【専門医解説】ゲニステインとプロアントシアニジンの更年期への効果|キッコーマンの大豆研究20年の結論
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「大豆イソフラボンを摂っているのに、なぜか実感が得られない……」そんな悩みを抱える更年期世代のために、産婦人科専門医の寺内先生と大豆研究のプロである薬剤師の和泉さんが、最新のエビデンスに基づいた「本当に必要な成分」の選び方を解き明かします。
これまでのケアで変化を感じにくかった背景には、ホルモン減少だけでなく、実は「酸化ストレス(体のサビ)」という盲点が隠れていることも。
今回は専門家の知見を融合し、更年期を一人で頑張りすぎず、エビデンスに基づいた解決法で前向きに乗り越えるためのヒントをお届けします。
なぜ「大豆イソフラボン」だけでは不十分なのか?
更年期の不調はエストロゲンの減少だけが原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることを正しく理解することが、自分に合ったケアを見つける第一歩となります。
更年期の正体は、女性ホルモンの急減によって自律神経が乱れ、いわば「ガソリン切れの車」のような不安定な状態に陥ることです。この時期の不調には、ホルモン減少に加えて「社会心理的ストレス」や、見落とされがちな「酸化ストレス」という3つの要因が重なっています。特に体のサビが卵巣機能や精神面に与える影響は大きく、イソフラボン単体ではカバーしきれない側面があるのです。

【専門家対談:更年期の実態】
―50代前後になると心身の変化を感じる方が増えてきます。あらためて「更年期」とはどんな時期なのでしょうか?
寺内先生(以下、敬称略) 日本では閉経の前後5年、合わせて10年間を更年期と呼んでいますが、実際には「月経が2カ月以上空いているな」という時期から閉経後の数年間を、更年期ととらえてもらえればいいと思います。
―この時期に女性ホルモンが減ってくるわけですね。
寺内:その通りです。卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減っていきます。
脳は「もっと出せ!」と卵巣に命令しますが、卵巣はそれに応えられない。そのためにさまざまな不調が現れてくるんですね。
私はよく「ガソリンが少なくなった車」にたとえています。ノロノロ運転になったかと思えば、急発進することもある。そんな不安定な“ゆらぎ”の時期なんです。
和泉さん(以下、敬称略) 私からもお伺いします。更年期の不調に悩まれている方はどのくらいいらっしゃるんですか。
寺内:医療機関を受診した人数を基にした厚生労働省の推計では、日常生活に支障のある「更年期障害」の方は約20万人ですが、実際にはもっと多く、300万人以上いるといわれています。病院に行かず一人で頑張っているとか、どうしたらいいのか分からない方がとても多いんだろうと思いますね。
吸収率が違う。注目すべきは「ゲニステイン」
従来のイソフラボンで実感が得られなかった方にこそ知ってほしい、体質や腸内環境に左右されず誰でも効率よく吸収できる「ゲニステイン」の圧倒的なメリットを詳しく解説します。
大豆イソフラボンには「型」があり、糖が外れていて腸内細菌の状態に関わらず誰でも吸収できる「アグリコン型」を選ぶことが重要です。注目成分の「ゲニステイン」は、数あるイソフラボンのなかでもエストロゲン受容体に結合する力が強く、高い作用が期待しやすいのが特徴。研究データでも、ホットフラッシュや不眠、抑うつといった更年期特有の悩みに対する有用性が実証されています。

