更年期には運動を。夏は暑さ対策を念入りに

ウォーキングをする女性
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運動ノススメ

最近、いつ運動しましたか?と聞くと、とても忙しい更年期世代の女性は「うーん…」と口ごもってしまう方が、多いかもしれません。

筋力や体力の低下から(人によっては体重の増加も)、運動の必要性については実感されているものの、忙しい毎日の中から時間を捻出し、だるさを感じている体に鞭を打って…と考えると、なかなかハードルが高いことです。

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**ここ1年(*2020~2021年)は、おうち時間が増えたことで、軽いランニングやウォーキングなどを新しい日々として習慣に取り入れている方も増えているそうですね。
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適度な運動には、更年期の様々な不調を和らげる効果があります。また、女性ホルモンの保護がなくなり、骨粗しょう症のリスクが高くなる更年期以降に備えて骨の強度を高めるのにも、運動することは重要な役割を果たします。

思い立ったが吉日、梅雨があけてお天気の心配がなくなったら、体を動かしてみませんか?

よし!と思い立っていただいた方と、もう始めています!という方のために、今回はこれから本格化する夏にむけて、念入りに行う必要がある暑さ対策をまとめました。

まずは「暑さ指数(WBGT)」を確認!

7月は、環境省が「熱中症予防強化月間」と定めています。
体がまだ本格的な暑さに慣れていないため、特に注意が必要なのです。また、季節の変わり目は、更年期の症状もあらわれやすくなりますので、その点も含めて体を気遣ってあげましょう。

関連記事:暑いのに手足はヒンヤリ。そんな更年期の梅雨「冷え」を撃退!

以下の事項は、ご自身だけでなく、特に小さいお子さんや運動部のお子さん、ご高齢の親御さんがいる方にも、お役立ていただけることです。この機会にぜひ覚えておいてください!

暑さ指数とは、 気温だけでなく、湿度や日射熱、輻射熱(ふくしゃねつ:地面や建物・体から出る熱のこと)なども取り入れた指標のことをいいます。単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。

日本スポーツ協会では暑さ指数28℃で「厳重警戒」、31℃以上で「運動は原則中止」という指針を定めています。 暑さ指数はテレビの天気予報のほか、環境省や気象庁のホームページなどで知ることができます。

暑さ指数(環境省HP)
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php

運動の際には、まず暑さ指数を確認し、暑さ指数が28℃以上にならない涼しい時間帯を選びましょう。暑さ指数を配信してくれるメールサービスなどを利用するのもおすすめです。

環境省からリンクしている熱中症予防情報メール登録サイト
https://service.sugumail.com/env/member

今はお天気予報アプリにも色々な機能がついていますから、ご自身のスマホにインストールされているアプリの機能を確認して、通知をONにしてみるのも〇

事前の準備と「もしも」の備えを

★ 快適なウェアで

機能性スポーツウェア

ウェアは風通しがよく熱がこもりにくいものや、速乾のものを着用し、日差しをよけるため帽子をかぶったりしましょう。また、紫外線対策に日焼け止めを忘れず、アイウェアを着用することもおすすめです。

関連記事:それでも日光を浴びるべき大切な2つの理由

ダイエット目的で、とにかく汗を出そうと暑い中でも厚着をしている方がたまにいらっしゃいますが、汗をかくことによる体重の減少は、あくまで体の水分が一時的に減っただけ。
その分の脂肪が燃焼した訳ではないので、快適に運動できることを優先しましょう(汗をたくさんかくと、つい「すごく運動した気分」になってしまう、という気持ちはとてもよくわかります!)。

★水分はこまめに!塩分濃度にも注目
水分の摂取量が足りないと、熱中症になりやすくなります。 運動前にコップ1杯分以上の水を飲み、運動中もこまめに水分補給をして、運動後も水分補給をしましょう。
汗を大量にかく場合は、水よりも塩分を含むスポーツドリンク(目安として、塩分濃度0.1 ~ 0.2%程度)がおすすめです。

★無理をしない&「もしかして」に備えましょう
そして、一番大切なのは無理をしないことです。体調が悪い時は、頑張らずに運動を休みましょう。
夏は、寝苦しさによる睡眠不足で、気付かないうちに体の調子が悪くなりがちです。睡眠が足りていない、朝から疲労感がたまっている、と感じる時は、まずゆっくり休息を。

ウォーキングなどの際は、途中で体調が悪くなった場合に備えて、飲み物やスマホ、お金(タクシー代程度)も持参して出かけると安心ですね。
今はスマホによるキャッシュレス決済も発達しているので、活用しましょう。

★屋外にこだわらず、冷房の効いた室内でできる運動もおすすめ
お尻、太もも、ふくらはぎなどに効果のあるスクワットやその場足踏み、手すりをつかみながらの階段の上り下り、椅子に座っての脚の上げ下げ、ラジオ体操などで、室内でも効果的に、自分の体重を負荷にした運動ができます。

関連記事:1日5分の簡単スロトレで更年期の冷えを乗り越える!

日々の食事から、備えましょう

ビタミンDのイメージ

夏の暑さは思っている以上にエネルギーを消費します。日々の食事でいろいろな栄養素をまんべんなく摂ることは、運動中の熱中症予防にも更年期を元気に過ごすためにも大切なことです。

その上で、代謝を助けるビタミンB1、筋肉を保つたんぱく質、紫外線によって体内に発生する活性酸を抑えるビタミンA、C、E(抗酸化成分)、カルシウムの吸収を促したんぱく質の合成を助けるビタミンDなど、夏の運動をサポートしてくれる栄養素を積極的に摂りましょう。それらを含む食材は下記になります。

ビタミンB1…豚肉、玄米、大豆など

たんぱく質…肉、魚、卵、牛乳、乳製品、大豆、大豆製品など

ビタミンA…レバー、にんじん、ほうれんそうなど

ビタミンC…ピーマン、ゴーヤ、いちごなど

ビタミンE…アーモンド、かぼちゃ、アボカドなど

ビタミンD…鮭、しらす、きのこ類など(適度な日光浴・1日15分程度をすると、体内でもつくられます)。

更年期は、女性ホルモンの急激な減少によって、自律神経のバランスが乱れやすくなります。自律神経は、胃腸の働きにも影響を与えますので、思うように食事がとれないこともあるでしょう。また、暑さで食欲が落ちてしまうことがあるかもしれません。

けれども食事を抜くのは、熱中症予防の面でも、更年期対策の面でもよくありません。食事を抜くと、必要な水分と栄養素が摂れなくなることに加え、次の食事まで時間が空くため、変則的な食事のリズムが自律神経のバランスの乱れに拍車をかけてしまいます。

1日3回、できるだけ同じリズムで食事を摂るように心がけましょう。食事が進まない時は、量より質と考えて、滋養のあるものを少量食べるのもひとつです。
また、栄養の偏りが気になる場合は、日々の食事の補完として、栄養機能食品やサプリメントを利用するのもいいでしょう。


念入りな対策と食事面でのセルフケアで、気持ちよく運動し、爽やかな汗を流しましょう!

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