更年期の夏の過ごし方

夏を楽しむ女性
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夏は自律神経のバランスが乱れやすくなる

更年期とは、思春期などと同様、女性のライフサイクルの一時期の呼び方で、閉経を挟んだ10年間を指します。

個人差はあるものの、日本人女性が閉経を迎える平均年齢は50歳頃といわれていますので、おおむね45~55歳が更年期にあたります。

この時期は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少しますが、実は減少する一方ではなく、日によって女性ホルモンの分泌量が増えることもあり、そうかと思うと、再び急激に減少するなど、 乱高下を繰り返します。

乱高下のイメージ

このことが原因で自律神経のバランスが乱れ、自律神経が司っている血管の拡張や収縮のコントロールがうまくいかなくなることから、のぼせ、ほてり、多汗、ホットフラッシュといった症状があらわれやすくなると考えられています。

ホットフラッシュとは、突然、顔や上半身がカーッと熱くなり、汗がワッと出る症状のことをいいます。

季節や時期を問わず起こるといわれていますが、人によっては、気温が高くなると症状が強くなったり、かかってきた電話に出るなど、自分では気づかないくらいのちょっとした緊張感やストレスが引き金となって、症状があらわれたりする場合もあるようです。

また、夏は冷房のきいた室内と炎天下の屋外との温度差が10度以上になることが珍しくありませんが、それがとても厄介です。

今年の夏(*2021年)は、プライベートでのお出かけは多くはないかもしれませんが、更年期の女性は特に、家族や地域、職場から必要とされていて止むを得ない外出機会も多く、多忙です。

日々の暮らしでも、洗濯物を干したり、買い物に行ったり、子どもの送迎したりと、温度差のある環境を一日に何度も行ったり来たりします。 この温度差は、自律神経のバランスの乱れに拍車をかけます。

するとのぼせ、ほてり、多汗、ホットフラッシュだけでなく、倦怠感や食欲不振、睡眠不足など、夏バテの症状も加わって、さらにつらい思いをすることもあります。

そうならないためにすぐにできる対策の1つとして、涼しい場所に移動した際に体を冷やし過ぎないよう、羽織る物やストールを持ち歩くことをおすすめします。

汗をかいても大丈夫」と思えれば勝ち

夏は誰でも汗をかきますが、更年期の症状とは異なるもの。突発的に大量の汗をかくことに対する不安な気持ちは、更年期の女性の悩みのタネでもあります。

そこで大事なのは、汗をかいても大丈夫と思える備えをしておくことです。詳しくは「夏前に覚えておきたい!ホットフラッシュとの付き合い方」の記事でご紹介していますが、まさに「備えあれば憂いなし」です。

汗をかく女性

また、汗をかくと気になるのが、臭い。体臭が変わり始める年代でもあるので、ドキッとされる方も多いのではないでしょうか?

肌や服の雑菌が汗と混ざり合うと臭いの原因になります。吸水性の高いハンカチを複数枚持ち歩いたり、使い捨ての汗拭きシートを常備したりして、小まめに汗を拭きとりましょう。

抗菌防臭加工が施されている服や肌着なら、汗臭さを予防することにもつながります。抗菌防臭をうたっている洗濯洗剤を利用するのも一案です。

また、汗は汗腺から分泌されますが、汗腺は使われないと機能が低下することがあります。そのため、汗をかく習慣がないまま、ホットフラッシュなどが起こると、 顔や脇など汗腺の機能が低下しにくい部分から、集中的に汗が出ることになってしまうこともあるのです。

習慣的に汗をかくことで、全身からまんべんなく汗が出やすくなります。汗腺のろ過機能も働くため、サラサラの汗になり、べたつきや汗臭さがやわらぐともいわれています。

普段から適度な運動をしたり夏でもシャワーで済まさず湯船につかったりするなど、自ら汗をかくことを心がけてください

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更年期症状のピークは2~3年。トンネルの出口は必ずある!

更年期症状の、のぼせ、ほてり、多汗、ホットフラッシュ自体は病気ではありません。
けれど、つらいときは一人で悩まずに、早めに医師の診察を受けましょう。

更年期の諸症状への対処はもちろんですが、悩みを理解してくれる人がいることは、気持ちの面でもとても重要です。
なぜなら、抱え込んだストレスが自律神経の乱れを更に増長させる要因にもなってしまうからです。

更年期に理解の深い婦人科なら、女性に寄り添い、心身の不調を理解し話を親身に聞いて、症状がやわらぐように治療方針を一緒に考えてくれるでしょう。逆説的にいうと、そうしてくれない医師と無理に付き合う必要はありません。

また、のぼせなどの症状の陰には、高血圧や甲状腺などの病気が隠れている場合がありますので、原因をきちんと確かめておくという意味でも医師にかかることは大切です。


移動中や外出先で汗をかくと、自分だけがたくさん汗をかいて恥ずかしい……そんな気持ちになるかもしれません。

しかし、実際は、他の人は自分のことで忙しく、人のことまで気にしていないものです。 自分が気にしているほど汗をかいていることは目立たない、そう割り切って考えてみましょう。

休憩中の女性

更年期症状のピークは2~3年といわれ、個人差はありますが長くても5年ほどで不調はおさまるといわれています。
今は「この状態がいつまで続くの……?」と不安に感じているかもしれませんが、つらい時期には終わりがありますので、安心してくださいね。

それでもどうしようもない不安感に見舞われた時は(それ自体が更年期の症状の一つの場合もあります)まず、更年期に対する正しい知識を手にいれましょう。自分が今どういう状態なのか、これからどんなことが起こるのか?を把握していれば、心の負担が軽くなります。

更年期はいくら体調が優れなくても、病気ではないからと軽視されがちですが、女性の体にとっては、大きな大きな転機です。
自分の体を理解して、少しでも前向きに更年期を乗り越えられるようにしていきたいですね。