【専門家対談:ゲニステインの秘密】
―更年期のセルフケアといえば「大豆イソフラボン」が有名です。
寺内:はい。エストロゲンと構造が似ていて、同じような働きをしてくれる成分です。
大豆イソフラボンのなかでも注目されているのが「ゲニステイン」という成分で、和泉さんも長年、研究されていますね。
和泉:はい。ゲニステインは、大豆イソフラボン アグリコン型のなかでも、体内への吸収率やエストロゲン様作用が強いことが分かっているんです。
ちょっと専門的な話になりますが、大豆イソフラボンには「糖」がついているタイプと、ついていないタイプがあります。
糖がついているタイプは、腸内細菌が分解しなければ体内に吸収されませんが、ゲニステインは糖がついていないタイプなので、そのまま体内で吸収されるんです。また、「エストロゲン」の受容体に結合する力も強く、それが作用の強さにつながっています。
寺内:腸内環境に左右されず、安定した吸収性と高い作用が期待できるんですね。
ゲニステインを用いた研究では、更年期の抑うつや不眠、ホットフラッシュに対する効果が実証されています。
体のサビを防ぐ「プロアントシアニジン」の相乗効果
現代女性が抱える強いストレスや体の「サビ」に立ち向かうため、ビタミンを超える驚異的な抗酸化力を持つ成分が、心身の不調や将来の健康リスクをどう変えるのかに迫ります。
ブドウ種子由来の「プロアントシアニジン」は、ビタミンCやEを凌ぐポリフェノールの王様とも呼ばれる最強の抗酸化物質です。不安やめまい、疲労感の改善といった更年期症状へのアプローチはもちろん、血管や筋肉のケアを通じた将来のリスク対策としても注目されています。特に「手指のこわばり」や「朝の家事のしづらさ」など、更年期世代が日常で直面する切実な悩みに対し、多角的な効果が期待できるのが大きな魅力です。
【専門家対談:酸化ストレス対策】
―酸化ストレス対策は何をすればいいでしょう?
寺内:まず喫煙などの活性酸素を増やすような習慣をやめることですね。
それから、抗酸化力を補うために、抗酸化物質を積極的に摂ることも大事です。なかでも、おすすめしているのが、ブドウ種子由来の「プロアントシアニジン」という成分です。
―難しい名前ですね……。
和泉:そうですよね(笑)。
簡単にいうとブドウの種子に含まれる渋みの強い成分で、いわゆるポリフェノールの一種です。
「抗酸化物質」としてよく知られている、ビタミンCやビタミンEよりも高い抗酸化力があるんですよ。
寺内:更年期症状のある方を対象にした研究では、疲労やめまい、頭痛、ホットフラッシュといった身体症状のほか、不安や不眠などの改善効果があることが実証されています。
―心身両面に効果を発揮するのですね。
寺内:はい。さらに、中高年女性を対象にした研究では、筋肉量を増やす効果も認められています。生涯、健やかに過ごすためには筋肉量をキープすることも大切です。早いうちから対策しておきたいですね。
血管内皮機能の改善による血圧低下や、脚のむくみ改善の効果があります。さらに、便臭の軽減(デトックス効果)やメラニンの生成を抑制などの美容面まで、多角的な効果が認められています。
キッコーマンが「ゲニステイン×プロアントシアニジン」に辿り着いた理由
醤油とワイン、それぞれの分野で素材の力を究めてきたキッコーマンだからこそ実現できた、20年以上の研究と医学的エビデンスに基づく独自の成分配合の裏側をご紹介します。
100年以上の歴史を持つ醤油メーカーとして培った大豆研究のプライドと、20年以上にわたるイソフラボン研究。そこにグループ会社であるマンズワインの知見が加わり、独自開発のブドウ種子抽出技術が結実しました。東京科学大学(旧東京医科歯科大学)との共同研究による最新の医学的エビデンスに基づき、これら二つの成分を組み合わせることで、更年期女性の健康を多面的に支える体制を整えたのです。
【専門家対談:研究の歩み】
―キッコーマンでは、これら二つの成分の研究にとても力を入れていらっしゃるそうですね。
和泉:はい。実はキッコーマンは2012年から寄付講座『女性健康医学講座』を開設し、「食と女性の健康」をテーマにした研究を寺内先生とご一緒させていただいています。
醤油メーカーとして100年以上の歴史を持つことから、その原材料である大豆には特に力をいれて研究してきました。
そうしたなかで、更年期障害の軽減や骨粗しょう症予防などの観点から、20年以上、研究を続けてきたのがゲニステインです。
―ブドウ種子由来プロアントシアニジンの研究はどのような経緯で?
和泉:キッコーマンのグループ会社にマンズワインというワイン製造会社があります。
そこで、ワイン製造時に廃棄してしまうブドウ種子の再利用の研究を進めるなかで、ブドウ種子由来プロアントシアニジンに着目しました。
より効率的に抽出する方法を、キッコーマンが独自に開発しています。
失敗しない「更年期サプリ」の選び方
膨大な製品が市場に並ぶなかで、一時的な気休めではなく、人生の後半戦を支える本物の「お守り」を見極めるための具体的な評価基準を整理しました。
大切なのは、作用機序の異なる成分を組み合わせ、一歩踏み込んだ効率的なケアができるかという点です。「なんとなく」ではなく、科学的な研究で効果が確かめられた量が配合されているかというエビデンスも欠かせません。また、毎日負担なく続けられる「小粒設計」といった飲みやすさへの配慮も、将来にわたる健康維持を左右する重要なポイントになります。
【専門家対談:サプリ選びのポイント】
―これら二つの成分は、どのくらいとれば良いのでしょうか。
寺内:大豆イソフラボンは、過剰に摂ると子宮内膜増殖症のリスクが高まるといわれているため、サプリメントでとるなら1日当たり30㎎が上限です。
ただ、大豆イソフラボンと一口にいっても、ゲニステインは吸収率が高いので、この範囲内でも十分な効果が期待できますね。
和泉:そうですね。ブドウ種子由来プロアントシアニジンの推奨量は定められていませんが、効果が期待できるのは、赤ワインだと大体グラスに4~6杯分といわれています。
食事でとるのは難しいですし、ワインで摂るとなると、別の臓器への問題が出てしまいますね。
寺内:バランスのとれた食事や運動習慣をベースに、足りない分をサプリメントで補うというのも現実的だと思います。
―サプリメントを選ぶときのポイントは?
寺内:更年期世代であれば、「大豆イソフラボン」というだけでなく、体内でより効率よく働くものを選んだり、抗酸化力を補う成分を一緒に摂取できるものがいいですね。
また、年齢的にも、単に更年期症状の改善だけではなくて、人生後半の健康を多面的にサポートしてくれるものがいいと思います。
和泉:なるほど。ブドウ種子由来プロアントシアニジンは、抗酸化力はもちろん、血圧低下や筋肉量増加などの効果があることも分かっていますしね。筋肉量を保てれば、将来のサルコペニアやフレイルの予防にもつながることも期待できそうです。
―摂取することで効果が感じられやすい、というのも魅力ですね。
ブドウ種子由来プロアントシアニジンの体感・実感効果

