フェムケアオイルでデリケートゾーンの乾燥をケア【ワタシの更年期体験談】
花子(54歳)
40代半ば、ホットフラッシュが1日数回起こるようになり、数年後には膣の乾燥も気になるようになりました。そんなとき、世間でフェムテック*ブームが到来。おかげで情報が得やすくなり、いろいろな製品を試しています。
※フェムテック:FemTech。Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語。女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービスを指す。
閉経前にカサカサ、チクチクが顕著に
更年期症状が現れ、膣の乾燥が気になり始めたのは、40代後半でした。下着が当たってカサカサする、チクチクするといった違和感を覚えるようになったのです。
実は41歳のとき、子宮頸がんの手術を受けました。医師の話では、再発しないよう患部をしっかりと切除したこともあり、粘膜が薄くなり乾燥しやすくなるとのこと。幸い、手術後しばらくは気にならなかったのですが、40代半ばを過ぎ、更年期といわれる時期にさしかかると、ホットフラッシュとともに膣の乾燥が進み、膣内の状態も気になるようになりました。医師から「膣内が乾燥すると、抵抗力がなくなり雑菌が増える」と聞いていた通り、おりものが増え、かゆみが出ることもしょっちゅう。不快を感じることが多くなりました。
使い心地抜群! オーガニックコスメでセルフケア
膣まわりにかゆみを感じたときは市販薬を使っていましたが、粘膜に近い部分への塗布はやや抵抗がありました。というのも、粘膜は皮膚よりも吸収力が高いため、薬品が体内に入ってしまうのでは、と不安があったからです。
ほかにいい方法がないかなと思っていたところ、世間で“フェムテックブーム”が起こり、膣まわり専用のさまざまな製品が登場しました。そこでまずは、中高年女性向けのオンラインマガジンで紹介されていた、イタリアのオーガニックコスメブランドのデリケートゾーン用ソープを使用。刺激がなく、オーガニックということもあり、安心して使うことができました。
続いて試した、同ブランドのデリケートゾーン用クリームも大当たりでした。少し塗るだけで炎症やかゆみがおさまる上に、ネロリの香りも爽やか。膣だけでなく、あせもや湿疹、かゆみを帯びた吹き出物にも使うほど気に入っています。また、この頃、布ナプキンをコットンやリネン素材から、シルク製の雑貨を扱う知人の薦めで、保湿効果があるといわれるシルク製に変えました。
お風呂上がりに優先すべきは顔より膣ケア
今、一番、効果を実感しているのは、お風呂上がりにデリケートゾーン用のオイルを塗ることです。フェムテック啓蒙の第一人者ともいわれる先生曰く「入浴後、一番にケアすべきは、顔より膣」なのだとか。なぜなら、膣には肌のバリアとなる角質層がないため、顔よりも乾燥しやすいからだそうです。
これまで愛用したのは、友人が手作りした100%天然由来成分のカレンデュラオイル*とナチュラルコスメショップで購入したフェムケアオイルです。いずれも、塗り始めて数日ほどでカサカサした感覚がおさまり、その効果に驚きました。
残念なのは、膣の内部までケアができる製品をあまり見かけないこと。フェムケアオイルのメーカーに問い合わせても、同社製オイルを使っての膣内ケアは推奨していないとの回答でした。
※カレンデュラオイル:乾燥させたカレンデュラ(マリーゴールド)の花びらを、オイルに漬け込んで抽出したエキスを使ったオイル。カレンデュラオイルは傷ついた皮膚や粘膜の炎症等、肌の修復保護作用がある。
ホルモン療法を視野に
そこでまず、知人の女医のアドバイスで、サプリメントを摂って膣内環境の改善を試みました。少し期待していましたが、目立った効果は見られなかったので、今は、婦人科医が薦めるホルモン補充療法を受けてみようかと思っています。
フェムテックについてインターネット等で調べて驚いたのは、欧州では、膣まわりのフェムゾーンは「女性の第二の顔」といわれるほど、きちんとケアすべき部位だと認識されているということ。また、英国の医学界では、“FACE”といえばフェムゾーンを意味するということも知りました。
それに比べて、日本ではまだ、フェムゾーンについて語りにくい状況です。膣まわりの悩みを気軽に相談できる時代が来ることを願いながら、体調の変化にあらがうことなく機嫌よく過ごしたいなと思います。
花子(54歳)
個人事業主。夫と二人暮らし。閉経後、生理を気にせず旅行できる更年期を楽しんでいる。
<ワタシのセルフケア>ラッコやビーバーの動物動画を見ること。漫才で笑うこと。
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