今までのメイクが合わない?50代の悩みを解決するポイントメイク術
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セルフケア

更年期世代のお悩みを、読者代表のヴィーナスが専門家に相談して解決する『お悩み解決隊』。今回は48歳のユミコが、更年期のポイントメイクのアップデートについて、ヘアメイク職人の化け子さんに相談しました。老け見えの原因となるNGメイクから、今すぐ見直したいアイテム、テクニック…。鏡を見るのが楽しくなるようなインタビューになりました。
今までのメイクだと老け見えする!?50代で変えたいポイントメイク
ユミコ 化け子さん、最近、今までと同じメイクをしているのに、なんだか急に老けて見える気がして…。一体、何が原因なのでしょうか?
化け子さん(以下、化け子) ユミコさん、メイクが自分に合わないと感じる一番の原因は、美しかった若き日、昭和時代のメイクからアップデートできていないことです。昔のメイクは、確かにその当時は素敵だったかもしれません。でも、年齢を経た今の顔立ちには合わない場合が多いのです。
また、年齢を重ねると、お肌のコラーゲンやエラスチンが少なくなってハリがなくなり、重力によってたるみも起きます。この変化に気付かずに、若い頃と同じ色、同じテクニックでメイクし続けると、かえって残念な印象になってしまうことがあるのです。若い女性の美容情報を参考にするのも大事ですが、加齢による違いも考慮に入れないとうまくいきません。
そんなユミコさんに、特に気を付けてほしいNGメイクがいくつかあるのでご紹介しますね。
【老け見えを加速させるポイントメイクのNG例】
●目もと:眉尻の下に白いハイライトやパールがギラギラしたアイカラーを乗せる方法は、昔ながらの古い塗り方です。これだと、陰影がはっきりしすぎて、たるんだ目元やシワを目立たせてしまうおそれがあります。またアイラインの目尻の跳ね上げも、目尻のたるみを強調してしまいます。
●眉:眉と眉との間の幅が狭く、しっかり眉頭から描かれた眉は、いつの間にか刻まれた眉間のシワが強調されて、老け顔へまっしぐら!ノーズシャドウを入れると、さらに老け顔を強調させる結果となってしまいます。
●チーク:歳をとって顔に出てきた陰影に気付かず、頬の高い位置にチークを入れてしまうと、さらに陰影を強調させてしまうことがあります。
●口もと:鮮やかなリップペンシルを使った過度なオーバーリップは、コントラストが強すぎて、たるんだ口元や肌くすみを強調させてしまいます。
ユミコ お話に上がったNGメイク、私もやってしまっている気がします。年齢に合わせたメイクを考えないと、キレイになるどころか逆効果なんですね!
化け子 そうなんです。とにかく年齢に抗わないことが大切です。まずは老化を受け入れ、今の自分の顔を鏡で観察してください。「今までのメイク法だと、何かが違う」と感じることがスタートライン。時には思い切って今までのルーティンをやめてみる勇気も必要ですよ。
今回はメイクにフォーカスしてお話ししていますが、スキンケアやヘアスタイルにも意識を向け、総合的にキレイを追求することも若見えの有効な手段の一つなんですよ。

若見えを叶えたい!パーツ別ポイントメイクの極意
ユミコ では、具体的にどんなアイテムを使って、どうメイクをしたら若々しく見えるのでしょうか?
化け子 分かりました。では各パーツごとのポイントメイク法についてお教えしますね。
【目もと】
●アイシャドウ
肌くすみが出てくると、「今まで似合っていた色が馴染みすぎて色が出ない」といった現象が出てくる場合があります。そんなときは、“好きな色なのに、今まで似合わなかった”アイカラーを試してみましょう!
おすすめの色はパステル系や優しいくすみ系で、ベージュなどをアイホールに使用してくすみを払います。一度で色を出そうとせず、少しずつ重ねてしっかり定着させるようにアイシャドウを入れると崩れにくくなりますよ。ちなみにアイシャドウの色の仕上がりがイマイチなら、アイシャドウ下地を積極的に使ってみてください。
また、たるみやシワが気になる方は、たるんだ瞼が悪目立ちしてしまうので、パールが強いアイシャドウを使わないようにすると良いでしょう。
★避けたい色
・パールが強いアイカラー(シワやタルミが強調される可能性あり)
・グレージュ系のブラウンカラー(くすみに同化する可能性あり)
★困ったら使ってみてほしい色
・べースにオレンジやピンクのパステルカラー(目元のくすみを払って明るくしてくれます。くぼみ目さんにもおすすめ)
・キレイめを目指すならバーガンディ寄りの赤みカラー
・“なす紺(茄子のように濃く深い紫)”や赤みのあるこげ茶は「締め色」になり、くすんだ目元をはっきりさせてくれます。
●アイライン
アイライナーは、黒を使わず、ブラウンやピンクブラウンなどを使って抜け感を出すといいですよ。目尻にアイラインを引きにくいと感じるのは、皮膚がたるんでいるから。その場合、目尻のラインは無理に引かず、ブラシや綿棒でぼかすのがおすすめです。目の形が自然なカーブを描くように、鏡でチェックしながらラインを足していきましょう。目頭側を太めに入れてもOK。
●マスカラ
まつ毛は“たるみ目”を引き上げる最強アイテムなので、ぜひ大事にしてください。とはいえ、年齢とともにまつ毛は細くなりますし、ターンオーバーの関係で抜け毛がひどくなり、一時的にまつ毛が少なくなってしまうこともあります。そのため、40代以降からはまつ毛美容液を使うとベター。
“たるみ目”を引き上げるためには根元をしっかりあげてカールをキープするマスカラが重要。
どうしてもまつ毛が下がってくる方、ビューラーやマスカラが苦手な方は、まつ毛パーマをしてみてはいかがでしょう。それだけで、アイメイクに自信が持てるようになるかもしれません!

