が低下し、目の表面が荒れてしまう状態をいいます。
涙の量は加齢によっても減少しますが、女性ホルモンのエストロゲンには身体の潤いを保つ働きがあるため、エストロゲンが減少することも、目の潤いや涙不足を招くと考えられています。

また、更年期は女性を取り巻く環境が大きく変化しやすい時期です。子どもの進学や巣立ち、家族や自分の病気や老い、親の介護、家族や友人との死別、仕事の移動や退職、老後の資金繰りなど、不安やストレスを抱えやすくなります。

涙は自律神経の副交感神経がコントロールしていますので、不安やストレスで交感神経が優位になると涙が出にくくなり、涙の量も減少してしまいます。
こうしたことに加えて、長時間のパソコン作業や、スマートフォン画面の凝視、空調による乾燥、睡眠不足も、ドライアイに影響があるといわれています。

免疫力の低下が、目の炎症につながることも

更年期は、加齢によって抗酸化力や免疫力も低下する時期です。また、女性ホルモンの減少の影響で、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりすると、良質な睡眠が得にくくなり、いわゆるものもらいなどの炎症が起こりやすくなる人がいます。

目に炎症が起きた場合は、すぐに眼科を受診しましょう。目の違和感の背後には、シェーグレン症候群や緑内障、関節リウマチ、糖尿病などの病気がかくれていることがあります。そうした病気がないかどうかを確認することも大切です。

セルフケアと生活の工夫で目の負担を減らしましょう

目の健康を守るためのセルフケアとしては、以下のものがあります。

(1)まばたきの回数を増やして目の表面を潤いで満たす
(2)目を酷使する作業を控える
(3)作業間に目を休ませる
(4)部屋の湿度が下がり過ぎないようにする
(5)用法容量を守って目薬をさす

仕事の休み時間や作業の合間に、リラックスしようとスマートフォンを操作する人は多いかもしれませんが、目にとっては逆効果となっているため注意は必要です。

(6)じんわり温か、ホットタオル&マッサージ

目を閉じた状態でホットタオルなどを乗せて温めると目の周りの血流が良くなり、目の疲れがやわらぎます(ホットタオルは濡らして固く絞ったタオルを600Wの電子レンジで30秒ほど加熱すると簡単に作れます。やけどに注意しましょう)。その後、目の周りの骨のふちを押して、気持ち良いと感じる場所を指の腹で優しく押しましょう。

目の周りのツボ

(7)食べ物
ビタミンAやビタミンB群、ビタミンCを含む緑黄色野菜は、目の疲れをやわらげてくれます。アントシアニンを含むブルーベリーの摂取もおすすめです。

更年期の不調のつらさは、本当に身にこたえます。さまざまな不調が次々にあらわれて、このまま自分はどうなってしまうのだろうと不安に感じることがあるかもしれません。しかし、更年期の不調のピークは2~3年ほどといわれています。焦らず無理せず落ち込まず、できるだけ自分を甘やかしながら、この時期をやり過ごすことも大切です。