「トイレが近くてつらい」を変えたい!今こそ徹底対策で頻尿を克服
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対策

読者代表のヴィーナスたちが、更年期世代の抱えるお悩みをその道の専門家に解決してもらう『お悩み解決隊』。今日は頻尿に悩むヒロミが、泌尿器科医の佐藤亜耶先生のもとを訪ねました。家族でのお出かけ中、トイレばかり気にしてしまうというヒロミ。佐藤先生からたくさんのアドバイスを受けているうちに、なんだかヒロミの気持ちにも変化が表れて…。
| 記事まとめ ●頻尿は回数だけで判断しない。回数よりも尿意の強さや生活への支障がポイント。 ●更年期には女性ホルモンの減少や骨盤底筋の衰え、冷えやストレスなどが頻尿につながることも。 ●飲み物や冷え対策など毎日の生活を見直し、骨盤底筋体操・膀胱トレーニングを習慣に。 ●頻尿の背景に病気が隠れている場合も。我慢せず、気になる症状は泌尿器科へ相談を。 |
「私、トイレ行きすぎ?」何回からが頻尿なのか
ヒロミ 先生、実は私、最近頻尿に悩んでいるんです。家族と出かけているときも、友人とご飯を食べているときも、頻繁にトイレに行きたくなるんです。1日に何回トイレに行くと頻尿といえるのでしょうか。
佐藤先生(以下、佐藤) 日本泌尿器科学会の定義としては、1日8回以上は頻尿です。が、回数よりもご自身がどれくらい頻繁に尿意を感じるかという点が重要です。10回ぐらい行っていても頻尿ではないと思っている方もいれば、トイレ回数が少なくても「自分は頻尿だ」と思う方もいて、結局は本人の感じ方に大きく左右されます。
尿が少ししか出ないのに何回もトイレに行ってしまう方は、膀胱の機能自体に問題がある可能性もあります。その一方で、回数が多くてもトイレに行きたいのを我慢できる方は、膀胱の機能自体には問題がない可能性が高いんです。
ヒロミ なるほど…。自分が1日に何回トイレに行っているか、一度数えてみようかな。
佐藤 ヒロミさん、それはやめましょう! 記録をし始めると、頭のなかがおしっこのことでいっぱいになってしまいますから。患者さんのなかにはトイレに行った回数を表にして持ってきてくれる人もいるのですが、「記録するのはやめましょう」とお伝えしています。気にしないのが1番なんですよ。
それから回数を他人と比べないこと。友人とご飯に行っているときに「私はさっきトイレに行ったのに、彼女はまだ行かない」「私のほうが彼女より頻繁にトイレに立っている」などと比べたくなる気持ちは分かりますが、そもそも体質は人それぞれですから意識しないでください。自分は自分、友人は友人と割り切って考えましょう。

どうして更年期になると頻尿の人が増えるの?
ヒロミ 実は私の友人も頻尿の悩みを持っています。更年期は頻尿に悩む人が多い世代なのでしょうか。
佐藤 頻尿のお悩みを抱える方は年代問わずいます。私のクリニックには小さいお子さんから10代、20代、そして90代まで、頻尿に悩む方がたくさん来院されています。ただ、やはり更年期前後、40代半ばから60代位の方が割合としては最も多い印象ですね。
更年期に頻尿のお悩みを抱えがちな理由は以下のとおりです。
【更年期に頻尿の悩みが増える理由】
①女性ホルモンの減少による影響
女性ホルモンが減ることで、尿道や粘膜が薄くなり乾燥します。その結果、潤い不足で過敏になり、尿意を感じやすくなるのです。
②骨盤底筋の衰え
骨盤の底にある筋肉(骨盤底筋)が衰えて膀胱や子宮などの臓器を支えきれなくなると、トイレが近くなります。骨盤底筋が緩むと、尿漏れも起きやすくなります。
③体重が増加し膀胱が圧迫
更年期に体重が増えて、物理的に膀胱が圧迫されることが原因で、頻繁に尿意を催すという方もいます。
④冷えの影響
冬場の冷えは膀胱を直接刺激します。さらに夏ほど汗をかかない分、尿の量も増えるため、まさに「ダブルパンチ」でトイレが近くなります。それに対して、暖かい時期は比較的尿意は落ち着きます。
⑤ストレス・緊張
緊張やプレッシャー、イライラも頻尿の引き金に。外出時の緊張感のほか、新しい職場に配属されてからのストレス、就職活動のプレッシャー、家族などへのイライラなどからトイレが近くなるケースも少なくありません。
⑥カフェインやアルコールの摂りすぎ
カフェインやアルコールには利尿作用があるため、膀胱が刺激されてトイレに行きたくなりがちです。作られる尿の量も増えるため、頻尿や尿漏れの症状が強まります。
⑦自律神経の乱れ
更年期の自律神経の乱れに加え、女性の場合、気圧や気候の変化も自律神経の乱れに関係します。膀胱は自律神経が司る臓器なのでそれらが頻尿に影響しますし、緊張や不安な気持ちも交感神経を刺激して症状を悪化させます。
更年期世代は頻尿で悩まれている方は本当に多いんですよ。ある患者さんも、「同世代の友人たちに初めて頻尿の悩みを打ち明けたら、実はみんな頻尿で悩んでいたんですって!」なんて話してくださいました。仕事中に何度も席を立たなければならなくなったり、友達とバス旅行に行きづらかったり…。日常生活に支障をきたしているなら、何らかの対策を考えたほうがいいでしょう。