カールキープ力の強いマスカラを使って、印象的な目元に。
【眉】
描き方の極意は、なりたい眉に対して、自分の眉が足りないところから描き始めること。
そして、眉メイクで一番重要なことは眉頭をぼかすこと!これだけでナチュラルで洗練された印象になります。
なお、眉の色は髪と揃えなくて大丈夫。というのは、黒髪だからといって黒眉にすると、左右非対称になった眉や、眉間のシワなどのアラも目立ってしまうからなんです。黒髪の方なら、アッシュブラウンやグレージュな色味の眉にしても良いと思います。
今の時代、眉マスカラは必須アイテム。眉マスカラを使うとトレンド感が出せますし、眉毛に出てきた白髪にも対応できるので、まさにいいことづくめです!眉メイクが苦手な方は、無理に描こうとせず、「なんとなく描いてみた」程度にアイブロウで色を足して、眉マスカラで仕上げるのもおすすめです。

眉山は黒目の外側に、眉尻は小鼻から目尻に伸ばした線の延長線上に定めましょう。


自分のなりたい眉を足して、眉頭はぼかしましょう。眉マスカラで色味を足したら柔らかな印象の眉に。
【頬】
チークは、ほのかなツヤと血色感が出るものを選びましょう。キレイな青み系のピンクなどがおすすめです。もう歳だからとブラウン系やオレンジベージュ系の色を選んでしまうと、肝斑(かんぱん・紫外線やホルモンバランスの乱れなどが原因でできてしまうシミ)やそばかすが目立ちやすくなってしまいます。
まずは陰影がはっきりしてきた今の顔を、鏡でしっかり観察してみましょう。ゴルゴライン(目頭の下から頬にかけて斜めに伸びる溝のような部分のこと)や目の下の“たるみクマ”などが出てきているなら、顔のお肉が重力で下がり、凹みが出ているサイン。凹みのとなりには必ず出っ張っている部分(凸の部分)があるので、凹凸のコントラストを解消できるよう、凹んでいる部分を中心にふわっと優しくあいまいにチークを入れていきます。以下、顔の特徴別にチークの入れ方を解説しますね。
●顔の特徴別チークの入れ方
・頬高さん …頬骨の位置が高い頬高さんの場合、青の部分にチークを入れるとさらに頬高が目立ってしまいます。この部分は避けて、赤丸の部分を中心にしながらふわっと入れると、ふっくらハリが出て可愛い感じになります。ブラシを下から持ち、ぽんぽんと赤丸から周囲に広げるように乗せてみてください。

青い部分にチークを入れると高いところを余計目立たせてしまうのでチークは乗せないこと。
もし「可愛く」ではなく「かっこよく」クールにチークを入れたい場合は、上の写真の青い斜線部分には絶対乗せないようにし、赤い部分から外側に広げるようにチークを乗せてください。
・まんまるほっぺさん …頬の中心が高くて肉付きがいい感じでまんまるのほっぺが気になる場合、頬の一番高い位置(青丸部分)にチークを入れなければOK。赤い楕円のマークを参考に、頬の側面から頬に向けて、斜めに入れると良いですよ。ゴルゴラインが気になる場合は、写真の中の小さな赤丸の部分に、少しつやをプラスしてみてください。

頬の一番高い位置(青や白い部分)にチークを入れてしまうと、より一層まんまるほっぺが強調されてしまうので、チークは側面(赤い部分)に入れましょう。
・やせ型で細長顔さん …こめかみの薄さが気になり、げっそりして見えるのが嫌な場合は、鼻の横あたりに横長の楕円形にチークを入れましょう(赤い部分)。こめかみや髪の生え際(青い部分)にチークを入れてしまうと、シェーディング効果が生まれやすいため、顔の脇にはチークを入れないでください。

チークは赤い部分に入れ、青い部分はチークを塗らずに余白として残します。
【リップ】
リップペンシルでぼやけた輪郭を改善するなら、鮮やかな色よりベージュトーンのペンシルがおすすめです。鮮やかな色のリップペンシルで輪郭をとると、口元のゆるみとのコントラストが強すぎて、ただの厚化粧という印象になりがち。輪郭を少しべージュトーンで広げてから、内側に好みで鮮やかな色のリップを使うと良いでしょう。
なお、唇の色がくすんでいたり、本来のリップの色が発色しなくて悩んでいる方は、マットなリップが発色しやすくておすすめです。もし乾燥が気になったり、質感が好みではない場合はグロスなどを足してみて。