寺内:サプリメントを何種類も飲むのは大変ですから、ゲニステインとブドウ種子由来プロアントシアニジンのように、作用機序の違う健康成分が一緒に含まれているものがおすすめですね。
和泉:あと、忘れてはいけないのが、エビデンス(科学的根拠)にもとづいたものを選ぶということ。サプリメントは適当な量を摂れば効くというものではなく、科学的な研究で効果が確かめられた量をきちんと摂らなければいけません。
寺内:その通りです。前述したように、更年期の不調には社会心理的因子も深くかかわっており、自分ではどうにもできないこともあるでしょう。だからこそ、サプリメントを“心身を支えるお守り”として活用してみてはいかがでしょうか。
専門医からのメッセージ
更年期を「終わりの始まり」ではなく、自分自身の心身を丁寧に見つめ直し、輝く未来へつなげるための「大切なメンテナンス期」と捉えるためのヒントをお届けします。
人生の折り返し地点である更年期は、自分自身の体を労わり、整えるための絶好のタイミングです。一人で不調を抱え込むのではなく、信頼できるサプリメントを「心身を支えるお守り」として賢く活用してみてください。エビデンスに基づいた確かなケアを取り入れることで、これからの人生をより豊かで明るいものへと変えていけるはずです。
【専門家対談:更年期を生きる方へ】
―最後に、更年期を健やかに乗り越えるためのメッセージをお願いします。
寺内:人生100年時代、更年期はちょうど折り返し地点です。
後半の人生を元気に明るく生きていくために、更年期を、自分の生き方や心身を見つめ直すきっかけにしてもらえたらと思います。
不調があれば、エビデンスにもとづいた信頼できる情報を参考にしたり、専門医に相談したりするなど、一人で抱え込まず、いろいろ試してみてください。
和泉:キッコーマンでもこの「輝きプロジェクト」サイトを通じ、更年期の女性に向けた情報を発信しています。自分に合うケアを見つけて、更年期とうまく付き合っていただければうれしいです。
―寺内先生、和泉さん、本日はありがとうございました。

<この記事を監修いただいた先生>

寺内 公一 先生
東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 茨城県地域産科婦人科学講座 教授
医学博士。主に更年期障害や骨粗鬆症の診療に従事し、中高年女性の抑うつ・不安・不眠の特性とその対応についての研究や、閉経後骨粗鬆症の病態生理に関する研究、女性の身体的・精神的機能の加齢による変化と、食品・薬品およびそれらに含まれる生理活性物質がこれに対して与える影響についての研究を行う。
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和泉 亨
キッコーマンニュートリケア・ジャパン(株)開発部長
農学博士、薬剤師。キッコーマン入社以来、研究開発本部、商品開発本部、プロダクトマネジャー室を経て現在に至る。1996年~2007年まで研究開発本部にて、大豆イソフラボンの研究に従事。
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