病気が原因で頻尿になっている可能性も!?
ヒロミ 自分が気にならなければ、トイレが近いのは問題ないとのお話でしたが、頻尿の裏にもし病気が隠れていたらと思うとちょっと心配になります。
佐藤 ヒロミさんのおっしゃる通り、頻尿の症状が出る病気はいくつか存在します。
【頻尿の症状が現れる病気】
●過活動膀胱
年齢的な変化、ストレス、環境変化などの理由で、膀胱が過敏になっていると考えられる病気ですが、はっきりした原因はよく分かっていません。過活動膀胱の人は、ちょっとしたことですぐに尿意を催します。
過活動膀胱の症状例)
・少しの尿意でも我慢できずにトイレへ走ってしまうが、いざ行くと尿があまり出ない
・水の音を聞いただけ(手を洗う、歯磨きをするなど)で急にトイレに行きたくなる
・帰宅時に自宅が見えた途端、急にトイレに行きたくなる など
過活動膀胱かどうかは、ご自身では判断することは難しいものです。私のクリニックに来る患者さんの多くは過活動膀胱で、「尿意を我慢できずに、トイレに間に合わなくて漏れてしまう」という方もいらっしゃいますが、膀胱の過敏さを抑える薬を飲むと、症状がかなり楽になることが多いんです。不安なときや旅行のときだけ使えるお薬もあるので、我慢せずに泌尿器科に相談してみてください。
膀胱の働きは、交感神経や副交感神経からなる自律神経によってコントロールされているので、次の2種類の薬で尿を溜められるようになります。
・副交感神経の働きをブロックして膀胱の収縮を抑え、尿を溜める薬
・交感神経を刺激して膀胱を緩め、尿を溜める薬
なお、過活動膀胱には骨盤底筋トレーニング(後述)も併せて行うと効果的です。
●尿路感染症
尿路感染症とは、尿道口から細菌が入り込み、尿道や膀胱、尿管、腎臓などで炎症を起こす病気です。
なかでも一番多いのは膀胱炎。粘膜に炎症が起こり、知覚過敏のような状態になって、トイレに行ってもまたすぐに行きたくなります。膀胱炎は、抗生剤を飲んで適切に治療すれば1~2週間で治るため、早めにクリニックへ相談してください。
●腫瘍
上記2つよりは稀なケースですが、膀胱のなかに異物ができる膀胱腫瘍になると、それが刺激になり、尿意を催しやすくなることがあります。腫瘍は薬で治すことは難しく、手術が必要となるケースがほとんどです。

