気分の浮き沈みに翻弄される日々。私を救ってくれたものは?【ワタシの更年期体験】

不安・気分の落ち込み・うつ

そら(63歳)

理由もなく気分がすぐれない…。そんな状態に気づいたのは43歳のときです。もう20年も前のことで、今では「あの頃の私とは別人か?」と思うほど、精神状態は安定しています。水泳、アロマテラピー、ヨガ、サウナ、漢方薬など、自分にいいと思うことは何でも試しているうちに、気づけば更年期を乗り切っていた私。当時を振り返ってみます。



この気分の落ち込み、ストレスがたまっているせい?

朝、目覚めると、気分が重くてどんより。何もする気が起こらないので、朝ごはんも適当に済ませるような日が続いていました。それまでは、朝6時ぐらいからフルスロットルで活動していたので、おかしいとは感じましたが、忙しくてストレスがたまっているせいだろうと思い、不調が更年期によるものだとは気づいていませんでした。

特に寒い時期は体も重く、エイヤーっと気力を振り絞るようにしなければ起き上がれない日も。仕事中にボーッとして人の話が入ってこなかったり、食事会で場を盛り上げたかと思えば、帰宅してからドッと疲れているなんていうこともあったり。気分は乱高下している感じでした。 周囲に気づかれるほどではないと思っていたのですが、親しい人から「いつもの元気ハツラツとした感じがないわね」と心配されたこともあります。



気分を落ち着かせるため自律神経を整える

当時はフィットネスクラブに通っていたので、時間を見つけてはプールで泳いだり、ヨガやダンスのクラスを受けたりして、ストレス発散していました。特にリラックスできたのが「自律訓練法」というプログラムで、要は深い呼吸で自律神経を整えていくというもの。インストラクターの先生の声も耳に心地よく、特に沈みがちな日には、すがるような気持ちで通っていたことを思い出します。

ほかにも、アロマテラピーやサウナなど、気分が落ち着きそうなことは何でも試し、ふと気づけば、やたらと趣味の多い人になっていました。

ちょうどその頃に引越しも重なり、疲労はピークに。私は一人暮らしなので、家族の世話をする必要もなく自由気ままなのですが、つまり頼れるのは自分だけということ。もし、これ以上、やる気がズンと落ちるようなことがあれば、食事をすることも、出かけることも、何もできなくなると気づき、ゾッとしたことを覚えています。



漢方薬がいざというときの心のお守りに

そんなときに出合ったのが、漢方薬です。私はコンタクトレンズを使用しているので、数カ月に一度は眼科へ行き、また花粉症の時期には眼薬を処方してもらっています。あるとき、その眼科の隣に新しい処方箋薬局ができていて、なかには漢方薬がズラリ。眼薬の処方箋を持って行くと、私より少し年配の薬剤師さんがいらっしゃいました。

雑談しているうちに体調の話になり、「気分がすぐれないことが多い」と言うと、ご自身も同じような経験があったということで、とても親身になってくださったのです。

すぐに同じビルにあるクリニックを紹介され、処方されたのが更年期の不安やイライラに効用があるという2種類の漢方薬でした。そのときは問診だけだったので、はっきりと更年期と診断されたわけではありませんが、「この年代の女性によくある症状かもしれませんね」ということでした。

持ち帰った漢方薬を飲んでみると、確かに気分が落ち着くような気がして、それからは常備しておくことに。調子がいいときは飲まないこともあったのですが、「いざというときには、これがある」と思うだけでホッとできたものです。



更年期には必ず終わりがある。希望をもって乗り切る!

調子のいい時期と良くない時期を繰り返しながら、約10年後の53歳で閉経。気づけば、漢方薬は必要なくなっていました。

実は、この体験記のお話をいただくまで、あの頃の切実さはすっかり忘れていました。いつ更年期が終わったのかも意識したことがなかったのですから、本当にあっさりとしたものです。

改めて振り返ってみると、ただジタバタしていただけという感じですが、漢方薬をはじめ、ストレス発散に躍起になっていたことも、すべてがつらい時期の私を救ってくれたと思います。ちなみに、後で知ったことですが、女性ホルモンの減少は自律神経にも何らかの影響を与えるようで、いろいろなリラックス法も、まんざら的外れではなかったようでした。

そして、一番心の支えになっていたのは「更年期は必ず終わる」ということ。「更年期」とは、女性としての体が変わる時期なのですから、その長さに多少の個人差はあるにしろ、今の状態が永遠に続くわけではありません。そう思うと、先に希望の光が見えてきて、乗り切れたのだと思います。



そら(63歳)
単身。フリーランスで仕事を続けて30年。40代半ばで更年期が始まるが、当時は仕事に趣味に友だち付き合いにと賑やかだった頃。いろいろなことに紛れて、気分の浮き沈み以外で悩まされたのは肩こりぐらい。現在は眼&歯の老化とお付き合い中。
<ワタシのセルフケア>先のことはあれこれ考えず、目の前のことを一つずつ片付ける。音楽や観劇など好きなことに時間とお金を使う。


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