上唇が痩せて見えるのが気になる方は、唇の山の部分を消すようにベージュトーンのリップペンシルでオーバーリップし、山の部分をグロスで艶を出すと、なんとなくふっくら感が出せて、ナチュラルで優しい印象に。
メイクのノリを良くする!化け子直伝の日常ケアとメイクテク
ユミコ 化け子さんのアドバイス、とても分かりやすいです。そんな化け子さんご自身は、どんな意識で日々を過ごされているのでしょう。
化け子 ユミコさん、私自身にまで興味を持ってくださってありがとう。では私が日々気を付けていることについて、お話ししますと…。
●スキンケア
摩擦レス推奨ゆえマッサージはしていませんが、スキンケアの時、「私の肌は絹豆腐」と思いながら、じっくりゆっくり時間をかけて、自分の肌を優しく扱うようにしています。肌を柔らかくするためのローションパック(佐伯チズ先生のメソッド)もおすすめです。

佐伯チズ先生のローションパック法は、水で濡らして軽く絞ったコットンに化粧水をなじませて使います。そのコットンを横に伸ばしながら、目や口にかぶらないようにして、顔にまんべんなく貼って、しばらく置きます。
●入浴法
お風呂時間は好きですが、特に気にしていることはありません。
●睡眠
睡眠時間は特に決めていません。ただ、睡眠前に瞑想するとスッと眠れて、何より目覚めが良いのでおすすめです。私は20分かけて瞑想していますが、ほんの1分でも大丈夫です。
●運動
ずっと朝のルーティンとして運動をしてきましたが、今はやめて、むしろ体を緩めるようにしています。日々、散歩で自然の風や空、木々に触れる時間も大事にしています。世間の常識にとらわれず、自分にとって今必要だと思うことを、自分の選択で実践することが私にとっては大事なこと。だから、運動したいときに運動するというのが今の私のスタンスです。肌も体も心もつながっているからこそ、自分自身をしっかり見つめ、人生を味わうようにしています。
●栄養素
肌のハリに直結するタンパク質を摂ること。甘いものの食べすぎはくすみの原因になるという実感もあるのでほどほどに。
●メイクツール
アイシャドウに付属しているチップはあくまでもおまけのものが多いので、ぜひメイクブラシを使ってみてください。仕上がりがアップグレードします。
●お直しテクニック
目の周りの乾燥を感じたときはスティックタイプのバームがおすすめ。トントンと軽くのせても乾燥が和らぎますし、ファンデーションのよれなどにも使えるアイテムです。また、お直しの際には綿棒がとても役立つので、常にポーチに入れておいてください。

メイクをアップデートして、輝く未来の自分へ
ユミコ 化け子さん、更年期の今、ポイントメイクを見直すと、10年後の自分も変わるでしょうか?
化け子 変わると思います。更年期からのポイントメイクは観察が必須。“今”の自分を受け入れながら、前向きにメイクの方法をアップデートしていく作業は、ご自身の生き方にもつながっていきます。
見た目に老いを感じると、寂しい気持ちになったり、残念な気持ちになったりするかもしれません。でも、「そんな気持ちになるのは当たり前」と捉えて、その気持ちに寄り添い、常に自分の味方でいてあげましょう。
何かをあきらめるのではなく、「この先の自分を味わっていくためのツール」としてメイクを楽しんでください。そして、「今の自分が最高に好き」を、常に更新し続けていくんです。自然に老いていく自分を大切に生きる、そのあり方こそが美しい…。そう思うと、私自身もワクワクするんですよ。
ユミコ 本当にそうですね。常に今の自分を好きでいるため、自分に合うメイクを見つけ続けていく…。化け子さんのその考え方、とっても素敵です。これからの自分探しが楽しみになってきました。
化け子 たくさんの方をメイクしてきた私が今、声を大にして言いたいことは、「年齢に関係なく、可愛くない女なんて誰一人いない」ということです。メイクを試行錯誤していくなかで、自分の心が笑顔になった瞬間を見逃さないでください。あなたの笑顔があなたのメイクの正解なのです。
ユミコ 分かりました!私自身が笑顔でいられるメイクを、過去に縛られずに模索していきたいと思います。化け子さん、今日は本当にありがとうございました。
<この記事を監修いただいた先生>

化け子さん
ヘアメイク職人
▼詳しいプロフィールを見る

ユミコ
48歳。夫との2人暮らし。自営業をしながら、自分時間も楽しんでいる。2年半前から足のしびれや股関節の痛み、胃の不調を感じている。生理周期が短くなった影響で貧血や立ちくらみの症状があるほか、動悸や汗も頻発。冷え性もひどくなってきている。