日常生活でひと工夫!頻尿対策のヒント
ヒロミ 薬で頻尿対策をするのに加えて、私自身も普段の生活で何か頻尿の対策をしたいです。
佐藤 分かりました。膀胱はとてもデリケートな臓器なので、ちょっとした刺激で尿が溜まっていなくても過敏に反応してしまうことがあります。膀胱への余計な刺激を和らげるセルフケアをいくつかご紹介しましょう。まずは食事や水分についてです。
【食事・水分による頻尿対策】
●カフェインやアルコールは控えめに
カフェインやアルコールは膀胱を刺激する上、利尿作用があります。特にビールは量を飲んでしまいがちな分、頻尿や尿漏れにつながることも。カフェインやアルコールは控えめにして、ノンカフェインのハーブティーやルイボスティーなどを選ぶと良いでしょう。
●刺激物は避ける
スパイス系や辛い料理、酸っぱいもの、炭酸飲料、柑橘系のものは頻尿に影響があります。食べ物より飲み物のほうが直接的に作用するので注意して摂ってください。特にレモンスカッシュなどの柑橘系の炭酸飲料は膀胱を刺激するので、できれば避けたほうがよいでしょう。
●常温の飲み物を摂る
冷たい飲み物をゴクゴク飲むのも、膀胱の刺激になるので控えめに。常温の飲み物や白湯をおすすめします。
●体重×20~30倍の水分量が1日の目安
体重×20~30倍の水分量が摂取の目安です。体重が50キロの方であれば、1000~1500mlの水分を、食事と別に摂ると良い計算です。冬場は少し少なめ、夏場は少し多めでも問題ありません。
●水分は「こまめにちょびちょび」飲む
水分を一気に摂ると、一気におしっこが作られてしまうため、少量をこまめに補給しましょう。家にいるとかなり水分を摂りすぎてしまい、そのせいでトイレが近くなっているというケースもよく見受けられます。
●クランベリーを摂る
クランベリーの摂取は膀胱炎の予防につながるとされています。クランベリーをそのまま摂取するより、成分量が安定しているサプリやジュースを活用するのが効率的です。乳酸菌の摂取も効果が期待できます。
関連記事:クランベリー

●大豆イソフラボンを摂る
女性ホルモンに似た働きをする大豆イソフラボンを摂ると、減っていく女性ホルモンの働きを補うことができます。更年期症状の改善や、肌の潤いアップも期待できるので、毎日の健康習慣の一つとして取り入れると良いでしょう。ただし、陰部の症状については直接のケアのほうが効果は実感しやすいので、平行して外側からもケアするとベター。
ヒロミ 暑いとついつい冷たいものを飲みたくなってしまいますが、膀胱的にはNGだったんですね。大豆イソフラボンやクランベリーも積極的に摂ってみます。
佐藤 そうですね。また日常生活のなかでも、頻尿の対策ができるのでお伝えしておきますね。
【日常生活での対策】
●ぬるめのお湯でゆっくり入浴
熱いだけのお風呂だと体の芯まで温まりません。39〜40度くらいのお湯に15〜20分ゆっくり浸かることで血流が良くなり、夜間頻尿などの対策にもつながります。
●腹巻きやレッグウォーマーで冷え対策
冷房による冷えも頻尿を悪化させます。薄手の腹巻やレッグウォーマーでお腹や足首周りを温めて、冷えによる膀胱への刺激を防いでください。特に足首を温めるのはおすすめです。
●座りっぱなしの時間を減らす
座りっぱなしで動かないと、女性は特に血流が悪くなりがちです。家事やデスクワークの合間に、歩いたり軽い運動をしたりすると良いでしょう。

【外出時の対策】
●外出時だけ尿漏れパッド、尿失禁ショーツを使う
トイレに行けない状況になるとパニックになりやすいので、外出時に尿漏れパッドや尿失禁ショーツを使って、万が一漏れても大丈夫な状態にしておくのも有効です。ただ、ずっと使っていると膀胱炎やかぶれの原因になるため、バス旅行や友達との外出時など、どうしても心配なときだけに限定して使うようにし、自宅などすぐにトイレに行ける環境なら使わないことをおすすめしています。
●水分を摂るタイミング、飲む量を考える
例えば高速道路を使った遠出など、トイレに立ち寄れるタイミングが少ないときには、カフェインを控えたり、一気に水分を摂らないようにしたりといった対策をとるのも一つの手です。なお、摂った水分は3時間かけて8割程度が尿になるので、車に乗る直前だけではなくもっと前から、飲む量を少なめにすると安心。ただし、暑い季節に全く水分を摂らないのは熱中症を招く危険があるため、あくまで「控えめにする」程度にとどめましょう。

