更年期を上手に乗り越えるために、大切な基本の「き」

更年期症状に悩む女性
セルフケア

更年期を正しく理解する

更年期の女性は、職場や家族、地域や友人のことなど、様々な場面で必要とされて忙しい反面、不調を感じて体や気持ちが追いつかないことも多いのではないでしょうか?

女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少すると、その影響を受けて自律神経のバランスが乱れることで、体や心に様々な不調があらわれます。

自律神経はその名の通り自律していますので、自分でコントロールすることはできません。

更年期症状そのものがとてもつらいことに加え、やることはたくさんあるのに、疲労感や動悸、めまい、頭痛など、次から次へと症状が出てきて思うようにならず、また、その症状が多忙な生活のリズムを変えてしまうために、自信をなくしたり不安を感じたりしてしまいがちです。

特に、これまで仕事や家事をテキパキとこなしてきた方ほど、更年期症状の影響で思うように仕事がはかどらず、そのギャップや罪悪感で自分を責めてしまう事が多いとされます。

不調はあなたのせいではなく、大きな変化を迎えている体からのSOSです。

症状がつらいときは、心身からの「休んで」というメッセージと受け取り、無理をしないことが大切です。

大切なのは「肯定」と「安定」

程度の差こそあれ、更年期症状は女性が年齢と共に経験する自然な変化です。
つらいときは、外食やスーパーのお惣菜が続いても、家が散らかっていてもOK。
手を抜けるところは上手に抜いて、「今は更年期だから、こういう私もあり!」と自分を全肯定して割り切ることが必要です。

「話す」ことは「(手)放す」こと

仕事をしている方の中には、職場に行くだけでヘトヘトになってしまう、集中力が続かずミスが増えた、仕事を続けたいがこの先続けていけるのか不安、といった悩みを抱えている方もいます。

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更年期の不調を明るく乗り越えた方のお話を伺うと、気の許せる同年代の女友達、職場や趣味の仲間で年齢的に年上の女性、姉妹、母親など、周囲に気軽に相談できる環境をもっている方が多いようです。「話す」ことでストレスを上手に「手放して」いるのです。

もし、近くに相談できる人がいないという場合は、専門家のカウンセリングを受けることも検討してみてください。

更年期に理解の深い婦人科の中には、カウンセリングを重視した治療を行っているところもあります。医師との会話を通じて問題を客観的に捉えなおし、気持ちを整理する手助けになります。

相談する女性

食事、運動、睡眠が自律神経のバランスを安定させる

偏った食事、運動不足、睡眠不足は、自律神経の乱れに拍車をかけてしまいます。

更年期症状の不調をやわらげて、家事や仕事と折り合いをつけていくためには、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠といった生活習慣の見直しも大切です。

どこにでも書かれているようなこと、と思いがちですが、試しに就寝時間を1時間早くする、などできることから始めてみてください。違いを感じるはずです。

★食事
タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルの5大栄養素に加え、ファイトケミカル(植物栄養素)が今注目されています。

ファイトケミカルのひとつにポリフェノールがあります。高い抗酸化作用があり、体の錆びつきを防いで疲労をやわらげる働きがあります。緑茶のカテキンやレモンのビタミンC、ぶどうのプロアントシアニジンなどが有名です。

更年期に摂りたい成分;ぶどう種子ポリフェノール

★運動
適度な運動には、更年期の不調をやわらげる効果があります。衰えがちな柔軟性、筋力、体力をキープし、ストレスの解消にも一役買います。ストレッチや筋力トレーニング、ウォーキングなど、それぞれ負荷の軽いものからはじめて、無理のない範囲で積極的に取り組んでいきましょう。

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★睡眠
睡眠は、更年期に悩ましくなるもののひとつです。ほてりやのぼせ、冷え、肌のかゆみなどの症状のために、良質な睡眠が得られにくいと訴える方は少なくありません。

寝室の温度や湿度は自分が快適な温度に調節し(目安としては16~26℃といわれています )、寝具を好きな肌触りのものにしたり、好きな香りを香らせたりして、快適に眠る工夫をしてみましょう。
眠る前にベッドの上でゆったりと深呼吸をしたり、自律神経のバランスを整える自律訓練法をしたりするのもおすすめです。

●自律訓練法
自律訓練法とは、自分の体を意識しながら心を落ち着けていくリラックス法です。座った姿勢や横になった姿勢、立った姿勢でもできます。

(1)ラクな姿勢になってゆっくりと呼吸をする。
(2)目を閉じて、右手・左手・右足・左足の順に、それぞれが「重たい」と感じていく。
(3)右手・左手・右足・左足の順に、それぞれの「温かさ」を感じていく。 
(4) 両手を強く握りしめたらパッと開く動作を3回ほど繰り返し、深呼吸をしながら目を開ける。
※就寝前に行う場合は(4)をしないで、そのまま眠りにつく。

という手順で行います。

更年期に家事や仕事が捗らなかったり、家族や友人や周囲との人間関係がうまくいかなくなったりすることに対して、自分自身を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、それは正しくありません。
更年期に不調が起こるのも、その不調に振り回されがちになってしまうのも、あなたのせいではないからです。

むしろ、まずは自分が一番自分のことを労わってあげてください。自分の状態をきちんと理解し、今の自分を肯定しましょう。それこそが、更年期を上手に乗り越える第一歩となります。