骨盤底筋体操と膀胱トレーニングで頻尿を克服!
ヒロミ 先ほど、頻尿には運動もいいとおっしゃっていましたが、どんなことをすればいいでしょうか。
佐藤 頻尿対策としては、骨盤底筋体操や膀胱トレーニングが有効です。いくつかご紹介しますので、できれば毎日継続してみてください。
●骨盤底筋体操にトライ
お尻の穴を締めて緩める動きを、10回1セットとしてこまめに5〜10セット行いましょう。息を吐きながら、あまりお腹に力を入れないようにしてお尻の穴をギュッと引き上げるのがコツです。
正しくトレーニングできているかチェックするには、膣に指を入れて確認する方法があります。入浴時に膣に指を第一関節あたりまで軽く入れ、お尻を締めたときに指が少し吸い上げられる感覚があれば、正しく骨盤底筋が動かせている証拠です。毎日コツコツ続けることがなにより大切で、効果を実感するまでには1~3カ月ほどかかります。
私たちは毎日立って生活しているため、常に骨盤底筋に負荷がかかっている状態です。日常生活のなかでこまめに意識してトレーニングをすると、効果を感じられるはず。骨盤底筋体操は、ぜひ一生続けてください。
●ヨガやピラティスで体幹を鍛える
ヨガやピラティスなどの体幹トレーニングは、インナーマッスルが鍛えられるのでおすすめです。
●自宅での膀胱トレーニングでトイレを我慢する練習を
「とりあえずトイレに行っておこう」と頻繁に行きすぎると、膀胱に尿を溜められなくなってしまいがちです。そこで、自宅など安心できる環境で、あえて少しトイレを我慢する練習をし、膀胱に尿を溜められる力を取り戻していきましょう。外出先や車のなかでトレーニングをしようとすると、不安な気持ちが勝ってしまってうまくいきません。トイレに行こうと思えばいつでも行ける、安心感のある環境で行うのがポイントです。

頻尿が改善できれば、これからがもっと楽しくなる!
ヒロミ 先生、今まで頻尿は年齢のせいだからと半ば諦めかけていたのですが、改善できそうだと感じて心が軽くなってきました。クリニックにも行ってみたいと思い始めましたが、どんな診察が行われるのか不安もあります。
佐藤 頻尿の診察は、基本的に尿検査と超音波検診と問診で、内診は少ないので安心してください(陰部の症状がある場合は内診することもあります)。トイレが近い症状を我慢してもいいことはありません。更年期だから仕方ないと諦めず、恥ずかしがらずに、頻尿で困ったら気軽に専門の泌尿器科へご相談くださいね。
ヒロミ 内診がないなら気軽にクリニックに行けそうです!先生にいろいろお話を伺っていて、私も頻尿を解決できるような気がしてきました。
佐藤 それは良かったです。膀胱は心の鏡といわれるほど繊細な臓器ですから、「トイレに行きたいのに行けないかもしれない」と思うと、余計に行きたくなってしまうものです。特に私たちの世代は、「トイレを我慢したら膀胱炎になるから、行けるときに行っておきなさい」と言われて育ちましたよね。だから「とりあえずトイレに行っておく」のが習慣というか、癖になってしまっているため、膀胱にしっかりおしっこが溜まる前にトイレに行くようになってしまっているんです。
骨盤底筋体操や膀胱トレーニングを続けたりクリニックで治療したりすると、頻尿の症状は改善されていきますので、生活がすごく楽しくなっていくと思います。「もっと早く薬を飲めばよかったです」「旅行に行きたくなりました」と、患者さんは皆さんみるみるアクティブになっていっていますよ。
ヒロミ わあ、私もその仲間入りをしたいです!トイレを気にせず旅行を楽しむことを目標に、今日からできる治療と対策をしていこうと心に決めました。先生、今日はありがとうございました。
<この記事を監修いただいた先生>

佐藤 亜耶 先生
自由が丘ウロケアクリニック院長
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ヒロミ
45歳。夫と小学生の子ども2人の4人家族。結婚を機に仕事を辞め、現在は専業主婦となり家庭優先の生活をしている。約2年前から手足のしびれがあるほか、生理周期が短くなり、生理前には頭痛も。冷えや寝つきの悪さにも困っている。





